Wasei Salon透明化プロジェクト No.3 竹田匡宏
こんにちは、Wasei Salonメンバーの早川大輝(@dai_nuko)です。
Wasei Salonメンバーの「好きなもの」や「大切にしていること」を紹介する "透明化プロジェクト" の第三弾として、今回はブログ『たっけのメモ』を毎日更新するブロガーでありながら、幻冬舎『あたらしい経済』で編集者として働く”たっけ”こと竹田匡宏くんに取材しました。
プロジェクトの概要や立ち上がりの経緯については、「透明化プロジェクト」発起人である小林やばこさんの書いたnoteをご覧ください。
「透明化プロジェクトを始めます。」
また、これまでの記事はこちらを。
「Wasei Salon透明化プロジェクト No.1 長田涼」
「Wasei Salon透明化プロジェクト No.2 金井塚悠生」
「続けることくらいしか、自分にはできないと思ってる」
やばこ
そのMacbookはどれくらい使ってる?
たっけ
これたぶん6年前くらいから、使ってる
やばこ
おお、だいぶ長い
たっけ
だいぶ長いですね。これ使い始めたのが中学1年生で、ずっと一緒に過ごしてきたので
やばこ
やっぱたっけくんといえば、ブログっていう印象があるんだけど、ブログはいつからやってるんだっけ?
たっけ
中学二年生です。そのときはまだデコログって形で
やばこ
そのころから、やっぱり毎日継続して
たっけ
そう! 毎日、彼女とのプリクラをあげたりとか
やばこ
かわいい
たっけ
いやほんとにそんな感じで使ってた
やばこ
始めるきっかけはあったの?
たっけ
僕らの中高がパソコンとかテクノロジーをどんどん使う学校で。なんか学園長がもともと起業家で
やばこ
はい
たっけ
中学一年生くらいから、自分たちのウェブサイトがあるんですよ中高の。
そのなかで、同じ学校の148人くらいがFacebookみたいな形じゃないですけど、ログインしたら誰がログインしてるかわかるから、そこでチャットするみたいなのしてて
やばこ
えー!? 中学のときから?
たっけ
学校終わったら夜、「今日これでチャットしようや」みたいな感じでみんなでしゃべる。いまのメッセンジャーみたいなのが、その当時からあった。
そういうとこから、インターネットで会話するのに慣れてたから、自分のブログを持つのに自然と抵抗なかったと思いますね
やばこ
毎日更新しようってのは決めてやっていたの?
たっけ
別に決めてはないかな、毎日あげようってことは。今日こんなことあったから報告しよう、そんな感じで
やばこ
うんうんうん。
なんか最初にアンケートとったときに、大切にしてるものが継続することって…
たっけ
そう! 俺モノとかじゃないんですよね(笑)
やばこ
そう、だから継続ってことを大切にしているのは、いまでいうとブログにはもちろん表れてるし、Voicyもそうだけど、なんで継続を大切にしてるのかなって
たっけ
継続を大切にするのは、正直、それ以外の部分で自分が何ができるかってなったときに、秀でるものが昔から別にないので。
だからこそ、ちゃんと続けることくらいしか自分にはできないみたいなところがあって。「続ける」「継続する」っていうのをすごく意識してるところがありますね
やばこ
そんな感じもしないけどね。続けないとって、なんかそういう恐怖心があるの?
たっけ
ありますよ、まじで
やばこ
それはずっとちっちゃいころというか、中学から?
たっけ
そうすね、中学、小学校くらいから。やっぱり勉強の成功体験が多いからじゃないですかね。勉強をずっと続けてたから。ずっとこつこつやってたら、簡単に成績上がっていくし、毎日ずっとやってたら、元から勉強めっちゃできたやつもいつの間にか抜かしてるみたいなこと多かったんで
やばこ
なるほど
たっけ
ていうところで継続するみたいなことをずっと考えてる
やばこ
それをずっとやれるっていうのもすごい才能だなと思って。やっぱ三日坊主になる人多いじゃないですか。継続する上で気を付けてることってほんとにもう、「やる」っていうそれだけ?
