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HADA#01「人生は粋探し」

さぁはじまりました!新連載HADA。
いや新連載ってなんだよっていう気持ちはもちろん僕の中にもありますが、そんな気持ちはそっと抑えて少しだけお付き合いください!

私中村はラジオのパーソナリティさながらの気分で書いております。こちらオランダは最高気温19度。パーカーくらいがないと肌寒い季節になってきました。25度くらいまで上がる日もあるみたいな予報ですが、本格的な夏は終わっちゃったみたいです。さみしい。夏のオランダは本当に良いのでぜひです!

ちなみに何でHADAなのかが気になりすぎて読み進められない人には何でHADAになったのか説明しているこの前回のこの記事を読んでくれたら嬉しいです!

さて、記念すべき第一回#01 は「粋(いき)」について書こうと思います。簡単に言うとチップとリスペクトについてです。前回、なんでオランダに来たのかを改めて書こうと思いますって言ったそばから違うことを書いてて、我ながら草。

とはいえ、どうしてもこのタイミングで書きたい!!!!と抑えられぬ想いがこみ上げてきたので書かせてください。

こっちに来てから、僕に「粋」を教えてくれた兄貴がいます。彼はこっちでSake Bar”UTAGE”をやっている日本人です。UTAGEは日本酒と日本料理(SUSHIではない)を提供しています。内装も料理もサービスもスタッフのユニフォームもバイブスもSAKEもSoooo Good!

僕は彼のアパートの一室を借りて生活をしています。多分、全然問題ないのですがなんとなく名前を出すのは野暮だと思ったので彼をヘリー・ハンセンと呼ぶことにしましょう(彼のイニシャルはHH)。


https://www.instagram.com/reel/CzltgOjIqNu/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA== 
ちなみにUTAGEはこんな感じ。ほぼ日本。すごいのが、ほぼローカルの人で連日盛況。本当にすごい。さて、みなさんはヘリー・ハンセンを見つけられるか?!

彼は正直どこにいても何でもうまくやっていけるくらい聡明でバイタリティ溢れるナイスガイです。並々ならぬバイブスを持っていて「こんな人そうそういねぇな」って直感でわかるタイプの人です。とにかく粋な人で、ただしい表現ではない気がしますが両津勘吉みたいな人です。(こち亀ちゃんと読んだことはないです、すません)とにかく明るくて快闊でエネルギッシュな人です。よく喋る。笑

で、その人がこっちに来て家の紹介の前にまず教えてくれたのが「粋」についてです。家具家電の使い方、洗濯機の使い方ではなく粋について最初に教えてくれました。これは僕の海外生活のスターターとしては完璧なものでした。

もちろん、僕は日本での生活でも「粋だな」と感じるシーンはいくつもあったし、「粋」について全く知らなかったということではないです。僕が新しく教えてもらったのは「粋との向き合い方」です。もうちょっと説明します。

この世は粋で回ってる!粋を見つけてお前の粋で返せ!それだけ!
そんな感じのことを言われました。いやいや、すみません。もうちょっと説明します。

例えば、あなたは海外でチップを払ったことがありますか?ヨーロッパではチップが求められないことがしばしばあるので、僕は意識的にチップを払ったことは記憶の中にはなかったです。アメリカにいったときはすでにサービスの中に含まれていて「チップを払った」という感覚はもちろんなかったです。その時はなんでチップ払わなきゃいけないんだよwって思ってました。すみません。

何ユーロ払わなきゃいけないとか、そういうんじゃない、粋だ!
とヘリー・ハンセンは続けます。僕はまだあんまりわかってません。

「例えば、会計が47€だったら、50€でいい。18€だったら、20ユーロでいい。35€でも、この店いいなって思ったら50€払えば良い。サービスがいい、店内のインテリアが良い、ご飯が美味しい、店の雰囲気がいい、飲み物のセレクトが良い、お店はお前に粋をくれてる。それに気づいたら、お前の粋で返せ!それがいくらであろうが問題ない。粋で返せ!」

なるほど、僕はチップの払い方を知りました。我々日本人、ひいてはアジアンはチップを払わないことが多いそうです。これは単に我々がケチだという話ではなくて、そういうカルチャーがないだけです。我々の目線でいうとこの言い分はわかります。でもこっちの人にとっては「アジア人はチップを払ってくれないケチな人種だ」と思われてしまうのもわかります。郷にいれば郷に従え。僕は僕にできる粋を表現したいなと思います。


これはヘリー・ハンセンが僕のために作ってくれたパスタ、すごい適当に作ったらしいけど、バカ美味かった。めちゃめちゃ美味かった。粋!

もっというと、この「粋」っていうのは何も飲食店だけではなく、人々の性格・パーソナリティにも、もちろん拡張できる考え方だと思います。

飲食店の例と同じ様に、人におもてなしをするのが得意な人、それが好きな人、粋です。
飲み会で場を回してくれる人、空気が読めて粋です。
運動神経が抜群な人、競技で人を魅了できて粋です。
演技力で人を物語の世界に引き込める俳優、粋です。監督も粋です。
楽器の演奏が上手い人も粋です。
歌が上手い人も粋です。
おもしろい音楽を知ってる人も粋です。
ワードセンスが絶妙な人も粋です。
人の優しさにすぐ気付ける人も粋です。
素敵なレストランをたくさん知っていて教えてくれる人も粋です。
物静かで全然喋らないけど、やけにファイナンスリテラシーが高くて詳しい人も粋です。
MBAとってる人も粋です。
小説をたくさん知ってる人も粋です。
漫画やアニメや映画をたくさん知ってる人も粋です。
字が綺麗な人も粋です。

重要なことは、表面に出やすい粋と、表面からは見えにくい粋があるということです。自分が得意な「粋」はなんだろう。相手が自分にくれている粋に、自分の粋を返す。重要なのは、相手の粋に気づこうとすることです。これはほとんど人類愛だと思いました。

今日はどんな粋に出会ったかな、明日はどんな粋に出会うかな、そのとき俺はどんな粋で返せるかな。こっちでの生活は、粋探しです。※これは日本ではちょっと違うかなと思います。どちらかというと日本ではとにかくわかりやすい粋が評価されやすい気がします。でも、隠れた粋もたくさんある…!粋は日本でも、もっともっと循環できそう!粋を回そう

そんなことを考えると、少しこっちの文化がわかってきた気がします。
なんでこんなにフットボールのカルチャーが根付いてるのか(もちろんみんなが好きなわけではないけど)、なんでアートとの距離がこんなにも近いのか。なんで飲食店の人たちがこんなにリスペクトされるのか。などなど。人生は粋探し。Is this Japanese IKIGAI?



次回、HADA #02 便利の先に幸せはないかもしれない を書こうと思います。気が変わったら違うことを書こうと思います!リアクションくれたらストーリーズで取り上げさせていただくかもしれないです。

これが僕の粋です!(しらんけどw)あなたの粋は?

PS
粋って漢字が多すぎて枠なのか粋なのかわからなくなりました。精進します。

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