【#Real Voice 2023】 「決意表明」 1年・宮地健輔
こんにちは。
この度初めて部員ブログを書かせていただきます。
スポーツ科学部1年宮地健輔です。
この部員ブログでは、一度サッカーやめようと思った私がなぜこのア式蹴球部(以下ア式)に入部したのかを書いていきたいと思います。
私にはア式で叶えなければならない2つの目標がある。
まず1つ目はサッカーを楽しみ、周りの人に恩返しをすることである。
皆さんはサッカーが好きですか?
私は今では好き、楽しいと思うこともあるが、高校2年生のある出来事をきっかけにサッカーが嫌いになり、怖くなった。
高校2年生 5月の後半
慶應義塾大学Aチームとの練習試合。
味方のセンターバックからバックパスが来た。
相手もプレッシャーをかけてくる。
相手にボールを奪われないようにトラップしよう。
気づいたらゴールに入っていた。
トラップミスをしてオウンゴール。
その後は自分がどんなプレーをしたかは覚えていない。
試合終了の笛と同時に、私はグランドに崩れ落ち人生で1番泣いた。
ただの練習試合だから気にすんな、誰でもミスなんてするよ。チームメイトからそう声をかけられたが、私の中では気にしないということはできなかった。
川崎フロンターレユースという選ばれたものしか入れないクラブ。世代別日本代表やプロになる選手も沢山いたチームでこのようなミスをした自分が許せず、失望した。
そしてここから心の中の何かを失った。
練習に行って、ただのバックパスを受けるだけなのに心臓がバクバクと鳴り、試合でも自分のプレーに必死で声すら出せなくなった。
ボールが怖い。
サッカーが怖い。
サッカーをしたくない。
毎日夜寝れない。
ミスした瞬間がフラッシュバック。
寝れない。
このサイクルを繰り返していた。
友達と面白い動画やゲームの会話をしていた学校での時間だけがミスした瞬間を忘れられる時だった。
いつになってもサッカーを、ボールを怖がっていた私に監督は、「俺はあのミスを気にしてはいないけど、お前があのミスをまだ気にしてサッカーを怖がっているなら試合で使えないよ」
そう言われた。
もう切り替えよう、前に進もうと心に決めた。
でも私の心は変わることなく、夢であったプロサッカー選手を目指すという気持ちさえも消えていった。
そこからどんどんチーム内での序列も下がり続け、高校3年生になった時にはほとんど試合に出場していない。
でも私は悔しいという感情を持つことはなかった。
同い年のチームメイトがほとんどレギュラーで試合に出てないからという理由もあるが、1番の理由はサッカーが怖かったからである。
当時のキーパーコーチに「期待しているぞ」「プロになれる素質はある」など何回も励ましの言葉をかけて頂いたがその気持ちに応えることはできず、サッカーという恐怖から逃げながらただひたすら練習をこなすだけになり、気づいたらフロンターレユースでの生活が終わっていた。
そして大学では、両親にも友人にも学校の先生にもサッカーの監督、コーチにも「サッカーはやらない」と伝えた。だが、全員にやったほうがいいと言われた。
あー。サッカーなんて大学になっても続けるとかありえない。でも、周りには「絶対やったほうがいい、辞めたら後悔するぞ」と言われる。
携帯をぼーっと眺めている時、ご飯を食べる時、寝ようと目を瞑った時。
ずっとサッカーを続けるか続けないか考えていた。
両親とも何回も続けるか続けないかの言い合いもした。
言い合いをしている時、父がぼそっと言った。
「お父さんの夢は健輔が早慶戦のメンバーにベンチでもいいから入ってくれること」と。
親の苦労も知らず、自分勝手に生きてきた私。
私のために食事の準備や仕事、家事をしてくれている母。
私のために毎日一日中働いてくれている父。
高校生の時、プレーで恩返しせず自分勝手に生きてきた私がここでやめていいのか。
続けようかな。少しそう思った。
そして、ちょうどその時全国高校サッカー選手権を見た。
仲間のために全力で走る選手達。
ミスしても気にせず声を出し続ける選手達。
そして何より、楽しそうにサッカーをしている選手達。
よし、もう一度サッカーで高みを目指そう。
ミスなんて気にせず、純粋にサッカーを楽しもう。
両親に、監督、コーチに、学校の先生に、私に関わってくれている人全ての人に一度サッカーを嫌いになった私のサッカー姿を見せて、恩返しをしよう。
そう決めて、ランテストや仮入部(ランテストは10周走2回落ち、仮入部時はやる気ない・ふざけてる・なめてるなど言われたが)を乗り越えてサッカーをしている。
ア式に入って、サッカーをする理由を見つけ、サッカーを楽しむことができ、優しい同期や先輩方、心の底から私に寄り添ってくれるコーチに出会うことができた。
本当にサッカーを続けて良かった。
そしてこれからは自分自身のためだけでなく、試合に出場した私の写真を嬉しそうに、にやけながら見せてくる父(ちょっとうざい)や相変わらず部屋が汚いことに厳しい母(言い方優しくして)、どんなに夜遅くてもお腹を出してお出迎えをしてくれるラテ(自慢の愛犬)など、私に関わってくれている全ての人たちに私のプレーで恩返しをしたい。
いや、します。
そして、2つ目の目標。
それは、バカを卒業することである。
え?1つ目はあんな感じなのに2つ目はそんなしょぼいの?って思いましたか?
しょぼくなんてありません。私にとってはとても大事なことなのです。
私はバカである。
バカなエピソードはたくさんある。
コンビニに自転車で行ったのに歩いて帰り、家に帰宅後、自転車がないと騒ぎ出す。
下校時、学校の最寄駅でバッグを椅子に置いて友達と話し、そのままバッグを椅子に忘れ家に帰る。
サッカーの合宿で、キーパーグローブを忘れる。
川崎フロンターレジュニアユース入団初めての合宿で、朝目覚ましをかけたが、携帯の充電が減りにくくなるという理由で携帯の電源を消し、目覚ましが鳴らず寝坊。
これ以上書くとヤバいやつだと思われそうなのでここまで。
このように私はバカである。
だからこそ、サッカー選手としてだけでなく人として成長できるア式でバカを克服したい。
部則を破ったりや変なミスをしたりすると開かれる学年ミーティング。(経験すればわかりますが、同期から詰められるのは本当に辛いです。)
ア式はサッカーにだけ取り組んでいればいいという組織ではないからこそ、このような文化がある
そのおかげで最近はどんなことでも2回以上は確認するようになり、日々の練習も常に緊張感を持って取り組むことができている。
そんなア式で、日々ぼーっと何も考えず行動している私は人として成長していきたい。
宮地健輔はこの4年間でバカを卒業します。