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【特別企画】 ア式✖️応援部 3年生対談〜コロナと共に歩んだ私たちの3年間〜 <前編>

ア式:植村洋斗(ウエムラ ヒロト/プレーヤー)
           サムネ画像 右から2番目
   藤間英吉(トウマ エイキチ/マネージャー)
           サムネ画像 右端
応援部:永井武尊(ナガイ タケル/リーダー)
              サムネ画像 中央
               平賀小絢(ヒラガ サアヤ/吹奏楽)
               サムネ画像 左から2番目
               武田彩加(タケダ アヤカ/チア)
     サムネ画像 左端

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応援する側と応援される側。そんな応援部とア式蹴球部との接点は例年早慶戦に留まってしまっているという現状がある。
コロナ禍で応援の形に制限がかかるこのご時世だからこそ、交流を深め、互いの組織について知り、もっと「サッカー」というスポーツの中に「応援」を取り込んでいきたい。そんな思いからこの対談が実現した。

活動に制限がかかる日々の中で、彼らは今何を思うのか。今回はまさにコロナ禍に入学した3年生に話を聞いた。

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ーーそれぞれ自己紹介からお願いします

藤間:スポーツ科学部3年の藤間英吉です。ア式蹴球部でマネージャーを務めています。よろしくお願いします。

植村:同じくア式蹴球部で選手をしています。スポーツ科学部3年の植村洋斗です。よろしくお願いします。

ーー続いて応援部の方々よろしくお願いします。

永井:早稲田大学応援部リーダー3年の永井武尊です。文学部です。今年度のア式応援のプロジェクトチーム担当を務めさせていただきます。よろしくお願いします。

武田:早稲田大学応援部チアリーダーズ3年の武田彩加です。文化構想学部です。永井と同じく、ア式応援のプロジェクトチームを担当しています。よろしくお願いします。

平賀:スポーツ科学部3年の平賀小絢です。私は吹奏楽団に所属しています。2人と同じく、ア式応援のプロジェクトチームを担当しています。よろしくお願いします。

ーーありがとうございます。次に、お互いの部の印象を1人ずつ教えてほしいです。

永井:中学生までサッカーをしていて、早稲田大学ア式蹴球部は大学サッカーの中でもとても強いという印象があります。例えば…自分は熊本県出身で、ア式にも同じ熊本県の大津高校出身の水野雄太選手(スポ4/熊本県立大津高等学校)がいると思うんですけど、そういった上手な選手がいたり、この2年間の戦績を見ても、やはり強いなと感じます。

他には、非常に統率されているという印象を受けました。とてもまとまりがある組織だなと思います。

ーー応援部からもう1人聞いてもいいですか?

武田:永井が言っていた印象とほとんど同じなんですけど、私個人としてファジアーノ岡山が大好きで。

植村:田中雄大(令和4年卒)ファンか(笑)。

武田:今年度からア式出身の方がファジアーノに行っていらっしゃると思うんですけど、それもあってア式の選手情報だったりホームページをよく見ています。

ーーちなみに今年の注目選手は誰ですか?

武田:え、(植村選手って)言った方がいいですか?(笑)

植村:いや、ぜんぜん大丈夫です(笑)。

武田:えー難しいな。ゲキサカとかを見ているんですけど、同学年だったら奥田陽琉(スポ3/柏レイソルユース)選手とか…。

ーー植村選手は選ばれませんでしたね。

植村:頑張ります。

藤間:あんま気にしないで。

植村:気にしてないよ(笑)。

武田:でもみなさん凄いなと思います。

ーーア式から見た応援部の印象はいかがですか?

植村:早慶戦で言えば、ピッチに入っているときに聞こえる応援というのは凄くになりますし、そういった面でとてもありがたい存在だなと思ってます。あとは、シンプルにかっこいいなと思います。

◯「コロナ禍」での入部


ーーありがとうございます。では次に、コロナ禍という難しい状況の中で部活動に入ることを選んだ背景をお聞かせください。

植村:自分はスポーツ推薦という形で早稲田大学に入りました。決断したのは高3の6月です。本当は高校卒業後すぐにプロになりたかったんですけど、なかなか決まらない中で早稲田から推薦が来ました。

練習参加した時にア式蹴球部のサッカーや一人ひとりの取り組んでいる姿勢が刺激的で、ここでの4年間でまた成長してプロになりたいと思って来ました。

藤間:高校サッカー部の同期に既に自己推薦で早稲田に決まっている人がいて、受験期間にその人から「ア式でマネージャーやってみない?」って言われて。そこから少しずつ意識しました。

ーー受験期間中からア式に興味を持たれていたんですね。

藤間:そうですね。その後、実際に受かってから連絡を取ったりして入部を決めました。

なんで自分がマネージャーに興味を持ったかっていうと、体育会っていう組織は自分が人間として一番成長できるところだと思っていたからです。あと自分が好きなサッカーにもっと本気で関わりたいなと思いました。

ーー見学に来てから活動停止もあったと思いますが、ア式への気持ちは変わらなかったですか?

