ひっそりと咲く早咲きの桜とわたしの写真
この前、早咲きの桜にであった。
まだまだ枯れ枝や茶色い芝生が目立つ大きな公園の隅っこで、
4本の小ぶりな河津桜が、目立たずひっそりと咲いていた。
どうやら満開のもよう。
枝にはうぐいすがとまっていて、
景色がそこだけ春めいていた。
わざわざ見に来るひとはいないみたい。
たまたま通りがかった人だけが、
そのピンク色に魅せられて立ち止まる。
スマートフォンをかざして写真を撮る。
「今日ね、桜を見たんだよ!」と人に話す。
これってすごいことだ。
「きれいな景色」を目的に見に行ったんじゃなく
日常生活で、景色に目を奪われて立ち止まることってある?
写真を撮りたくなる、人に話したくなる日常生活の景色ってなかなかないと思う。
早咲きの桜は、来年から「春をいちはやく届けてくれる桜」としてその人の心に残る。
たまたま通りがかった人たちを虜にしていく。
桜の名所として公には有名にならないけど、気づいてくれた人だけが
ファンになり、来年また咲くことをたのしみにしてくれる。
わたしの写真とよく似ている。
わたしの写真にたまたま出会ってすきになってくれた人がいる。
まだまだ有名ではないけれど、その人のなかでは「とっておきの写真」になってくれた。
気づいてくれた人だけがファンになって、私の次の作品を楽しみにしてくれている。
だからまた次もいいものをつくろうって、もっとファンを増やそうって思える。
もっとたくさんの人に気づいてもらえるように
わたしはひっそり咲くんじゃなくて、
いろんな場所で、自分の作品を見せていかなくちゃ。
…ポートレート撮影のノウハウをまとめているマガジンです。
…女の子の故郷で撮影した写真です。
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