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【#Real Voice 2024】 「いくつの頃に戻りたいのか」 4年・矢萩啓暉

先週の日曜日。
Ⅰリーグに所属する4年生は、最後の公式戦を迎えた。
大学4年間最後、いや人生最後の公式戦になるかもしれない。
そんな寂しさと高揚感が入り混じる複雑な感情を持ちながら、4年生はピッチに立っているように感じた。





試合後、みんないい表情をしていた。
緊張からの解放か、4年間やりきった感覚があったのか。
みんなで「お疲れ」とハイタッチを交わす姿には、感慨深さを覚えた。
特に苦しんだバックグラウンドを持つ原聖(4年・原聖瑠)と原壮(4年・原壮温)の2人の涙には、心にジーンと沁みるものがあった。






試合後、気付けば夏の厳しい暑さも和らぎ、秋の気配を感じるようになっていた。


ふと、充実した日々が残り少なくなっているのを実感する。



歳月の流れは、過ぎ去った普通の日々がかけがえのないものであったことを教えてくれる。



当たり前の光景はそうではなくなる。
時代は変わる、新たなステージは続く。
始まりはいつだって、そう何かが終わること。


間もなく、学生生活に句読点を打ち、未知の世界/社会に出ていく。






学生時代に後悔はないか。




という問いが、自然と頭の中を埋め尽くす。





一日中ずっとソファーに寝そべって、スマホを眺めていた非生産的な日常。
悩み一つさえも抱えず、明日にも期待せず現状維持でいいと思う日々。
妥協ではない、方向転換であると自分を肯定する。




そんな毎日。






夢を実現できるのかどうかにかかわらず無我夢中でサッカー漬けの日々を送ってた過去とはまるで対極の日々。





そんな過去と現状とを重ね合わせ、もう一度あの頃に戻りたいと考えることがある。
自分自身が輝いていたあの時、あの頃に戻りたいと、過去に視線を逸らす。






たしかに、無邪気に、純粋に何事にも取り組んでいた日々は良かったのかもしれない。過去は充実していたのかもしれない。







しかし、本当にあの頃はそんなに楽しかっただろうか。楽しんでいたのであろうか。







そんな問いも生まれた。







よく考えれば、今は過去を振り返り、楽しかった、輝いていたと思っていたが、当時は嫌だ、面白くない、きついと間違いなく感じていた。
過去は過去で不満まみれ。



当時は今が楽しい、輝いているとは全く思っていないはずであるのに、数年が経ち今になってみれば不思議と当時は楽しかったと思えている。






自然と、過去は美化されるのだと気づいた。







目に浮かぶ幸せであった日々は幻想であり、過去は美しく見えているだけ。
大人になればなるほど、あの頃はよかったと、青春を美化し続けているだけであった。







思い出はいつでも美しいけれど、それは美化しているだけであり、過去に執着して立ち止まっている自分がいた。







多くの人は、自分自身が一番輝いている時はいつかと聞かれると過去であったと答え、あの頃に戻りたいと過去に願望を持つ。


しかし間違いなくその当時は今が楽しい、輝いているとは思っていないはずだ。



つまりは、何も輝いていない、ごく平凡な日常である現状/今だったとしても、20年30年も経てば1番輝いていたときになっていたりする。
どうせ歳を重ねていけば、あの頃はよかったと美化されている。




だからこそ、どんなに変凡な日常である現状/今だったとしても、「今」を楽しむことを忘れてはいけない。今が思い出になるまで。


未来は今次第でかわる。







過去を必要以上に美化せず、固執することなく、今に未来に焦点を当て続け、歩みを進めること。
「今」への向き合い方を変えていくこと。
それこそが過去を超えていくことに繋がる。



この瞬間を無駄にしない。人生はあっという間。
周りなんか気にしてられない、関係ない。
やりたいことをやる。
ジコチューだっていいじゃないか。





My way







自分は何色でも染まれる。











新章がスタートする。














次は、我らが泉さん(泉颯・静岡学園高等学校)です。
初対面の印象は、まじで冷たくて最悪でしたが、仲良くなれば人懐っこくかわいい一面が多すぎる泉さん。
サッカーに関しては僕が言及するまでもありません。凄すぎます。
今年は冷めたノートか、熱々のノートかどちらなのか楽しみです。


◇矢萩啓暉(やはぎけいき)◇
学年:4年
学部:教育学部
前所属チーム:モンテディオ山形ユース



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