サッカー少年だった、夏。
※7月は編集部メンバーによる『夏の思い出』をテーマにしたリレーエッセイをお届けしています
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【今後の執筆予定】
伊佐
立花
おぎゆか
文:小松崎拓郎
くいしんさんにテーマ「夏の思い出」と言われてパッと思い浮かぶのは、やっぱり今年のワールドカップ。
ブラジル、アルゼンチン、ドイツといったサッカー大国の相次ぐ敗戦が示してくれる世界的なサッカーのレベルの均衡、そして日本の歴史史上、最高の試合を見せてくれたワールドカップだった。
はじめて会うひとにはスポーツをやっていたなんて言うと驚かれるが、観戦好きなぼくは10年前までサッカー漬けの日々だった。
思い出深いのはゴールネットをゆらした数少ない瞬間だ。
高校2年生の夏、先輩たちとの最後の公式戦を迎える前の強化試合。
敵陣のハーフラインを超えたところで味方がファールを受けた。スペースを大きく使える右サイドに開いたぼくは、センターバックのやしま先輩からロングパスを受けた。
すかさず相手が距離をつめてくる。普段ならすぐにサイドへパスを散らす僕だが、この日は違った。距離を詰めてきたDFをドリブルで抜きさろうとしたのだ。
「おいたくろう!!たくろう!」
顔をあげると背番号10番でエースのりゅう先輩が足元にボールを欲しがっている。
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