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【#Real Voice 2024】 「敗北から」 2年・山本優時

今シーズンを振り返ると、負けた試合ばかり思い浮かぶ。

Iリーグのヘッドコーチとして、自分にとっては大きな挑戦となった今シーズン。選手、スタッフのみんなが頑張ってくれて、残り3節を残して暫定1位。同日他会場の試合結果で2位のチームが負けたので、産業能率大学戦(以下、産能戦)に勝っていれば「暫定」の枕詞も外れるはずだった。


結果は0-2、負け。


早稲田のシュート数は15本、相手はたったの3本。打っても打っても入らなかった。そして、嘘みたいなボールが2度、早稲田のゴールに吸い込まれていった。一瞬だった。
その試合を迎えるまでは3連勝しており、その週の木曜日に行われたゲバ(紅白戦)では、TOPチームに勝利していた。チーム状態はまさに最高潮にあったと思う。


平野(1年・平野裕大)が作ってくれたスカウティング資料を基にたくさん話したし、はじくん(島崎元コーチ)とも試合前に戦い方について入念に話し合った。対戦相手は当時10チーム中9位だったが、なめるとか下に見るとかいう感情は自分の中に全くなかった。残り3試合、自分の持てるすべてをぶつけるだけだと思っていた。

でも足りなかった。

なぜ勝てなかったのだろうか。何度も何度も考えた。「運がなかった」と投げ出してしまいたくなるような試合だったが、改善点はいくらでもあった。

サッカー面についてはここでは書かないとして、メンタル面に隙があったのだろうか。社会人コーチの方々は、100%で練習や試合に臨むようにと常々おっしゃっている。隙が生まれてしまい、その隙は敗戦に直結するからである。

では、産能戦で自分に隙があったかと言えば、それはなかったと断言できる。むしろ、サッカーにおいて好調なときほど落とし穴が待っていることは今までの経験上よくわかっていたし、今シーズンを通しても1番くらいで緊張していた。

 しかし、チーム全体を見た時に隙が全く無かったかと問われれば、断言はできない。もちろん、この試合の重要性を理解し、それ相応の熱量を示してくれた選手はたくさんいた。それはゲバの結果にも出ていたと思う。だが、チームを1つの生き物として、その生物の中に全く隙が無かったかと問われれば、やはり隙はあったのかもしれない。

そして、その隙はコーチである私がつぶしていかなければならないものである。私の実力不足がはっきりと露呈した敗戦であった。

コーチという存在は、時には厳しい言葉も使いながらチームの雰囲気をしめることがとても重要である。しかし、シーズンの重要な局面で、相手の方が順位が下だとか、チームが好調だとか、そんなしょうもない事実に化かされてチームに隙が生まれ、それをつぶしきれなかった。自分は一切チームに隙が生まれないように今までよりもっと厳しくならなければならないし、もっと圧倒的な存在感を放ってチームを引っ張り上げるような、それぐらいの存在にならなければ、来年もまたIリーグで日本一をとるという目標は達成できないだろう。


もう1つ強く思い浮かんでくるのは、新人戦関東決勝トーナメント1回戦の明治大学戦(以下、明治戦)である。

新人戦には、小澤コーチ(小澤雄希コーチ)のアシスタントコーチとして関わらせてもらっていた。

明治戦に向けてFCとアイリーグの1.2年生の合同チームが作られた。

去年一緒にIリーグで戦っていた同期と久しぶりにやれて楽しかったし、普段あまり一緒にやれていなかったFCの1年生とも一緒にやれて楽しかった。そして、普段から一緒にやってきたIリーグの選手たちがFCの選手たちとともに闘い、FCの選手たちと良い化学反応を起こしている姿を見るのは、とても楽しかった。だからこそ、絶対に勝ちたかった。合同チームで練習できる期間は1週間と限られていたが、良い積み上げができていると思った。

しかし、結果はみんながブログで書いている通り、0-1で敗戦。

小澤コーチが試合後におっしゃってくれた通り、よくやったとは思う。しかし、「よくやった」では駄目なこともみんな理解していたと思う。この敗戦で自分たちの代は、もう新人戦に出る権利を失った。このように、あっという間に大学サッカーができる時間も失われていくのだろう。その限られた時間の中で、明治のような大学との差を埋めることが出来なければ、日本一という目標は叶わないということを、痛感させられた試合だった。

 

 「結果がすべて」

泉くん(4年・泉颯)が部員ブログに書いた言葉で、たくさんの部員が引用している言葉。本当にその通りだと思う。


自分は今まで過程で評価される人間だった。

何かが秀でているわけでもなく、失敗や挫折、敗北を繰り返してきた。

 「真面目、努力家、頑張り屋」

私が褒められるときは、だいたいこのうちのどれかだ(言われたらめちゃめちゃ嬉しいのでこれからも積極的に言っていただきたいのですが)。

ここで私は宣言したい。

これからは、「過程」ではなく「結果」で評価される人間になる。

そのために、嫌われてもいいから厳しいこともためらわずに発信し、圧倒的な存在感でチームを引っ張り上げる。

来年、絶対にIリーグ日本一を達成する。

そして、関東1部昇格とTOPチームの日本一に貢献する。

林総監督(林義規総監督)は関東リーグラスト2試合の立教戦前に、こんなことをおっしゃっていた。

「あと2試合残っていると思ったらダメだ。これが最後の試合だ、この1戦しかないというぐらいの気持ちで、この試合にすべてをぶつけるんだ。」

オフまであと数日、つまりはあと数日で2年生が終わり、ア式での残された時間があと2年になるという今日、私は思う。

「あと2年残っていると思ったらダメだ。これが最後の1年、この1年しかないというぐらいの気持ちで、この1年にすべてをぶつけるんだ。」




次の部員ブログは海本慶太朗くん(大宮アルディージャ U18)です!
授業中はずっとちょっかい出してくる海本氏。きっとバカすぎて授業についていけないのでしょう。 
そんな彼ですが、ピッチに入るとスーパーGKになります!関東リーグ・山梨学院戦やアミノバイタル®︎カップ・亜細亜大学戦など、彼に救われた試合が何度あったことか。
そんな彼がどんな思いを綴るのか、楽しみです!

◇山本優時(やまもとゆうと)◇
学年:2年
学部:スポーツ科学部
前所属チーム:暁星高等学校

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