【#Real Voice 2024】 「この日々を胸に」 4年・原聖瑠
先日のIリーグvs東海大。
約5か月ぶりに立った公式戦の舞台は永遠にも一瞬にも感じました。試合後にはこの1年の苦しさ、試合に勝てなかった悔しさ、再びこの舞台に戻ってこれたうれしさ、たくさんの人への感謝、そんないろんな感情がこみ上げてきました。思うようなプレーはできなかったけどこの4年間の中でも本当に特別な時間でした。
そんな舞台に立たせてくれた全ての人に感謝します。
大学4年間、そして今までの人生の大半を費やした学生サッカーが終わる。
その終わりが近づくにつれ改めて実感する。
同世代の仲間たちと苦楽を共にし、同じ目標に向かって頑張り続ける、そんな日々の濃さ、他の何にも代えがたい経験の数々を。
プロサッカーも、社会人サッカーも、サッカーを続けても続けなくても、この日々が今後の人生の土台となる。
そんな部活動の偉大さを実感しながら近づく引退の日。
「今までやってきたことは何だったのか」
そんなことを最近考える。
17年間いろんなものを犠牲にしてサッカーに打ち込んできた。
休日も食事も人間関係も、サッカーのために我慢してきたものはたくさんある。
大学4年間だけじゃない。
思い返せばずっと。
雨の日も雪の日も、体がしんどい日も、気持ちが乗らない日も頑張りたいと思えるものがサッカーにはあって、目指したいものがあった。
身長もスピードも足りなくて、毎日が試行錯誤の繰り返し。
正直才能なんてなくて、か細い糸を辿って辿ってここまで歩んできた。
楽しいことばかりではなくて、むしろ苦しいことのほうが多かったかもしれない。
それでも胸を張れるような結果は出せなかった。
この先も仕事としてサッカーを続けることはなくなった。
ましてやラストには苦しいシーズンが待っていた。
この4年間ア式にかけてきた情熱が、献身が、時間が、そしてもっと言えば17年間費やしたサッカー人生の積み重ねの最後がこの結果かと。
目標を叶えられるわけでもなく、自分の努力不足を痛感するわけでもなく、挑戦すらもできなかった。
自分にできたことはチームのために声を出す、社会人リーグの運営をする、といった程度だった。
サッカー人生の1つの区切りとしては終えるにはあまりにもあっけなかった。
泉(4年・泉颯)がブログで伝えていたように、1番大事なのは結果だと思う。絶対に結果が出たほうがいいし、人々の記憶に残るのは結果をだすこと。
才能の差があるにせよ、結果が出る出ないは全部自分の責任。
だからここまでどんな過程を辿ってきていても自分の努力不足だと言わざるを得ない。
このブログ執筆時点で「こんなことを成し遂げました」なんて胸を張って言えるものはほとんどなくて、これまでの17年は何の形にもならなかったのかもしれない。
この1年、自分がチームに、後輩たちに、そして自分自身に残せたものはほとんどないのかもしれない。
それでも全てがなくなるわけじゃなくて、
過ごしてきた日々は確かにそこにある。
目指したものがあって、頑張ってきたものがある。
生まれも育ちも、この先の生き方も違うのにたまたま同じ車両に乗り合わせた仲間たちがいる。
憧れた先輩がいるように、自分の姿を見てきた後輩たちがいる。
この日々をこの先忘れることはないんだろうなと。
良いことも悪いことも楽しいこともむかつくこともあったけど、
あの時こんなことがあったとか、実はこんなこと思ってたとか、
何年後かに飲みながら誰かに話してるんだろう。
どんな姿でもいい。
ピッチ内でもピッチ外でも、
尊敬でも反面教師でも後輩たちが後に続いていくんだろう。
そんなことをしみじみ感じる。
この積み上げた日々がこの先どう化けるのか。
ただの思い出で終わるのか。
「誰かの」活力となるのか。
「何かの」原動力になるのか。
楽しみで仕方がない。
16日の関東最終節の日か、それともプレーオフの日なのか。
良いところも、悪いところも含めて俺らの背中を見てきた後輩たちが引退するときなのか。
それとも本当に人生が終わるときなのか。
本当の意味で何をして何を残すのか。
わかるのはきっと「最後の時」
まだまだこれから。
この日々を胸に一歩一歩頑張っていきます。
最後に
父さん、母さんへ。
さんざんサポートしてもらったのに特に高校以降中々活躍する姿を見せられなくてごめん。
高校サッカーの花形であるインハイ・選手権には結局1秒も出れなかったし、大学ではAチームに絡むことすらほとんどできなかった。
でも厳しい環境に身を置いた高校3年間が、トップ水準に挑戦し続けた大学4年間が、そして何よりこれまでのサッカー人生が一人の人間として成長させてくれたことは間違いないと自信をもって言えます。
ひとまず今までありがとう。
そしてこれからもよろしくお願いします。
何が幸せで、何が正解かもわからないけど、
この「日々」を胸に
「立派な」大人に必ずなります。
明日の担当は松尾倫太郎(4年・八千代高校)です。独特の感性と圧倒的な自我をもつ彼が引退ブログとして何を語るのか、僕自身も楽しみで仕方ありません。かならず皆さんの想像を超えてくれるはずです。一部昇格に欠かせない彼がブログを通して何を語るのか、ぜひお楽しみに。