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心電図検定1級に向けて勉強をしての3つの学び

2024年12月21日(土)
5年ぶりに心電図検定に挑戦しました。

以前は、2級を受験してぎりぎりで合格。はっきりいえば、ほとんどカンで解いたようなものでした。

循環器病棟やICUを経験したのに、心電図に苦手意識を持っていました。日常業務では、SR(洞調律)、Af(心房細動)、PAC(心房性期外収縮)やPVC(心室性期外収縮)で事足りるので、あまり心電図の勉強もしてこなかったのです。

できれば、心電図を避けた病棟に異動をしたいと思うほどに、心電図は苦手でした。そんな中、今回なぜ心電図検定を5年ぶりに受けようと思ったのか。また、なぜ最難関と言われている1級なのか?

実は、できる後輩の存在でした。5つほど下の後輩が一緒に受験をしようと誘ってきたのです。今まで周りに心電図を勉強しようと思うほど、モチベーションの高い人があまりいなかったので驚きました。

そして、なんだか嬉しく思って「やろうか!」と一つ返事。

はじめたのは10月と遅かったのですが、なんとか試験を受けられるまでに。受験結果は、2月の中旬にでるとのことですが、自身は全くありません。自信をもって答えられたのが、5割ほど。

以前は嫌々やった心電図検定でしたが、今回はなぜだかとても楽しいものでした。今回心電図検定を0から毎日ではないけど、3か月勉強した中での気づきを紹介します。

①心電図の勉強環境が以前よりもかなり整っている

5年前に心電図検定を受けたときは、公式問題集しか頼りになるものがなかったような気がします。

(アフィリエイトリンクは貼っていませんので、ご安心ください)


私の情報収集能力が不足していたのかもしれませんが、5年前に受けたときは公式問題集しか勉強するものがありませんでした。

心電図の名著といわれるパーフェクトマニュアルはありましたが、読んでもさっぱり分からなかったので、公式問題集だけで勉強したのを覚えています。

公式問題集って問題の質は良いのですが、解説がかなり簡潔なんですよね。だから、気合で公式問題集の波形を頭に叩き込んでなんとなくで答えを出していました。

今回の心電図検定も同じようになるのか?と思っていたのですが、Xやインスタで情報収集をすると、YouTubeや分かりやすいテキストが販売されていることを知りました。

今回使用したYouTubeチャンネルやテキストはこちらです。

【YouTubeチャンネル】

心電図検定に出やすい波形を成り立ちから判読のためのコツを1つ1つ分かりやすく説明してくれます。

これまで、12誘導心電図を読んだりテキストの解説を見ても、狐につままれたような感じであまり理解できませんでした。

でも、このマイスターチャンネルを見て、12誘導心電図の波形が腑に落ちるようになったのです。

とても有り難いチャンネルで、見るたびに「ヤッバ!分かりやすすぎる!」と心の中で何度も叫んだほどです。心電図検定に出る波形の多くを網羅しているので、動画の数がかなり多いです。

時間のない方は、テキストを見て理解がいまいちだった波形の動画を見るという使い方も良いかもしれません。

私のおすすめは、1級レベルで出てくる心筋梗塞の責任病変の同定(LADの近位と遠位の判別やRCA・LCXの判別方法など)です!

【テキスト】

①読み方だけは確実に身につく心電図

心電図検定をやるぞ!と決めてからはじめに使った書籍です。
とにかくまずは読み方を身に着けることに特化した本で40題ほど問題があります。

「12誘導ってどこから何を読めば良いの?」という段階の人には、ぜひ参考にして欲しい書籍です。
この書籍を1~2周をすると、この後の書籍たちがかなり読みやすくなりますよ!

②試験対策模擬問題111問 心電図マイスターによる3→1級を目指す鑑別力grade up演習

Ⅱ誘導から少しずつ12誘導心電図に慣れていけるようになる名著。
次に紹介する書籍を理解するために読んでおくべき本です。

問題を解きながら基礎事項を学んでいける本なので、休憩時間や朝のちょっとした時間で少しずつすすめていけます。

③講義+試験対策模擬問題100問 心電図マイスターを目指す基礎力grade up講座

かなり名著です。この書籍のおかげで心電図検定1級の問題に立ち向かえるようになったと言っても過言ではありません。

実際に1級で出題される問題レベルのものを分解してくれている参考書です。ここで紹介されている問題を解けるようになると、1級レベルの問題の選択肢をかなり絞り込めるようになります。


5年前に比べると、書籍だけでなく映像で学べるので、すごい時代になりましたね!

②インプット3割、アウトプット7割で勉強した方が良い

「心電図の知識をノートにまとめる」
「知識を完璧にしてから問題をやる」

こういうスタンスで勉強する方がいると思います。
私は、否定しませんし、もし自分がノートをまとめたり、知識が完璧になるまで書籍を読めるという性格だったら、良いなぁと憧れたりもします。

でも、実際はノートにまとめることができませんし、億劫になってしまうのです。字を書くのが疲れてしまうんですね(笑)

もし私と同じような性格の方は、参考書はさらっと読んで、一通り出る分野をなんとなく把握したら、後は問題を解くのをおすすめします。

今回の心電図検定を受けるにあたって必要な知識は、ほとんど問題を解きながら覚えていきました。問題を解くことで、自分が理解できていない知識が分かります。

私の場合は、問題を解く→間違える→何を覚えていなかったのかを知る→必要な知識を頭の中で思い出す→紙に書きだす、の順で問題を1つ1つ解いていきました。

こうすることで、自分にとっての必要な知識だけを絞り込んで覚えていけます。

③本番の問題は結構意地悪だった

事前に知っていればよかったのですが、心電図検定1級の問題は結構意地悪です。

1つの知識だけで解けるものはなく、2~3個の知識を混ぜ合わせたような問題ばかりでした。

たとえば、右脚ブロック波形の患者さんの心電図に異常Q波を合わせて、冠動脈のどこの部位の疾患なのか?を問わせる問題です。

緊張している中で、右脚ブロック波形を見つけて安心しても、問題が解けないのです。なんか間違った答えに誘導されているような感覚になります。

本当に意地悪だなぁ~と思いながらも、完璧に解けるようになったら楽しんだろうなと思わせてくれました。


心電図検定の勉強は面白い!

心電図検定の勉強をしていると、「こんなの臨床で判断する暇ないよ!」とツッコミを入れたくなる知識にたくさん遭遇します。

確かに、かなりマニアックな知識ばかりですし、特に看護師だとほとんど使わない知識ばかりかもしれません。

でも、心電図検定とくに1級の勉強をすると、日常で撮影する12誘導心電図やモニター心電図を見るのが、楽しみになってきます。

「この波形、解いたことあるけどなんだったっけ?」
「なるほど!この疾患だからこの心電図変化するのか」

など毎日の臨床の中で少しだけ発見が増えるような気がします。ぜひ興味を持った方は心電図検定にトライしてみてはいかがでしょうか。

1年に1回しか受けられないけどね。

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