たっけ
それだけ(笑)
やばこ
すごい(笑)
たっけ
「やる」、それだけですね。たとえばほんとにベロベロになって、「あ、今日ブログ書いてない」とかでも「酔っぱらった」だけでブログ更新するし。
そういうのは、どう見せるかとかより自分との約束をやるってだけで、形とかにはこだわってないですね
やばこ
自分との約束っていいね。やっぱりこう、続けていくうえで、そのアウトプットの質とかそういうのよりも、自分との約束でちゃんと毎日上げるってのが
たっけ
でも課題感として、質の高さは最近こだわるようにしてる部分があって。それで会社に入るって選択肢を選んだところがある
やばこ
あーなるほど。ブロガーとして生きていくみたいな選択肢はあったの?
たっけ
いやーそれはないかな。
周りの人見ててもブロガーとして生きてる人かっこいいと思ったことないんで
やばこ
ハハハハ。やべえ(笑)
たっけ
なんか、あんまり自分の世界観に引きこもるのが好きじゃないんですよね。
だから、ほんとに昨日も誰かと話してたんですけど、コンテンツで評価されたいんで
やばこ
うんうんうん
たっけ
あれは「竹田がつくった」とか、すごい嫌で。なんかあいつだから、とか個が出すぎちゃうと作品の良さと個の良さがすごい曖昧になっちゃうから、そこの部分はコンテンツの良さとか作ったものの良さで評価されたいという気持ちが強い。
ブロガーだとどうしてもその人の生き方や考え方とか、自分の世界に引き込むのがファーストステップみたいなところがある
やばこ
じゃあブログはその、なんて言うんだろうね。ほかの人とブログの捉え方がちがう
たっけ
たぶんちがうかもしれないです。金稼ぎの手段では別にないし、
それこそなんだろうな。毎日向き合う恋人以上のパートナーではあるとは思ってるけど。
なんか自分の姿勢とかを表現するものかな。現状こいつはこういう風なモノの見方をしてるんやとかを見てもらったりとか。あいついまこんなこと考えてるんやとかを知ってもらうツールなのかな
一つの職種にとらわれない働きかた
やばこ
いま社会人になったけど、今日持ってきた本が「仕事」
たっけ
仕事の部分は考えることがすごく多い。僕自身、やっぱり大きな変化が就活の時かなって思ってて、それまでは仕事っていうのが全然わからなかった。
就活してみて「あっこういう考え方で働く人が多いんだ」ってのが見えたのが3年前くらいに西村創一朗さんに出会ってから。それからいろんな人をつなげてもらったりとか、自分自身でもいろんな社会人と会ったり、議論したり。
それまでは学生と社会人ってめちゃくちゃ離れてると思ってたけど、いい意味で別にあんまり能力がちがうわけじゃないし、対等やって思いだして
やばこ
この本を持ってきたのは…
たっけ
結構、川村元気さんを意識しちゃうところがあって。僕が好きになる人は、一つの職種だけにとらわれる人じゃないんですよね。なんだろな、星野源とかもすごい好きだし、本田圭佑も好きだし、それこそ又吉さんとかも好きだし。いろんなことを全部仕事っていうものに落とし込んでる人たちがすごい好きで。いい意味でワーカホリックな人たちがすごい好き。
川村元気さんは、山田洋二監督とか沢木幸太郎さんとか秋元康さんとか宮崎駿さんとか糸井重里さんとか、こういうすごい人たちに、本をつくるっていう体で接点を持ったんだろうなみたいなところが、すごいうまいなって思って。
なにかを言い訳にして偉い人に会おう、取材で会ったりっていうスタンス。そこは自分とやり口似てるなってすごい感じる。現状この人たちと同じ能力値の人は絶対にいないから、だから取材って部分で入口見つけてそこから関係性を築くみたいな
やばこ
なるほど。
なんか単純なパラレルワークとかじゃなくて、自分の芯があって、いろいろやってたら、結果いろんなことをやってたっていう
たっけ
そうですね。それこそ今日の朝のやばこさんの考え方(※)の話とかもすごい似てるし
※『複業ではない、会社員とフリーランスの間の在り方はないのか』
