【#Real Voice 2024】 「夢を掴むために」 2年・高橋作和
「あーもーやっぱプロは無理だよなー」
今シーズン何度こう思ったことだろうか。
今までブレることがなかった夢が自分の中で少しずつ崩れていく感覚があった。
そんな今シーズンを振り返る。
オフ明けの走りで離脱をして、1番下のカテゴリーでのスタートとなった今シーズン。このままではやばいと思い復帰後立てた目標がこの3つ。
・夏までに関東リーグに出場する
・早慶戦に出場する
・10ゴール10アシスト
結果はどうだっただろうか。
目標を達成できたのは1つだけ。国立で行われた早慶戦には出場できなかったし、10ゴール10アシストなんて遠く及ばない数字だった。
シーズン開幕前にカテゴリーを1つ上げて社会人リーグでリーグ戦が開幕した。そこで6試合に出場して2ゴール3アシスト。順調な滑り出しだった。
そして関東リーグ第4節城西大学戦で関東リーグデビュー。
関東リーグデビューして、しばらくは途中出場で試合に出してもらった。そこから6月に行われたアミノバイタルカップ。
このあたりだろうか。
試合に出るのが怖くて楽しいと感じなくなったのは。
自信を持ってプレーすることができなくなったのは。
練習が、サッカーがしんどいと思うようになったのは。
試合に出てるのにしんどいってどんな状況だよって自分でも初めての感情でよくわからなくなった。
さらにここからがもっときつかった。
そんな状態でよいプレーができるはずもなく、当然試合には出られなくなった。
試合に出れなくなると当たり前だがめちゃくちゃ悔しい。となるはずが、そうでもなかった。
その状況をあっさりと受け入れ、別におれを出せとも思わなくなっていた。サッカー選手として大事な何かを完全に失っていた。
いろんな人から「今週は試合出そう?」って聞かれ、それに対して「どーせ出ないよ」と返すのが決まり文句だった。
口では試合に出たいとか言ってたけど、どーせ無理だろって諦めてる自分がいた。
現実と向き合うのをやめてしまっていた。
試合に出れてないこともそうだが、それ以上に自分のプレーに限界を感じてしまっていたからだったと思う。
こうしてどんどんとプロサッカー選手という夢から遠ざかっていった。
十分すぎるほどに心を折られた1年間だったが、もちろん成長したことはたくさんある。
間違いなく上手くなったし、強くなった。
1番はサッカーに向き合う姿勢が変わった。
ボールを蹴る時間も増えたし、あんなに嫌いだった筋トレや身体のケアもするようになった。自分のプレーを見返し、どうしたら上手くなるかとサッカーについて考える時間も増えた。
それはもう無理と思う一方でおれってこんなもんじゃないだろと思う気持ちがまだどこかにあったからだと思う。まだまだやれる、力を出し切れてない,
そう思う自分も確かにいた。
プロになるという夢を簡単に諦め切れる訳がなかった。
そこで改めて去年の自分のブログを読んでみた。
そして自分に問う。今のおれはプロになるために1日1日を本当に大切にしているか。妥協していないか。貪欲にやっているか。
答えはNOだった。胸を張ってやっているとは言えなかった。
練習は量より質が大事だとよく言われる。
しかしこの言葉は自分の中ではあんまりしっくりとこない。
自分も質が落ちるから今日はいいやとボールを蹴るのをやめたことは数え切れないほどある。
ふと思う。この言葉って限界を自分で決め、妥協するためのただの言い訳じゃないかと。
もちろん目的もなく適当に練習するのは違う。
でもスーパースターと言われる選手達は死ぬほどボールを蹴っていたはずだし、その練習量があったからこそ質にこだわれるようになったのだと思う。
自分はどうだろうか。
そんな偉そうに質を追い求められるほど練習を積み重ねたのか。
限界限界って自分で線引いてるけど、本当に限界を感じるほどサッカーに打ち込んだのか。
胸を張って試合で活躍するためにやれること全てやりましたって言えるのか。
ただ逃げているだけじゃないか。
やっぱり胸を張ってやっているとは言えなかった。
全然変わってないじゃん。
成長した部分はあっても根本的な部分は何も変わってない。素直にそう思った。
そして4年生が引退して新チームが始動した。
天皇杯予備予選、新チームで初の公式戦である。
苦しかった1年を乗り切り、ここからもう一度頑張ろうとモチベーションは高かった。
コンディションも良かったし、試合2日前に行われるゲバ(紅白戦)まではスタメンだった。
やっと試合に出れる、そう思うと楽しみで仕方なかった。
が、メンバー発表で自分の名前は呼ばれなかった。スタメンどころか、メンバーにすら入れなかった。
いろんな人からいじられ、空元気で返していたが、めちゃくちゃショックだった。
帰り道1人で自転車を漕いでいる時、家で1人でお風呂に入っている時、本当に泣きそうになった。
1年間なんとか繋ぎ止めてきた気持ちの糸がぷつんと切れた気がした。
なんでだよ。ふざけんなよ。
また弱い自分が顔を出す。人のせいにして自分と向き合わない。
これを書いている今だってまだ受け入れきれてない自分がいる。
しかしこれが結果であり、周りからの評価である。
予兆がなかったわけではない。
試合2日前のゲバが終わった後兵藤監督(兵藤慎剛監督)にこう言われた。
「前までできていたベースの部分がやれていない。」
「技術でどうにかなると思っているとプレーの中から感じる。」
「もっとがむしゃらにやらないといけない、このままではプロにはなれない。」
冷静に考えればメンバーから外れて当然だった。
自分では手を抜いているつもりはなかったし、本気でやっているつもりだった。
でもそれを判断するのは自分じゃない。
敵と競い、周りから評価を受けるスポーツがサッカー。
ましてや監督からそのような評価を受けているようでは話にならない。
ではまたこの現実から目を逸らし、自分から逃げるのか。
絶対にそうであってはならない。
この現実を受け入れ、一歩ずつ前進していくしかない。
ギラギラした気持ちを忘れずに、貪欲にがむしゃらに泥臭くプレーするしかない。
結果が出ないなら、結果が出るまで練習するしかない。
来年こそはもう全てやるべきことはやったと胸を張って言えるくらい毎日を大切にしたい。
決して限界を自分で決めない。
これは簡単なことではない。実際今まで自分は実践できていないし、実践できている人は多くないだろう。
でも本気でプロになりたいなら、もう今変わるしかない。それは自分次第だと思うから。
これだけやったという事実は大きな自信に繋がるから。
そうして誰もが納得するプレーを見せ、誰よりも結果を出す。
今年の1年間があってよかったと言えるように、
来年の終わりにみんなから今年の俺はすごかったと言わせられるように、
ピッチの上で自分の存在価値を証明し、躍動したい。
そして来年のブログに自信を持って書きたい、
人間は自分次第で何者にでもなれる、
結局全部自分次第だと。
次のブログはけいた(小林佳太・帝京高校)です。
彼は背も高いし、足も早いし、左足のキックもめちゃくちゃうまい。おまけにイケメン。ほんと羨ましくて仕方ありません。あまり感情を表に出すタイプではないですが、電車で一緒に帰る時に僕にだけは熱い気持ちをぶつけてくれます。そんな実は熱い気持ちの持ち主の彼が何を語るのか是非お楽しみに!
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