9月後半から、マレーシアに移住します
ちょうど一年前、こんな記事を書きました。
この9月から、この2つの記事の内容を統合するようなことを始めることになりましたので、ご報告させていただきます。
マレーシアに移住します
大学を現在の近畿大学からマレーシアのノッティンガム大学に移り、私自身もマレーシアに移住することにしました。家族との時間を増やしたいと思ったこと、そして近畿大学で研究を進めるうちに、ファミリービジネスに関する海外の文献が豊富である一方で、日本人による英語の論文がまだまだ少ないことを知り、その一端を担いたいと考えたからです。
この決断が実現できたのも、私の働き方を許容してくれたベンチャー型事業承継のおかげです。本当に感謝しています。マレーシアに移っても、社団での仕事をリモートで継続しながら、博士論文を書いていく予定です。
マレーシアで何を研究するのか
ノッティンガム大学は、イギリスの大学のマレーシア分校です。学費と生活費はマレーシア水準でありながら、最終的に取得できる学位はイギリスと同等というコストパフォーマンスの良さが魅力です。もし、お子さんの進路で予算的に欧米は難しいが、海外を希望する方には、非常におすすめの選択肢です。
ノッティンガム大学マレーシア校
博士課程なので、自分の研究したい分野と師事したい教授がいることが重要ですが、今回それがぴったりと一致しました。一部のアトツギに備わる「存続へのコミットメント」「危機感からくる事業開発」「長期的なチャレンジ」といった特性がどこから生まれるのかに興味がありました。失敗を重ねながらも成長していく姿に感銘を受ける一方で、こうしたチャレンジに関心が薄い後継者もいるのが現実です。では、それらを分ける要因は何なのか。それがわかれば、もっと挑戦するアトツギが増え、その集合知がさらなる壁を突破する際に役立つのではと考えました。
私は、ファミリービジネスやアントレプレナーシップを専門とするMustafa教授のゼミに入ります。
Michael Mustafa教授
Mustafa教授は、これら2つをつなぐ概念として「心理的所有(Psychological Ownership)」を重視しています。これは、株の持分(法的所有)に関わらず、「この会社は自分と一体である」と感じること(心理的所有)から、「この会社が存続しなければ、自分も存続できない」と思い、事業を起こす(アントレプレナーシップ)という順序のようです。どうすれば心理的所有感が高まるのか、また、現在のアトツギベンチャーがどのようにしてこのマインドを持つようになったのかを研究したいと思っています。アトツギの皆様、調査やインタビューにご協力いただけると幸いです!
正直、英語で3年間も博士論文を書ききれるかどうか不安ですが、「やってみたい」という気持ちが勝りました。全力で取り組んでいきます。
マレーシアでの母子留学
昨年から子供2人がマレーシアの学校に通っています。息子の最初の学校は大問題があり、国の認可が下りておらず、学生ビザも発行されないというトラブルに見舞われました。リサーチ不足を悔やみましたが、その後、実地で学校を調査し、現在はEaton International Schoolに通っています。
Eaton International School
都心から離れていますが、イギリス人の先生もおり、雰囲気も良く、とても満足しています。住んでいる町も便利で、徒歩で何でも揃います。息子は少しずつ友達もでき、英語力も移住後半年では7歳半レベル(実年齢は8歳半)と少し遅れていましたが、最新の成績表では年齢相当になっており、進歩が見られました。校風はおおらかで、宿題もほとんどなく、のんびり過ごしています。
娘は3歳で、現地の英語の保育園に通っています。彼女はとても天真爛漫で、毎日パワフルに過ごしています。
学校生活は順調ですが、母子留学は本当に大変でした。娘が骨折し手術を受けることになったり、野犬に追いかけられて狂犬病のワクチンを打つ羽目になったり、妻が高熱を出して全てが回らなくなったりと、不安が連鎖する状況が続きました。そんなとき、私は遠い日本で何もできず、家族は辛い状況にありました。日本ですら2人の子供を1人で育てるのは大変ですが、異国の地ではさらに困難です。良い時は問題ありませんが、悪い時が本当に大変です。こうした事情もあり、私も一緒にマレーシアに行き、家族との時間を大切にし、安心できる環境を作りたいと思いました。
ベンチャー型事業承継での取り組み
大学院の博士課程は、授業数が多いMBAなどとは異なり、自分で研究を進め、論文を書いていくことが求められます。しっかりとやるべきことをやれば、仕事を持ちながらでも可能です。「アトツギベンチャーをカルチャーにする」は組織のミッションですが、私にとっても変わらない目標です。マレーシアからリモートワークで働きます。このようなわがままを許容してくれる仲間たちには本当に感謝しています。必ず成長して、ここで得たものを組織やアトツギに還元したいと思います。
今回の移動に伴い、事務局長のポジションを福岡にいるマーティに担っていただくことになりました。アトツギ甲子園など大きな仕事を着実にこなしながら、チームメンバーを明るくできるマーティと、ビジョナリーな代表のジルを中心としたワクワクするメンバーたちと共に、社団の活動を進めてまいります!アトツギという言葉やベンチャー型事業承継という概念はじわじわと広がってきました。しかし、我々はアトツギの本質的な課題に取り組めているのか、そのためには何をする必要があるのか。ここ最近はそんなことをずっとメンバーで議論しています。11月のAVSでは、そこから出た新展開も含めて発表できると思います。その時期に帰国し、一緒に盛り上げたいと思いますので、ぜひご参加ください!
AVS
長々となりましたが、とにかくマレーシアでチャレンジしてきます!この旅がどんな結末を迎えるのかは全く見えていませんが、毎日を全力で楽しんでいきます!マレーシアにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください!教育移住のことなど、何かお役に立てることがあれば、ぜひお聞きください!