藤間:変わらなかったね、全く。むしろ楽しみだった。早く来ないかなーって。

ーーちなみに自粛期間中は何をしてましたか?

藤間:家で兄ちゃんと遊んでた。ウイイレしてた(笑)。

ーー応援部の方々はいかがですか?

平賀:私は高校時代までずっと陸上をやっていました。それもあってスポーツに興味がありスポーツ科学部に入学しました。

大学に入ってまでスポーツを続けられるレベルでもなかったので、どうせなら新しいことを始めてみようかなと。夏前とか7月くらいになってから探し始めたんです。

ーー応援部に決めた理由はなんだったんですか?

平賀:コロナ禍で自粛ムードの中でも、SNSを積極的にやっていたのが応援部で。それで目に入って、見学に行ってみようと思ったのが一番最初の出会いでした。

サークルも見に行ったんですけど、やっぱり応援部のほうが…。元々スポーツが好きでしたし、自分が今までスポーツをやってきて応援されることの素晴らしさを直に感じてきたので、応援部に入ることに決めました。

ーーありがとうございます。武田さんはどうですか?

武田:私は7月ごろに応援部の存在を知って、そこから検討し始めました。新歓の時期にサークルも見ようとしましたが、当時大学の規制が厳しく、そもそも新歓活動がされていなくて。

そんな中でも応援部はできることを精力的に行なっていて、目に留まりやすかったなという印象でした。

ーー応援部のチアを選択された理由はなんですか?

武田:高校生の時にオープンキャンパスに行って、応援部のチアの演技を見た時に、かっこいいなと思って。高校の時にチアの経験はなかったんですけど、新しいことを始めたいなと思って入部しました。

ーー高校の時スポーツは何かやられてたんですか?

武田:高校の時は楽器をしていたので、全く関係なかったですね。でもスポーツ観戦が好きでしたし、明治神宮のような大きなスタジアムで踊ることができる経験がすごく貴重だなと思いました。

ーーありがとうございます。では永井さんお願いします。

永井:自分は推薦で大学が決まったので、年が明ける前に入学は決まっていました。その時はサークルを探そうかなと。

どうやって探そうかなとかいろいろ考えてた時に、高校の時応援団に入っていたので、Twitterで「応援部興味ある人いませんか?」みたいな感じで呟きました。それをたまたま応援部の新歓の方が見つけてくださったんです。

ーー皆さんおっしゃっていますが、応援部は新歓活動が盛んなのですね。

永井:そうですね。大学の応援部は高校と違い、規模が大きいなと感じました。その中で早稲田大学の1つの魅力である早慶戦において、「応援」という形で関わるような熱い体験をしたいと思って応援部に入りました。

◯やりがいの裏にあった葛藤

ーーなるほど、熱いですね。では次にやりがいや手応えを感じた瞬間、逆に上手くいかなかったことについてお聞きしたいです。

永井:応援してる試合で勝つというのが1番達成感があります。その上でその日の応援がよかったって思えると、自分たちの応援がになったかなって感じることができて、当初はそれがやりがいだったなと思います。

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リーダー:3年・永井武尊


ーー逆に上手くいかなかったこととか、悩んだことはありましたか?

永井:応援をすることによって試合の結果が変わるのかというところで悩みました。実際に戦っているのは選手の方々で、勝敗と応援とが関与しているかと言われると難しいなと思います。

勝ったとしても「応援が力になっているのかな」と思ったり、「選手の方々が頑張ってくださったからこの試合勝てたんじゃないか」みたいな。

ーー達成感の裏には葛藤もあったということですね。

永井:そうですね。自分たちの応援が力になっているのかっていうのが目に見えてわかるかと言われればそうではないので、難しいなと思いました。

ーーありがとうございます。この「コロナ」という特殊な状況の中での不安などはありますか?

