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【#Real Voice 2023】 「真実を語る出会い」 4年・中谷颯辰

この冒頭は後付けだ。

4年間の集大成としてのreal voiceで自分から出てきた言葉は相当少なかった。

でもこれでいい。

もし1週間後、1ヶ月後に書いたらまた違う内容だったかもしれない。

だからこれがいい。

これが今の等身大の自分であると強く感じる。










「早稲田っぽい選手になったね」

という言葉が、最近私の耳によく入るようになった。

“早稲田っぽい”からかけ離れていた存在の私がなぜ?

ただ単に4年生という立場になったからなのか、

入部した頃と比べてプレースタイルが変わったからなのか、

それとも社交辞令なのか。

この言葉が私に投影されるようになった背後に、私自身の変化や過去の願望、そして自己認識の葛藤が存在しているように感じる。










約3年半前、東伏見に初めて足を踏み入れた日から

この組織やそれを取り巻く環境との調和が難しいと感じた日が多くあった。

その日から今まで、私はどれだけ変化したのだろうか?

過去の私は、このような言葉を受け入れ、望んでいたのだろうか?

そして今、この言葉を誇りに思えるのだろうか?










確かなことは、どの瞬間も、偽りの自分は存在しないということぐらいだ。

それぞれの瞬間が、本当の自分の一部であり、自己認識の旅が続いていることを私自身に教えてくれている。

どんな言葉や評価も、私の内面を反映しているものであることを受け入れ、自分自身と向き合いながら進んできた。










憧れのあの人と15分だけ同じピッチに立てた時の高揚感も

関東リーグにデビューした日の自信と絶望も

出場していない試合で戦犯にされた苛立ちと未熟さも

言葉に出来ないような様々な感情があって

良いことも悪いことも全てが今の私を形成する。










誰かが何気なく放った言葉がなぜか刺さったり、

周りの人の優しさや気遣いに気づけたり、

いつもよりサッカーが上手くいったり、

こんな何気ない日常と取り巻く環境が今の私を教えてくれる。










だからこそかなり前に聞いた「人は自分を映し出す鏡」という言葉に食らい、それは今もこれからも変わらない。

サッカーでもそれ以外でもいつも私に気づきを与えてくれるのは他人で、彼らが私のイロハを知っている。










今私という鏡には多くの尊敬すべきものと感謝すべきもので溢れている。

ただ、これが急に見えなくなったり、

自ら見えないようにしたりする。

おそらくこれは一生続くはず。











同じ思いや言葉も巡り巡って私たちの人生に何度も現れ、過去とは違った新たな気づきをもたらす。

慧一(4年・佐藤慧一 / 早稲田実業学校高等部)のブログを読んだ後、誰かへの「ありがとう」に今まで以上に気持ちがこもるようになった気がするように。










少しでも素直に、ありのままに、自分が納得して生きていたいだけ。

目まぐるしく変化する環境にも動じず、自分の信じる価値観に固執し、それに身を委ねたいだけ。

決して理想論や綺麗事で終わらないように、溝を埋めるための努力を惜しんではいけない。

そして、思いやりをストックする。










難しいが実は簡単な話さ
「似ること似ないこと」という言葉も私は知っているから。


◇中谷颯辰(なかたにそうしん)◇
学年:4年
学部:基幹理工学部
前所属チーム:静岡学園高校

【過去の対談記事(早稲田スポーツ新聞会 企画・編集)はコチラ☟】


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