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【早稲田カップ2025 epilogue】 「初心〜早稲田カップからの学び〜」 新3年・増川暖

昨年に続き、今年も早稲田カップに参加させていただきました。
改めて、この素晴らしい大会を開催するにあたって尽力していただいた皆様に感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。


また、2年連続で和賀FCという素敵なチームを担当させていただけたことを大変嬉しく思います。指導者や父兄の皆様、温かく見守って下さりありがとうございました。




2011年3月11日



私は親の車に乗って家に帰っているところだった。突然、見ていたテレビが速報に変わり、地震の速報が伝えられたことを鮮明に覚えている。
それからは、現地の揺れや津波の映像がテレビで何度も流れていた。

当時6歳であった僕でも、大きな災害が起きてしまい、多くの被害者が出てしまったという現状はすぐに理解できた。


それからも東日本大震災でどれだけの被害が出てしまったのか、復興までにどのようなことがあったのかなど、生きてきた20年間で東日本大震災について理解していると思っていた。







昨年の早稲田カップ開催前に加藤久さんが、被災してからどのようにして復興していったのか、子供達がサッカーをできる場所を作るために1から作られたグラウンドはどのようにしてできたのか、過去の早稲田の学生が復興支援に行っていた話など、様々な話をしてくださった。

その時、私の知っていたものは、ほんの一部にしか過ぎなかったのだと気付かされた。
また、加藤久さんの偉大さに感銘を受けたのと同時に、自分の無力さに気付かされた。


この14年間で自分も復興支援に参加すればよかったとか、もっと何かできたんじゃないかと思ったが、過去を悔やんでもどうしようもない。

そんな私は、昨年の初めての早稲田カップの時に、
まだ遅くない。この早稲田カップを通して何かできることをするぞ。
と思い、陸前高田に向けて出発した。


2回の早稲田カップを通じて、実際に何か貢献できたのか、自分ではわからない。

貢献できていたとしても、加藤久さんや他の偉大な方々に比べたら、自分が陸前高田の方々に貢献できたことは、ほんの少しかもしれない。
しかし、この大会を通して数えきれないほどの『ありがとう』をいただいた。

みんなでおにごっこをしていた時間や、おんぶリレーをしていた時間、一緒にボールを蹴っていた時間が子供達にとって、そして私たちにとって、かけがえのない時間だった。
そして、地域の指導者や父兄の皆様と、他愛もない話をしている時が幸せで、大切な時間だった。
一見当たり前に見えるようなこの時間も、多くの方の支えがあり、成り立っている時間なのだと考えると、心に来るものがあった。



早稲田のサッカー部が被災地に行き、現地の方々と交流する。
側から見れば、私たち学生が現地の子供達に学びを与える。そのように思う人も多くいるのかもしれない。
しかし、実際には違う。逆に私たちの方が多くのことを学んだ。


がむしゃらにボールを追いかける子供達の姿、点を決めたらベンチの元に走ってきて全員でハイタッチをする姿、ベンチからみんなで応援をする姿。

私たちが今も全力でサッカーに取り組んでいるのは、夢を叶えたいからというのもあるが、一番はサッカーが好きだから。

良くも悪くも結果だけを追い求めている私にとって、忘れかけていた一番大切なものを思い出させてもらった。和賀FCのみんなありがとう。

また1年後にみんなと楽しくサッカーができることを楽しみに、そしてみんなに偉そうに書いてしまった僕のサインを価値あるものにできるように、2025年も頑張っていきます。
お互い成長した姿で会えることを楽しみにしています!





ここでは、自分が一番感じた「サッカーを楽しむこと」の大切さについて書かせていただきましたが、他にもこの早稲田カップを通して、命の尊さ。
サッカーができる環境が当たり前でないこと。
サッカーが人と人を繋げてくれる素晴らしいスポーツだということ。
そして、人の温かさ。
改めて、様々な大切なことを学ばせていただきました。





この10年間続いている素晴らしい活動に関わることができていることに感謝し、これから先もこの活動をずっと続けていけるように私たちも努力していきます。



改めて、この大会をサポートしてくださった全ての方々に心から感謝しています。
ありがとうございました。



◇増川暖(ますかわはる)◇
学年:新3年
学部:商学部
前所属チーム:藤枝東高校

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