【クレイジーJAPAN】風俗は潰すべき?夜の仕事は社会の害なのか
旅と文学と映画と美術について書くブロガー・ライターのチェコ好きさんの連載「クレイジーJAPAN」。クレイジーな日本の話をしています。
夜のお仕事をされているアキさんにお話を伺っています。
・前回までのお話はこちら:【クレイジーJAPAN】人と接することが怖かったけれど、受け入れられなくてもヘコんだりしなくなった
前回までは、人気キャバ嬢の特徴とアキさんがキャバ嬢、風俗嬢をやって変わった価値観についてお聞きしました。そして取材もいよいよ、終盤。「チェコ好きは人気キャバ嬢になれるのか?」についてアキさんにお聞きしていきたい思います。
聞き手/チェコ好き
構成/小山内彩希
チェコ好きがキャバ嬢スキルを体得したい理由
チェコ ここまでアキさんのお話を聞いて、私、だんだん自分もキャバをやってみるべきなんじゃないかと思ってきました。最後の質問はこの取材企画の大テーマなんですけど。アキさん、私はナンバーワンキャバ嬢になれますか?
アキ なれますか?じゃなく、なるんですよ(笑)。でもチェコさんはどうですかね、キャバ嬢よりもスナックの方が合っているのではないでしょうか。スナックはクレバーなチェコさんにお似合いな気がします。
チェコ でも私、お酒を飲むのも苦手なんですけど、人と話すことも苦手なんですよ。
アキ その、チェコさんがどうしてそもそも、そんなにコミュ障具合を気にするようになったのかが気になります。今は物書きをされているわけじゃないですか。話し上手や聞き上手になった先に、なにを期待しているんですか?
チェコ このクレイジーJAPANの企画で前回占い師さんに取材したのも今回も、「目の前のひとがどんな言葉を求めているのかわかる人間になりたい」というのが自分の中にあるからなんです。その能力がないとこの先、文章を書いてやっていくのは難しいんじゃないかと思って。
アキ なるほど。文章という、仕事のための危機感が出発点だったのですね。
チェコ はい、よりたくさんのひとに読んでもらうためには、共感性の高い文章をかけるようにならなければいけないんじゃないかと思っています。だけど、私はひとの気持ちとか考えるのが本当に苦手で、なにを話せばいいのかわからないんです。
アキ キャバに関しては、話さなくてもいいんですよ。相手に聞かれたことをおんなじように聞いてあげればいいんです。「休みの日はなにしてるの?」と聞かれたら、その質問にはひとことふたことで返しておんなじように質問する。それって本当は、そのひとが聞かれたいことというのが大半だから。
女性が夜のお仕事をやっても偏見のない世の中に
チェコ アキさんは、私のように「キャバをやってみたい」という女性がいたら薦めますか?
アキ 賛否両論あるかもしれないですけど、自分に自信のない女性は一度やってみるべきだと思います。
私は、夜のお仕事を始めてから生きることが楽しくなりました。世の中には本当にいろんなひとがいます。私は普通に仕事してたら、男性のことを知る機会なんてたかだか数十人。だけど、キャバなんて毎日10人、20人とお話しするので、それが365日だとすごい数になります。
チェコ そうですね、普段知り合えないような方と出会えたりもするでしょうし。
アキ そうすると「あっ、世の中にはこんな考え方のひともいるんだ」と知ることができます。それに、お客さんの関心ごとに関心を寄せてみた結果、意外と楽しいことが世の中には溢れていることにも気づけたりもします。私は、ゴルフスクールやダンスに通い始めたりとかもして、趣味の幅がぐんと広がりました。
チェコ 今ふと思ったのですけど、女性で社会的地位の高い方って、学生時代に夜のお仕事をされていた方が結構多いですよね。多様な価値観に触れたり、いろんなことに興味関心を持つ経験をしているから、あとあと社会的に成功しているのかなと思いました。
アキ それはこの仕事のいい面としてあるかもしれませんね。その反面、オリンピックを機に吉原が潰されるなんて話があったり、ネットでもこの仕事は社会の害みたいに言われている現状もあるのですけど。
チェコ アキさんは、そのネットや社会全体の意見についてはどう思われますか?
アキ 風俗なんて特にですけど、たしかに夜の仕事に病気や危ないひとと出会うリスクがないわけではありません。実際私も、働く前は風俗に関しては「女をモノのように扱う場所」だって思っていました。
だけど、働いている身からすれば、風俗も含めこの夜の仕事が社会の害だなんてとても思えないです。
チェコ なにか、アキさんにとって価値観が変わるエピソードがあったのでしょうか?
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