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【#Real Voice 2024】 「目に見える成長」 1年・石場和馬


初めまして。スポーツ科学部1年の石場和馬です。

拙い文章ですが最後まで読んでいただけると嬉しいです。





突然ですが、私は早稲田生ではありません。





こいつは何を言っているのかと思う人が大半だと思います。



私は現在、同志社大学から交換留学という制度を使って早稲田大学の授業を受けています。

それに加えて今年度のア式蹴球部の活動に参加させてもらっています。


交換留学の制度や早稲田に来ようと思った理由について述べているので興味がある方はこちらも是非。


今回はア式に来てからの出来事や変化について書かせてもらいます。




仮入部

とてもビビっていたことをよく覚えている。
サッカーで何の実績もない自分がやっていけるのかとても不安だった。


しかし練習に行ってみると、問題はそこではなかった。


仮入部期間というのは自分がア式にどれだけ貢献できるかを示す期間なのだが、練習に参加する前は練習中に声を出しておけば大丈夫だと思っていた。
しかし、そんなことはここでは当たり前すぎることだった。


練習前の準備、自分のカテゴリー以外の練習の声出し、グラウンドの掃除やボール磨き。このようなことを1日中、1か月間やり続けてようやく入部できると知ったときは絶望を感じた。


サッカーを学ぶ前に人として一人前にならなければならないと知った。


何とか1か月間の仮入部に合格することができたときには嬉しかったのと同時に、人として一回り成長できたと思った。
また初めて親元を離れた生活だったので、洗濯や身の回りのことを一人でやるようになって親のありがたさを知ることができた。親への恩返しのためにもここでの生活を有意義な時間にしようと心から思った。




仮入部が終わってからもチームに貢献する場面はたくさんあった。本来は2年生にあたる年だがア式では1年生として過ごしているので練習の準備や片付け、試合のボールボーイなど仕事が沢山ある。面倒だと思う時もあるが、その1つ1つがア式の活動に多大なる影響を及ぼすので責任感をもって行動するようにしている。そのおかげで人間性の部分は仮入部の時からさらに成長している。
チームへの貢献を継続しながらも仮入部が終わってからはどれだけ自分が成長できるかを考えて過ごした。この組織は本当に意識の高い人が多い。練習中は自分のポジションが少しずれるだけでもとても注意されるし、パスをずらせばすごく怒られる。当たり前ではあるが、それほど高いレベルで今までやっていなかった自分にとって他人から強く言われることに最初は強く驚きを覚えたし、つらかった。


ここで早稲田に来る前の私について触れておきたい。
高校は兵庫県立西宮高校という高校出身だ。西宮という地名は聞いたことがあっても高校の名前自体は聞いたことがない人ばかりだと思う。全国大会に出たことはないしグラウンドも土のグランド。しかもサッカーと野球を同じグラウンドで行っており、サッカーコートの中に野球のマウンドがある。さらに照明もなく夜は体育館の明かりでサッカーをしていた。そんな高校で3年の時にずっとトップチームの控えだった。高校総合体育大会と全国高校サッカー選手権はスタメンのケガで試合には出れたが納得のいく3年間ではなかった。納得がいくまでサッカーしたいと思って入った同志社のサッカー部でも一番下のカテゴリー。年間のIリーグの出場時間はたった5分。そんな経歴の自分がア式で初めから通用するはずもなかった。


ここに来て感じた意識の高さは練習中に限った話ではない。練習後も各々が自分の課題に向き合って自主練をしていた。トレーニング施設も整っているので筋トレをする人も多く、みんな体が仕上がっている。そんな雰囲気に影響され、自分も筋トレを始めた。今まではやっても3日坊主だった筋トレが今では数か月続いている。まだ成果は出てはいないが結果が出るまで続けようと思う。




