どうしてイーグルスはホームで弱かったのか?~戦績から浮上する仮説②

前回記事ではチーム全体の戦績をホームとビジター、デーゲームとナイトゲームで集計してみました。

結果、ホームのナイトゲームが突出して弱かったという結論を得て、今年からリニューアルしたLED照明について挙げましたが、今回は打線を選手別に見てみたいと思います。
対象として90打席以上立った主力選手をピックアップしました。
まずは出塁率から。

全体的にホームのナイトゲームだけ低下が見受けられます。
とりわけ阿部、浅村、大地といった安定したベテランまで極端に落ちています。太田、石原などの捕手も同様で、最多安打を達成した辰己までが出塁率を下げています。
対して小郷、村林、佳明は頑張っていますが、不思議とレフトへ入ったときの佳明は落ちています。大地はサードに入った試合で極端に落ちていました。
次に打率です。

やはり打率も同様です。本来ならば最も条件の整ったホームゲームこそ選手の稼ぎ時であり、チームにとっては勝ち星を積み重ねる場であるべきはずが、そうはなっていません。むしろホームのナイトゲームが何かハンデを背負っているような状態となっています。
次は本塁打数です。

同じくらい試合数のあったビジターのナイトゲームと比べると、まことに残念な数字です。
次は打点と打席あたりの打点数です。

出塁率が低いので、やはりどの選手もホームのナイトゲームでは、他条件ほど打点を挙げられませんでした。
最終的にチーム得点圏打率が、ビジターでは.314(得点圏打数592)、ホームでは.216(同547)という結果になっています。

温暖化により猛暑日が増えていることもあいまって、年間試合143のうち三割以上を占めるのがホームのナイトゲームです。前述のとおり、ホームが勝ち星源とならなければAクラスも優勝もありえません。
今江監督が退団となり、三木二軍監督が次の監督になるというニュースも流れましたが、今年の首脳陣はホームで勝てなかったから起用と采配に苦悩したのではないでしょうか。
こうした明らかに偏った傾向が見受けられる以上、首脳陣を変えたから改善される課題なのか首を傾げざるをえません。原因分析、責任所在の検討、実行した対応策が拙速であべこべになってはいないでしょうか。

三木谷オーナーは昔から「スピード!!スピード!!スピード!! 」をキャッチフレーズに、他社が1年かかることを1ヶ月でやり遂げるスピードを社員に求めてきました。
しかしながら、どうでしょう。
イーグルスに限っていえば、すでに振り落とされてしまったファンもいます。
急いではいけないことを急ぎ、ソフトとハードのあらゆる面において拙速なタッチを繰り返し、堂々巡りになってはいないでしょうか。
人をコアコンテンツとするスポーツエンタメであるはずが、人をないがしろにしてはいないでしょうか。

東北楽天ゴールデンイーグルスという名を冠している以上は、東北のイメージが悪くなるようなことだけは控えて頂きたいところです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?