「尊さを知る」 3年・工藤泰平
なんだか結構切羽詰まっているのは、きっと今、人生の岐路にあるからだ。
冷たい風と枯れ落ちたイチョウの葉が、季節の変化を教えてくれる。
それは、僕にとって最後の冬がやってきたことを意味する。
次に冬を迎えた時には、人生の新たなスタートラインが決まっていて、それにワクワクしていてほしいと心から願う。
次に冬を迎えた時には、今、僕がイメージする理想が現実として突きつけられている。もう、後戻りはできない。
意志を本気で周囲に訴えかけたり、
自分らしく表現したり、
感情を制御できないほど高ぶったり、
ア式で激アツな僕を、応援してくださる方々に観てもらえるのは、次に冬を迎えるまでなのだ。
やり切った僕と次の冬に出会いたい。
天気は悪く、海は大しけで、舵が思うように切れない。今にも船が沈みそうだが、絶対に沈みたくなくて、沈んではいけなくて、もがき、苦しみ、変化し続けた。
天気は次第に回復し、晴れ間が見え、最後の最後で、船は見事に安定した。
今季のア式のお話。
船長である、外池大亮(監督)は、「変化すること」を学生に問い、
主体性を、責任+アイディア、と定義し、
ア式の誰よりも現実的で楽しそうな男だ。
不安を抱え、自分らしさを失いかけた時でも、工藤いいね〜、いつも通りに声をかけてくれた。そのスタイルを決して変えなかった、外池さんらしさに今季は何度か救われた。
選択における正解はなく、
進んだ道を正解にするのが人生だ
これは、僕の考え方の一つである。
【解説】選択する時点では、その道が正しいかなんて分からないが、そこで正解を求めたいと思うからそこに進む。進んだ道を正解であったと後々の自分に分からせるべく、正解にすべく、もがき、苦しみ、変化することこそが人生である。
だから、今、結構切羽詰まっているのも、今季苦しかったのも、僕にとっては正解で、今後に繋がる重要な人生の岐路なのだ。捉え方がポジティブであることは言うまでもない。
大学3年の12月を目前にした僕は、真剣に将来を思い描こうとする。
難しく、不明瞭なことばかりだが。
あんなことやこんなことがあった、と時間を忘れるまでに語れてしまうのは、サッカーを本気でやってきたからであり、将来を思い描けないのは、まだまだサッカーが好きで、終わりたくないからなんだ。
今日は、11月29日(いい肉の日)。昨季はインカレを控え、トレーニングの最後のミニゲームで「1129カップ」を開催してワイワイやっていた。
しかし、今季は降格争いを強いられ、先週末に4年生は引退した。結果的に、「歴史的残留」を無事に果たしたわけだが、それは、僕たちを日々支えてくださる方々のご支援・ご声援あってのこと。求められている結果を出せなかった今季の反省を活かし、必ずや来季、強いア式を取り戻す。
この場を借りて、日々支えてくださる全ての方々に感謝の意を伝えさせてください。
本当にありがとうございます。来季も、よろしくお願い致します。
さて、もう少しお付き合いください。
本日の部員ブログ担当は、スポーツ科学部新4年の工藤泰平です。
何も考えず、ただ上ばっか見て、目の前の勝敗に執着していたいと今ものすごく思う。
勝ったら、みんなで喜んで。負けたら、自分のこと責めまくって、寮で同部屋のバル(3年 山﨑昂・松本Y出身)に気遣わせちゃう。みたいな。
執着しつつも、仲間と会話しながら修正したり、高め合う時間が実は尊くて、めちゃくちゃ尊い。そして、残りわずか。そんな時期に僕もきてしまったようだ。
ここにきて、一周回った感じで、ただ上ばっか見ていたいのは、
ただ上ばっか見て、がむしゃらすぎた自分を失いつつあるからだと思う。
悔しいけど、17年間もサッカーをやってきたから、なんとなく分かるんだ。
20歳の僕は、理想と現実とのギャップに自信をなくし、就活を始めた。
いよいよ見えてきてしまったサッカー人生の終わりに対して、その締めくくり方を自分なりに探っているのだ。しかし、どこか綺麗に終わらせようとして、格好ばっか気にしている今の僕は、実にみっともない。 がむしゃらじゃないから。
心も身体も準備して、
研ぎ澄まして、
応援してくださる方々を見て、
よし、いくぞ!戦うぞ!と自分に喝を入れて、
ダメダメで負けることがある。
