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私の推し活 EP6:総括と展望

9月末の活動休止に伴い、10月からTPDはそれぞれ個人で活動することになった。

いずれ彼女たちにも決断すべき時は来たのだろうが、それにしてもこんな世の中じゃなかったらと思うと、至極残念である。

さはあれ、今になって悔やむ必要はない。どんな形であっても、そこに推しがいる限り応援はすることに変わりはないのだから。

周りからいくら揶揄されようが、推しのためなら例え火の中水の中。それがヲタクの本懐と言うべきか。いや、推しのためだなんておこがましい。むしろ己の意地のためと言っても過言ではない。

9月26日には休止前最後のライブが開催されることになったが、その約1か月前の8月29日、TPDは横浜アリーナで行われるアイドルフェス、@JAM EXPOの出演が決まっていた。

感染対策のルール上、残念ながらTPDは出演辞退となってしまったが、本来であればこのフェスでももクロと共演するはずであった。奇しくも、ももクロは@JAMの10周年記念として初の出演を果たすことになる。

アリーナ席に赴いた私は、久しぶりにももクロのステージを見た。かつての推しだった有安杏果の姿はもうそこにはなかったが、見違えるほど成長した4人のパフォーマンスを目の前にして、束の間の感慨に浸った。

遡ること約9年前、同じ会場のスタンド席でももクロのライブを楽しむ自分がいた。あの頃は彼女たちと同じ空間にいるだけで幸せに包まれていた。

TPDと出会い、アイドルとの距離感を意識するようになってからは、ライブを見る以外の楽しみや推し方も覚え、嗜好やマインドも変質していった。

承認欲求と虚無感の狭間を往き来する中で、独り善がりになり、目的を見失うこともあったが、酸いも甘いも引っくるめ、これまでの経験は何物にも変え難い。

アイドルという存在は、変わり映えのしなかった人生にたくさんの彩りを与えてくれた。そして、天邪鬼だった自分に夢を追うことの純粋さを教えてくれた。

コロナがいつ収束するのかは不透明であり、孤独に終止符が打たれるのもまだまだ先のようだ。全盛期の精彩はすっかり欠いてしまったが、彼女たちと同じ時代を生きたことに喜びを噛み締め、穏やかに推し活を続けていきたい。

最後に、長らく活動し続けてくれたTPDに対して、心からの賛辞と感謝を述べるとともに、新たなる道を目指してゆく彼女たちに最大限のエールを送りたい。

無事にラストライブが開催され、彼女たちが有終の美を飾れることを祈るばかりである。

(終わり)