早慶戦

国立競技場での早慶戦。
試合の運営のほぼ全てを学生主体で行っており、試合だけでなく物品販売や縁日などもあり、ハーフタイムショーには川崎鷹也さんが来てくださるなどプロの試合さながらの雰囲気だった。
早慶両校の応援。ゴールが決まった瞬間の歓声。とても迫力があったし大学サッカーならではの熱気がありとても面白かった。




大学サッカーでこれだけの規模の試合は関西には無いし、日本でここだけだと思うので微力ながら関われたことはとても素晴らしい経験になった。
来年以降は一観客として見に来ようと思う。




社会人リーグ最終節

私は大学の登録の関係上、大学同士が戦う試合には出場できないので公式戦は社会人リーグしか出場できないのだが、それまで一度も試合には出ることができていなかった。
しかし9月29日、ついに試合に出るチャンスが巡ってきた。


集中応援ということもあり、東伏見のグランドには今まで見たことがないぐらいの人が押し寄せていた。
前節までの結果により参入戦が決まっていたので実質的な消化試合ではあったがア式に来て初めての公式戦だったことに加え、社会人リーグしか出場できない自分にとって参入戦でプレーするための一番のアピールの場であったのでいつも以上に気合が入っていた。


試合開始早々にPKで失点するもいつも通りのプレーを心掛けた。







自分のプレーで盛り上がってくれる部員、プレーしている真横から聞こえてくるエンゴロ和馬のチャント。とても恥ずかしかったがそれと同時にプレーできるありがたさ、喜びを改めて感じることができた。







そして前半30分、待ちに待った瞬間が訪れる。
左サイドで裏へ飛び出した自分に宮寺くん(3年・宮寺政茂)からパスをもらう。そのボールをマイナスに折り返し今西(2年・今西正之輔)がゴール。
リーグ戦初出場にして初アシストを記録することができた。





これは試合が終わってから聞いた話だが、その時アシストをしていなければ交代させられる予定だったらしい。

正直交代せられるようなプレーしかできなかったことは悔しいが結果を出すことができたのは私にとって自信になった。






これらの出来事はほんの一部に過ぎず、数えきれないぐらい書きたいことがある。ピッチ外ではゲームやアニメのキャラに似ているといわれたりおもんない関西人だと言われたり(分かってはいたけど正直ちょっと悔しい笑)、いろいろあるけれどみんな優しく接してくれてとても楽しい毎日だ。



しかしピッチ内になると一変。誰もがチームの勝利のために厳しいことを言い合える関係になる。そんなこの組織の雰囲気はとても好きだ。






だが、それだけでいいのか。






充実しているだけではいけない。誰が見ても「成長したな」と言ってもらえるようになって初めてこの組織に来た意味が生まれると思う。




今の自分がそれほどの成長をしていて、自信をもって同志社に帰ることができるかと聞かれるとそうだと言い切ることはできない。


攻守におけるプレーの精度、フィジカル、スピード、また人間性の部分に至るまでまだア式の誰にも勝てていない。






まだ足りない。
まだやれる。
もっと自分の課題に向き合う。
成長にもっと貪欲に、がむしゃらに。


それだけの環境がここには揃っている。世代別代表の経験者やユース、全国に出たことがある高校の選手がたくさんいる。素晴らしい指導者もいる。サポートしてくれる人もみんな志が高く同じ方向を向いている。
ここで成長しないともう次はない。






あと半年、胸を張って「成長した」と言ってもらえるようにやり切ります。



次のブログは、福田新太(1年・県立清水東高等学校)です。
静岡愛がとても強い彼はよく兵庫県出身の私とどちらがより魅力的な県かを議論しています。そんな彼ですが普段はアナリストとしてトップチームの試合の分析などをしており、ア式を陰ながら支えるとても頼もしい存在です。選手ではない彼だからこそ書けるきっと素晴らしい部員ブログになるに違いありません。お楽しみに!


◇石場和馬(いしばかずま)◇
学年:1年
学部:スポーツ科学部
前所属チーム:同志社大学(交換留学)

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