メンヘラホイホイ(二〇一七年二月)
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1,554字
近況報告をしながら一杯めのビールを空ける頃、夫はおもむろに「僕たちは離婚した方がいいのではないか」と言った。その言葉を口にするのはきっと私だろうと思っていた。「住む場所を探しているならうちに来れば」と言ったのも「うちに住むなら付き合おう」と言ったのも「このまま住み続けるなら結婚しよう」と言ったのも「この生活を続けるのは難しいから出て行く」と言ったのもすべて私だった。環境の変化を嫌い、居心地のいい場所を手放したくなかった彼はその都度、私の申し出を承諾しただけだ。それなのに……(本文より抜粋)
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