【#Real Voice 2024】 「16年間の終わりに」 4年・髙橋竜吾
あと2週間。
小学校に入学すると同時に始め、どんな時も生活の中心にあった。
父とボールを蹴ることが楽しくて始めたサッカー。
楽しいことや嬉しいことばかりではなかった。
多くの悔しいこと、苦しいことを経験してきた。
それでも気づけば今年で16年目。
22年生きてきたうちの16年という長い時間を、
自分のエネルギーの多くを、
サッカーに費やしてきた。
これまでの16年間を少し振り返りたいと思う。
小学校
父の試合を観に行ったり、一緒にボールを蹴ったりするうちにサッカーというスポーツに惹かれ、地元の少年団でサッカーを始めた。
県大会にすら一度も出られなかったし、清水トレセンに行けば周りの上手い人たちに圧倒された。
それでもサッカーの基本を学び、楽しさを教えてもらった。
中学校
よりレベルの高い環境でプレーしたいと思い、全国大会を目指せるチームに入った。
試合に出続けたが、8年連続で出場していた東海大会を自分たちの代で逃し、リーグ戦でも顕著な結果を残せず、3年間を終えた。
高校
清水東高校に入学。
1年から試合に出させてもらった。
3年間全国大会を目指したが、最高成績は県大会ベスト8。
リーグ降格という屈辱も味わった。
大学
このままでは終われないと思い、早稲田大学ア式蹴球部に入部。
Aチームに絡めたのはわずかな期間。
ほとんどの時間をBチームで過ごした。
より高みを目指してやってきたが何も成し遂げることはできなかった。
なんとなくやってきたわけではない。
失敗するたびに、挫折するたびに考え、それを行動に落とし込んできた。
それでも何者にもなれなかった。
これが自分の実力。
サッカーを始めた頃はプロになって、W杯に出て、世界で活躍したいと大きな夢を持っていたが、大きくなるにつれて現実を知り、結局何者にもなれずに終わった。
うまくいかないこと、報われないことも多く、サッカーを辞めたいと思ったことは一度や二度ではなかった。
それでもサッカーを辞めるという選択をしなかった。
そして今、ここまでサッカーを続けてこれたことが本当に幸せだったと感じることができている。
自分にとって大切な多くの瞬間が蘇ってくる。
試合に勝利し仲間と喜び合ったこと
試合に負けて悔しさを味わったこと
得点を決めて仲間と喜び合ったこと
ポジション争いに負けて劣等感を感じたこと
誰かに応援してもらえたこと
誰かに期待してもらえたこと
誰かの期待を裏切ってしまったこと
また頑張ろう、這いあがろうと決意したこと
全ての経験が自分の心を動かし、感情を揺さぶり、人生を豊かにしてくれた。
楽しいこと、嬉しいことはもちろん、たとえ悔しいこと、苦しいことであっても全ての経験が自分の人生を豊かにしてくれることを知ることができた。
一つ一つの出来事が大切なものとして、これからも自分の心に残り続けると思う。
自分自身と向き合うこと
言葉にするのは簡単だが、本当は難しいことだとこの4年間で学んだ。
ア式での4年間はうまくいくことよりもうまくいかないことの方が圧倒的に多かった。
1年目はほとんど試合に絡むことができなかった。
2年目は社会人リーグの全ての試合に出場したが、関東2部昇格は叶わなかったし、個人的にもカテゴリーを上げることはできなかった。
3年目は試合に出たり出なかったりで、試合に出てもチームに貢献できている気がしなかった。
4年目はスタメン出場したのは4試合のみ。残りの14試合はベンチ。1分も出られない日もあった。
4年間を通して、所属したカテゴリーのシーズン目標を達成できたことは一度もない。
自分の実力が足りていないことを痛いほどに感じてきた。
サッカーは難しいスポーツだとつくづく感じる。
試合の勝敗が、
チーム内での序列が、
わかりやすい形で現実を突きつける。
だからと言って
これをすれば絶対に試合に勝てるというものはないし、
これをすれば絶対に試合に出られるというものもない。
周りのせい、環境のせいにしたくなるようなこともあるし、理不尽なことだってある。
逃げることも諦めることもできる。
ただ、結局全ては自分に返ってくる。
サッカーを楽しめず、嫌々練習に行っていた時もあるし、
頑張らなければいけないとわかっていながら、頑張れなかったこともある。
逆に、長い期間こだわりを持って貫いてきたこともあるし、
自分なりに考え、行動してきたこともある。
その全てが今の自分を作っていると実感する。
頑張ってもうまくいかない時、報われない時は、
これからの人生でも必ず訪れると思う。
自分を守りたくなることも、逃げたくなることもあると思う。
それでも前を向いて、自分にできることに目を向けなければ何も変わらないことをこの4年間で学んできた。
弱い自分を認識し、正解がない中でも自分自身と向き合い、自分なりの正解を模索し続けることがこれまでも大事だったし、これからも大事にしていきたい。
最期にどんな人生だったと思いたいのか。
どんな自分だったと言いたいのか。
そのために今どんな自分でいたいのか。
過去に縛られることなく、今を大切に生きたい。
自分自身と向き合える強い人間でいたいと思う。
最後に両親へ。
22年間、お世話になりました。
2人の支えがなければここまでサッカーを続けることはできませんでした。
大学4年間は2人が期待していたような姿は見せられなかったし、遠くから試合を見にきてくれても出られないこともあって、本当に申し訳なかった。
それでも背中を押してくれて、その度に頑張ろうと思えました。
本当にありがとう。
立派な大人になって恩返しします。
次のブログはア式一のサイコパス橋爪(橋爪瞭・近畿大学附属和歌山高等学校)くん。
一見おとなしそうに見えますが、一発芸でみんなの爆笑をかっさらいます。
ア式ではほとんどの期間を同じカテゴリーで過ごし、苦楽を共にしてきました。
そんな彼が最後のブログで何を書くのか楽しみです。
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