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蔵訪問記 note 002 【櫻井酒造】

【 蔵元さんの基礎情報 】

蔵元名:櫻井酒造 有限会社(さくらい しゅぞう)
代表者:櫻井 弘之(さくらい ひろゆき)
杜 氏:櫻井弘之
住 所:〒899-3405 鹿児島県南さつま市金峰町池辺295 [地図]
TEL:0993-77-1332
代表銘柄:『金峰櫻井』『松の露』
創 業:明治38年(1905年)。2024年現在119年目


【立地環境】

日本三大砂丘のひとつ吹上砂丘にほど近く、ココも砂丘の一部では?と思うほど土質が海砂に近い場所も多く、海から蔵のすぐ近くにまで防風林の松林が広がっている地区にあります。


【訪問日】

 一回目:2024/06/10
     芋焼酎造りのオフシーズン期に伺ったため、ワクワクするような躍動的な写真がありません。


【 櫻井 弘之(杜氏)さんについて 】

麹造りを説明する櫻井弘之氏

弘之氏は櫻井酒造の3代目で蔵元兼杜氏。オーナー杜氏です。

蔵に戻って48年目(2024年現在)

お姉様がいらっしゃいますが、男が自分だけなので自分が蔵を継がなければならないと子供の頃から教育され、高校生のときにはトラックの助手席に乗りバイトとして配達も行い、それ以外の選択肢が無かったとのこと。

会社経営には必須だと、経理の専門学校を出てから蔵に入りました。

年齢は60代後半ですが、スリムで筋肉質でスリムなデニムを履きこなし、若い!

焼酎の飲み方は水割りが好き。味のある焼酎が好き。


【 製造について 】

◎ 製造全般
2024年の製造は、9月末に始める予定。

原料の米と芋の値上がりが激しく価格転嫁が追いつかず困惑しているとのこと。

近年の製造量は 300石程度。(3万本)

※3万本と聞くと多く感じますが、家族経営だと1,000石未満。中堅で5,000石、20,000石を超えると大手なイメージ。
大手は、例えば霧島酒造では一日に2,000石造れます。

◎ 芋
櫻井酒造さんといえば芋処理にこだわることで有名かと思います。

芋の両端や傷んだ箇所、虫食い箇所のカットはもちろんのこと、芋の表面がデコボコしてるが故に詰まっている土を取るために芋ごと削って土をほじくり出す。一個一個手に取り、削り、そのまま料理に使えそうな良いものだけを集め、最終的な目視検査に合格した芋だけがコンベアに乗り芋蒸し機へ投入される完璧な芋処理が行われます。そのため2割弱も破棄されます。

近年は基腐病(もとぐされびょう)の影響で、病気に弱い黄金千貫に変わる新品種の芋が登場していますが、飲み比べるとやはり黄金千貫でできた焼酎がいいそうです。

幸いにも地元では基腐病の影響は限定的で、地元の芋を使う櫻井酒造にはあまり影響はないとのこと。


◎ 設備
麹つくりは、河内式の米蒸しドラムと三角棚

麹が2日目を過ごす三角棚


一次醪はステンレスタンクで5日間醗酵6日目に二次仕込み

一次仕込みタンク。冷却時はタンクの外壁にシャワーを掛ける方式。


二次醪はホーロータンクで8日間醗酵させ、蒸留へ。


蒸留器は常圧蒸留器1台

逆光で見えにくいですが蒸留器です。首長めの常圧蒸留器。
冷却は蛇管ではなくシェル・チューブ式


【その他写真】

芋蒸し器
二次仕込みタンク
奥に見える芋蒸し器からこのタンクへ芋が投入される
裏から見てもかっこいい!
奥の製造場から続く貯蔵庫や瓶詰め場
長期貯蔵専用貯蔵場
レアかもしれない松の露マッチ


【主な銘柄紹介】

【さつま松の露】

諸般の事情により、鹿児島県内でのみ発売されている地元向けのレギュラー酒。

キレイに削った黄金千貫を使用した白麹製原酒をメインに黒麹製原酒を隠し味程度にブレンド。

白麹の柔らかさに黒麹のスパイシーさを加えコクを出しています(わからない程度に)

私ヒガシのイチオシ銘柄です。
お湯割り好きな方にはぜひともためしていただきたい銘柄です。
大手さんのように年間を通して同じ味では無いかもしれません。
タイミングが合えば、甘く蜂蜜のような味わいがものすごく旨く感動するレベル。

(残念ながら当店での取り扱いはございません)


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