【#Real Voice 2024】 「受け入れた先に」 1年・久米遥太
はじめまして。
この度、部員ブログを書かせていただく1年の久米遥太です。
拙い文章ですが、最後まで読んでいただけると幸いです。
サッカーを始めて今年で15年目。 振り返ると、人生の大半をサッカーに費やし、大学生になってもなおサッカーに熱中している。むしろ、年代が上がるにつれてどんどんサッカーに対する熱は上がり、もっと上手く、強くなりたいと思えるようになった。
でも、なぜ成長したいという思いが強くなっていったのだろうか。
それは、自分の弱さを認めることができるようになり、余計なプライドが邪魔をしなくなったからだと思う。
私は、兄の影響で幼稚園の頃にサッカーを始め、家族のサポートもあって小学校、中学校と大きな挫折のない順調なサッカー人生を送っていた。小3の終わりには、父の勧めもあり挑戦した横河武蔵野FC(以下横河)というクラブのセレクションに合格。そのまま横河で中3まで過ごし、小中ともに全国大会も経験した。個人としても、横河で常に試合に出続け、東京都選抜としての活動にも呼ばれ続けた。
今振り返ると、この頃の私は貪欲に成長したいとかそういう気持ちよりも、できる自分を維持するために、失敗を恐れ、受け身でプレーしていたように思う。
そして、その後私は早稲田実業高校(以下早実)のサッカー部に入ることになる。
早実サッカー部は、T2リーグに所属している。また、推薦は学年に3、4人で、他は一般受験か内部進学組。そのため、早実は80人ほどの部員の中に、ある程度キャリアのある選手から、サッカー経験の浅いような選手までいろんな選手が所属していた。
これまでとは、環境が明らかに違った。 中学の頃は、練習試合をするのも全国トップレベルのチームだったのに対し、早実では、練習試合の相手は主にT3やT4、地区リーグの高校などで、都内でも強豪とは言えないようなチームだった。しかも、その練習試合で負けることも多いというような状態だった。
今でも覚えているのが、高1の時に当時T4だった高校と練習試合をして、0-6くらいで負けたことである。つい1年前までは、全国の強豪チームと試合をして勝っていた自分が、T4のチーム相手にほとんど何もできずに大敗したことは、すぐに受け入れることはできなかった。試合が終わった後、私は頭の中で、「まあ1年生だし」とか、「土のグランドだからやりにくかった」とか考えて、結果を受け止めないようにしていた。 しかし、その試合後の集合で、監督はそんな気持ちを見透かしているかのように、結果から目を背けることを許さなかった。
これが現実だ。これがお前らの実力だ。この相手に0-6で負けるチームなんだ。
どんな言葉だったか覚えていないが、こんなことを徹底的に、しつこいほどに言われて、突きつけられた。その時に初めて、今まで避けていた、ダメだった自分を真正面から受け止める、ということをした。
それから3年間、何度も何度も弱さが露呈してはそれを受け止めることを求められてきた。自分たちは弱いから、他のチームよりやらないといけない。何度もその結論に至っては、また調子が良いと自分たちを過信してしまう。それを繰り返すうちにいつの間にか、負けや失敗に対して、自分のプライドを守るための言い訳を並べるよりも先に、弱さを認めて改善することができるようになっていった。
高3の1年間は、その成果が存分に出た年だったと思う。
リーグ戦の次の日は、出ていたメンバーで主体的に集まって失点を振り返り、改善策を話し合った。朝練の時間に集まって、課題のセットプレーを自分たちで時間をかけて練習したこともあった。
そして迎えた高3のインターハイ予選。
結果はまさかの1回戦負け。
雨だった。怪我していた。相手のスーパーゴールが入った。
昔の自分であれば、このような事実を並べてこの敗戦を正当化し、自分の身を守っていたに違いない。それくらい、最後のインターハイ予選で1回戦負けをしたことは受け入れるのが難しいことだった。それでも、出ていたメンバーはその敗戦から目を背けず、自分たちで後日集まって話した。最後の選手権がラストチャンスで、強いチームになるきっかけは今しかないとみんなで話し合った。結果を受け入れ、弱さを認め、強くなるために、スタメンの選手は全員毎日任意の朝練に来ることに決めた(現ア式の岩間は早起きが苦手のため少し渋っていた)。
結果的に、最後の選手権では運も味方し、東京都予選を制して目標であった全国出場を果たすことができた。
インターハイ予選1回戦負けのチームがその年の選手権で全国に行くなんて、1人も予想していなかったと思う。それを達成できたのは、間違いなく他のどの強豪チームよりも自分たちの弱い部分に向き合ってきたからだ。
自信を持つことはとても大事で、自信がないと上に行くことはできないと思う。ただ、自信を持つことと、できないことを認めないことや弱い部分に目を向けないことは違う。プライドを捨てて、弱さを認めること、弱さと向き合うことは、成長するために必要なことであると私は思う。
ア式に来てすでに7ヶ月が経ち、代表経験がある選手、全国的に有名な選手達と毎日練習をして、毎日物足りなさ、弱さを感じることができている。今までできていると思っていたことの中にも、まだまだ取り組まないといけないことがいくつも見えてくる。私は、この環境を利用して、絶えることのない自分の弱さと向き合って成長したいと思う。
最後に、大学4年間の目標を記したいと思う。
4年後絶対にプロサッカー選手になること。
これは、サッカーを始めた頃からの夢でもある。これほど熱中できて、貪欲になれて、一喜一憂できるサッカーを、大学卒業後もプロの世界で続けること。そして、自分だけでなく、応援してくれる人やサポーターをも熱中させ、貪欲にさせ、一喜一憂させる選手になること。
これまでの自分のサッカー人生に関わってくれた人たちへの恩返しの意味も込めて、この目標のために残りの大学生活頑張ります。
次のブログは伊藤稜介(ジュビロ磐田U-18)です。
稜介とは、第1回ランテストから一緒で、過酷な仮入部期間、春の島原遠征、試合中の左サイドなどア式の中でも一緒に過ごした期間が長いです。左足での正確なクロスと穏やかな鼻声が持ち味の彼ですが、仮入部追い込まれ時代にはアップ時から今では考えられない量の声かけを行なっていたという経歴を持っています。普段は自分のことをあまり話さない彼が、今回どんなブログを仕上げてきたのか。ぜひお楽しみに!
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