それがサッカーであり、現実なのだ。
17年間でサッカーから学んだことは何か、と問われたら、
それは、現実を受け入れることだ。
目を背けたくなっても、逃げたくなっても、人のせいにしたくなっても、それを現実として受け入れ、次に繋げるべく成長を求めること、それを学んだ。
今季は、受け入れ難い現実ばかりだった。
力不足でしかないのだが、それにしても勝てなくて、2018/19シーズンで天と地を味わった。
背番号17を背負い、1部優勝も降格争いも経験した。4年目も17を背負いたい。もう一度、喜びを爆発させるために、だ。
良い時も悪い時も、早稲田の17は常にがむしゃらで、見ているだけで何かを感じるよね、って選手に僕はなりたい。なって、誰かに何かを与えたい。
天【2018 関東1部優勝】
地【2019 関東1部降格争い】
きっと東伏見だけ、他よりも季節の移り変わりが早い。
そのくらいの体感で、季節は過ぎ去り、3度目の冬を迎えた。
練習から4年が居なくなり、僕が4年になった。
いよいよ、ラストシーズンが始まる。
今の正直な気持ち、最高にワクワクしている。
サッカー人生をかけて挑むラストシーズンだから。
一度はプロを夢見た、どこにでもいる少年のラストチャンスだから。
あと1年間、早稲田を背負って戦えるから。
僕は、来季のア式と自分自身に期待したい。
だって、何年間サッカーやってきたんだ。
よくぞ、耐えた。頑張ったな、少年。
サッカーを離れた友は、早稲田でガチな僕が羨ましかったりするのか。
親父、おかん、兄は、早稲田でガチな僕が誇らしかったりするのか。
飲んだり食ったりするまでになった友、
なんかSNSで繋がっている友、
かけがえのないライバル、チームメイト、
異常なまでのサッカー熱を僕にもたらしてくれた熱い指導者たち、
応援してくれる方々、
サッカーを極め、夢中になって、20歳になれたことは奇跡で、怖いくらい僕は恵まれてきた。
本当に心からそう思う、みんな、ありがとう。
4年目、いわばラストシーズンは、そんな人たちに感謝の気持ちを表すシーズンにしたい。
クソほどわがままで自分自身を追求し続けてきた、エゴ強めで扱いづらい僕は、自分のためにしか、がむしゃらになれないことが多かった。
最後くらい、そんな人たちのためだけにがむしゃらでありたい。
5歳~小3は、 #瀬谷FC で夢中になることを知った。
ここで、サッカー人生のスタートを切れたから確実に今がある。ここから全てが始まった。黄色のユニフォーム、今も大切に保管している。
小3~中3は、 #SCHFC で初めて自分が大した選手ではないって自覚できた。
中学に上がる時に、行きたいチームに行けなくて、またお世話になった。
悔しかったけど、自分が変わるしかないって主体性はこの時期に身についた。
高校3年間は、 #日大藤沢高校 でギャップを感じた。
1年から少しずつ試合に出場していたが、チームにぶら下がったままで、キャラだけでなんとかしていた。だから、キツイ時でも、いつもの感じを取り繕って、薄すぎる何かで必死に自分を守り続けた。
主将になったが、何も残せなかったし、守れなかった。結局は、国体選抜の競技歴で入試に挑み、国体の工藤で早稲田に入った野郎でしかない。
なんか、僕だけが良い思いをしている感じが、胸糞悪い。
日藤の工藤は、大したことなかったよな。それは、悔しいじゃんか。
年齢を重ねていくごとに、確実に、現実が近づいてきた。
むしろ、現実だけが近づいてきやがって、理想なんて考えられないくらいに、追いかけられた。
気づいたら、4年。就活を始めていた。
それでも、追いかけてきやがる現実以上に、ボールを追いかけて、悔しい想いとか挫折ばっかりなのに、時として得られる成功や成長を求めて、もしかしたら、を求めて、今日も追いかけてきた。
とりあえずは、明日も明後日も、追いかけられるんだよ。
でも、残念なことに、まあ、なんとなく分かってはいたものの、冷静に震えるよ。
サッカーという現実に、追いかけていただけるのも、あと1年なんだ。
高校の恩師から「早稲田大学 玉井智久」の名刺を見せられて、練習参加して、ビビり倒していたのが、高3の5月?嘘でしょ、早すぎだよ。
逃げてないか?最高のチャンスじゃないか!