あー…もしかしたら、なんだろうな難しい。なんか、そのうち仕事になっちゃってるみたいな。副業でちょっとお金稼ぐからとか、金がインセンティブになると続かないと思うから
やばこ
結果として副業になってるならいいけど、なんかお金のために副業をやるって、結局働きまくってるから、それって幸せになるのかなって。なんかちゃんと意味がないと、副業も別に幸せなことじゃないと思う。
だから、いまたっけくんが言ってる「インタビューして関係性をつくって、結局それも仕事にしちゃう」みたいな、自分のやりたいことが先にあった上でいろいろ取り組んでいくみたいことはすごくおもしろい
たっけ
そういう意味では、ブログがいろんな出会いを作ってくれてるってのは、すごいあって。いまのWasei Salonも僕がブログとかやってなくて、鳥井さんと知り合えてなかったら、なれてないだろうし
やばこ
voicyとかも結構いろんな人と一緒に喋ってるよね
たっけ
そうっすね。そういうところもあるし、やっぱりブログがなかったらいまの会社も入ってない。
いま出会った人たちは、ブログを見て僕の人間性を知ってくれているところがたぶんあると思うので、いい関係性の入り口みたいなところでブログが名刺代わりになってる
やばこ
たっけくんはいい意味で生々しいというか、自分の気持ちをストレートに出してる感じが、人となりがすごくよくわかる気がする
コミュニティの本質的なことを知った「ワインバー」
たっけ
いまも思うんですけど、人にあんまり求められないんですよね。自分がどんどん動いて作っちゃう人間なので、(人から)こういうのしてっていうのがあんまなくて。
ワインバーで3年くらい働いてたんですけど、オーナーがすごい自分のことを認めてくれる人だった。この場所でちゃんと働きたい、やりたいな、みたいなことを真剣に思ったのがバーっていう空間で
たっけ
それまではすごい頭でっかちでブログを書いてた部分があったけど、地に足がついたのがそこかなあ。
いまで言うコミュニティっていうところでも、自分の中ではバーに本質的な部分があるなってすごい感じてて。
来て楽しんでもらって、でも楽しんでもらうだけじゃなくて、そこに対するサービス、そこまでサービスするかみたいな、ワイングラスのキレイさとか。ワインバーではそこを結構徹底的に叩き込まれた。
すごく居心地がよかったっていうか、学びがすごくあって。ワインバーで働けてなかったら、人とはうまく関係性を作れずにネットだけでうっさいやつになってた気がすごいする(笑)
やばこ
それまでは特にバイトとかしてなかったの?
たっけ
いや、(ワインバー以外の)飲食でもしてたし、家庭教師とかいろいろ。当時は企業でインターンで働いて、そのあとバーに行って、寝て、インターン行って、バー行って、みたいな。
あんまりバイト続かなくて、半年くらいで辞めたりするの多かったんで、家庭教師とかもなんかめんどくせーって。全然ちゃんとしてなかったですね
やばこ
へー、じゃあ3年くらい続いたのはかなり
たっけ
そう、全然続かない
やばこ
別にそこに継続性は求めてない?
たっけ
バーにですか?
やばこ
いやバーというよりはほかの
たっけ
ほかのものに関しては継続性は求めてなかったかな。やっぱり「やる」って決めた理由が少なかった。なんとなくこれでいっかみたいな感じでやっちゃったから継続しなかったのかな
やばこ
いま継続的にやってることって、ブログとvoicy以外にあったりする?
たっけ
ブログとvoicyかな。あ、英語の記事はずっと毎日読んでるのと、DMM英会話を週2でやってるから、英語かな
留学してるとき、全然喋れないのに「とりあえずやろう」みたいな感じでスピーチコンテストみたいなディベートに出たことがあって
やばこ
えー?
たっけ
真っ白になって何も喋れなくなった(笑)
それがだっさいなあって思って、もうあんな姿は嫌やなって、英語を勉強しようってなった
やばこ
よくそれトラウマにならずに、克服しようって思えたね
たっけ
いやー、まあ……。でもトラウマはできないかな。
なんでなんやろ
やばこ
あんま引きずらないの?