親よりも背中を押され、怒られた数も褒められた数も、きっと誰よりも多くて、高校サッカーを象徴するのは、佐藤輝勝(恩師)になった。
そんな熱い恩師のもとから、来年、後輩の植村が早稲田の門を叩く。
超嬉しいよ。1年間しかないけど、一緒に頑張ろうな。
すべてが必要な出来事だった。今だから、そう思えるのかな。
当時、辛かったこと、胸糞悪かったこと、そのすべてが糧となり、今の僕を創った。
今を、現実を、受け入れ、なんとか正解にして、推し進めていく他なかった。
今、この瞬間は、今までの僕が出した正解であり、現実なのだ。
だからこそ、すべてを受け入れて次に繋げなければならない。
それが、いつの日かの僕だから。
サッカーから、現実を受け入れることを学び、いよいよ終わりが見えてきてしまった今だからこそ、その尊さを知ることができた。
良くも悪くも起きた現象、
変化した環境や考え方、
揺れ動く感情、
全てのサッカー仲間、
奔走した日々、
何もかもが、尊かったんだ。
最後に、 #ラストシーズン を戦う、僕自身に伝えたい。
最も早く冬に近づいていくだろう。究極な日々が待っているだろう。
もう後がなく、立ち止まれない状況、
4年としての自覚、早稲田らしさ、
1日ずつ確実に減っていくサッカー人生、
その尊さを知って、理解できているのなら、どんな現実をも楽しんでくれ。
大学サッカーやア式、今という現実が尊いことに気づけていない人、路頭に迷ってがむしゃらさに欠ける人がいるのなら、手を差し伸べよう。
どんな時も、正解を求め続け、追われてないで、追いかけろ。
感謝の気持ちを絶対に忘れないでくれ。
そして、進んできたア式での日々を、サッカー人生を、正解にするんだ。
17で、もう一度、喜びを爆発させてくれ。
ただ上ばっか見て、執着してくれ。
誰よりも自分らしく、人として1番であれ。
がむしゃらすぎて、それで人に何かを与えられるまでになれ。
思い描け、形になるまで。
人生の岐路、自分らしく、舵を思いっきり切って、
やり切った僕に会いに行こう。
ありがとうございました。
拙く長ったらしい文章でしたが、事あるごとに、僕はこれを読み返し、必死こいて最後まで駆け抜けます。
2020シーズンも、 #早稲田大学ア式蹴球部 のご支援・ご声援のほど、よろしくお願い致します。 大学サッカー、是非、観に来てください。
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工藤泰平(クドウタイヘイ)
早稲田大学スポーツ科学部 ア式蹴球部
神奈川県横浜市出身
瀬谷FC/SCH.FC/日大藤沢高校
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もし良かったら、是非。
工藤 泰平(くどう たいへい)
学年:3年
学部:スポーツ科学部
経歴:SCH.FC(横浜市立下瀬谷中学校)→日本大学藤沢高校