たっけ
全然引きずれない
やばこ
そんなことあったら、閉じちゃう人多いよね
たっけ
自分なんかそういうもんだって、いま神様が教えてくれたんやってそういうちょっとスピリチュアルな方に行っちゃう(笑)
この失敗も何かしらの意味があるやろとか、そういう風に考える人間なんで
やばこ
すごい(笑)
たっけ
自分のなかにおいて誰かに迷惑さえかけなければ、失敗はないかなって。どんどん突き進んでいこうって
やばこ
昔からずーっとそういう性格なんですか
たっけ
そうっすねー
やばこ
休みの日とか、家にいれないタイプ?
たっけ
家には絶対いれない
やばこ
ハハハハハ(笑)
でも逆に、一人の時間みたいのを大切にはしてる?
たっけ
してますね。一人の時間がないと、難しいかなあ。一人の時間、一日一時間とかは…まあブログ書いてる時間は絶対一人の時間だし。一時間は絶対ある
好きなもの・大切にしていることをふりかえってみて
やばこ
最初会ったときに『僕飲むのあんま好きじゃないんですよ』って言ってたよね
たっけ
言ってた?(笑)
やばこ
言ってた(笑)
まじ? って思ったけど
たっけ
でもそのときほんとにそんなにね、飲んでなかったんですよ、お酒
やばこ
あ、そうなんだ。僕がたぶんたっけくんと会ったのはWasei Salonがきっかけだから。3、4月くらい、その辺で一回会ったかな
たっけ
そうそうそうそう。でもなんかそこもどんどん変わってきたかもしれないですね。意見が
やばこ
あ、そうなんだ
たっけ
結構交流の場にお酒を使うことは多くて、バーとかやと飲む。
最近、なんだろうなあ、お酒飲む方が人と仲良くなりやすいっていうかお互いのこと知れるっていうのはすごい感じてて
やばこ
うんうん
たっけ
ブログもむちゃくちゃ大事やし、だけどそんなブログ見ただけで俺のこと知れるわけでもないし。それだったらもう飲みの場があれば、そこに行って話した方が嫌われても好かれてもどっちにしろなんか判断基準を与えられるのかなみたいなところを最近感じてて。
まあ、そうですね。飲むようにはなりましたね
やばこ
うん。でもなんか、そのTwitterとか毎度見てて楽しそうだなって
たっけ
楽しいっすね
やばこ
それもしかしたら、ブログとかである程度入り口を分かってもらえてるから、会ったとき違和感もなく楽しめるのかもね
たっけ
うん、そうかなあ。そうすね
やばこ
今日のその、Macbookにしろ川村元気さんの『仕事』っていう本とか、あとワインバーか。
その、人と繋がるとか、ブログが入り口だったりとか、仕事だったらそれを糧にいろんな人と会って関係性また作ってとか、ワインバーも頭でっかちにならずに済んだみたいな。
やっぱ、人は好きなんだね
たっけ
たぶん、好きだとは思…いますね。好きっすね人は絶対に
やばこ
振り返って、改めて、どうだった?
たっけ
なんだろうな、なんか自分ってモノとかにはそこまで執着心ないのかなってのはあって。たぶんモノよりも記憶とか、体験してきたことが自分の中では重要性が高いのかなって思ってた。
”あの本”とか”あの映画”みたいなのは、あまり自分にはなくって。だからこそ、そこを生み出してきたこのMacbookであったりとか、自分の体験のきっかけになったワインバーとか、もちろんこの本もそうですけど、やっぱり自分の体験した記憶とかの方にベクトルが向かってるんだろうなって改めて気づいた
やばこ
うんうんうん。
ブログとかもまさにたっけくんの体験が、ある意味表現者的に残ってると思うんだよね。面白かったっす。
ありがとうございます
たっけ
ありがとうございます
聞き手:小林やばこ(@yabaco_)文・構成:早川大輝(@dai_nuko)写真:土田凌(@Ryotsuchida)
インタビュー本編はこちらで終了しますが、この先の有料コンテンツでは、竹田くんが愛着ある、思い出の場所や人に教えたいおすすめスポットを紹介しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。いただいたサポートは、Wasei Salonの活動費に当てさせていただきます。Wasei Salonの世界観をお楽しみください。