永井:応援をする機会というのがすごく減ってしまったことです。今まで行けていた応援活動によって持つことができていた繋がりが、どんどん失われてしまうんじゃないかなと不安でしたね。

ーーありがとうございます。次に、武田さんお願いします。

武田:試合終了後に選手や観客の方々から「応援よかったよ」とか「応援が力になった」とか言われると、すごく嬉しいし、やりがいを感じます。3年生になって、応援方法の具体案を出し、実際に観客の方と一緒に応援できるのが楽しいです。

試合会場全体が盛り上がり、少しでも応援が試合全体の役に立てたらいいなという気持ちでやっています。

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チアリーダーズ:3年・武田彩加

ーー逆に上手くいかなかったことはありますか?

武田:思っていた応援と違ったり、あまり機能しなかった時は、やっちゃったなと思うことがあります。今のコロナ禍ではコロナ以前の応援方法を引き継ぐだけでは、あまり上手くいかないこともあります。

ーー引き継ぎにおいて何が1番困りましたか?

武田:応援の機会が減ったことですかね。コロナ禍以前は観客の方と一体になった声出し応援や、フィールド上で演技ができていました。でも、今はそれができない状況で、自分たちには何ができるんだろうっていうのがすごい不安に思いました。


ーーコロナ禍で感じた不安などはありますか?

武田:試合の応援にたくさん行きたいなっていう思いで入部したのに、応援の機会が減っちゃって。行けたとしても選手や観客の方との距離がある応援で、「自分たちの存在意義とは?」とか思っちゃったことはありました。

ーー平賀さんはどうですか。

平賀:やりがいとしては、観客の方との一体感を感じられる瞬間ですね。あとは、実際に選手にお礼を言っていただけた瞬間に、今まで応援してきてよかったなって思います。

吹奏楽団で言うとコロナ禍で、リーダーとチアだけ派遣で、楽団は来なくていいよみたいなのが多くて。実際に応援に行っても、事前に録音したものを試合展開に合わせて流すみたいなことが多いです。

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吹奏楽団:3年・平賀小絢

ーー昨年の早慶戦もそのような形でしたよね。

平賀:音が流れてるだけでいいなら録音でいいと思うし、その方が絶対に(ミスなく)流せると思うので。

それでも、楽団が実際に現地に行って生で演奏することの意味はなんなんだろうなということをすごく考えるようになりました。まだ答えとか出てないんですけど。


ーー実際に現地に行って吹いたことは何回くらいありますか?

平賀:野球の応援とバレーの応援、早慶サッカーは行かせていただきました。

ーーそんなに多くはないんですね。

吹奏楽:例年に比べたら本当に少なくて、半分以下みたいな感じにはなっていると思います。

ーーちなみに応援部の人数って大体何人いらっしゃるんですか?

平賀:現在は、楽団40人、チアは50人、リーダーは26人います。

ーーやはり3年生以下はコロナ世代ということもあって少ないですか?

永井:1個下は結構いるんですけど、3年生はかなり少ない感じです。

ーー人数が少ないと1人ひとりの仕事の負担が大きくなりますよね?

武田:そうですね。チアだったら1個上(の代)は役割が大体1人1個という感じなんですが、私たちの代は1人で3個とかですね。

平賀:うちもそう。

ーーありがとうございます。ア式の2人は実際に部活に入ってみていかがでしたか?

植村:手応えを一番感じるのは試合で勝った時です。勝負の世界なんで。

あと、プレーしている中で生まれた課題に向き合って、結果が出せた時とか良くなってるねっていう声をもらえると、すごく自信になっているなと思います。

ーー印象に残っている試合はありますか?

植村:やっぱり早慶戦ですかね。自分の調子が良かったのもありますし、あの応援や観客の中でプレーできるのは大学では早慶戦だけだと思うので、すごく良かったなと思います。

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3年・植村洋斗(日大藤沢高校)

ーー逆に上手くいかなかったこととか、この試合はダメだったなみたいなのはありますか?

植村:チームとして言えばチームのやりたいサッカーができなかった時ですね。個人では去年の前期の方は試合にあまり絡めなくて、選抜活動などから帰ってきて試合に出れなくなった時に、なんで出れないんだろうとかすごく考えさせられました。

去年の前期はすごく悩んだ中でそれが段々と実ってきて、後期は早慶戦に出るなど結果として現れたので、悩みながら成長してきたなという感じです。

ーーコロナの自粛で辛いなと思ったことはありましたか?

植村:チーム的に見たら活動停止して、(チームとして)合わせられなかったことです。そんな中で、明後日(3月24日)天皇杯予選がありますし。個人としてはあまりないですけど、チームとして見たら、そういうところは大変だなと思いましたね。

ーーありがとうございます。藤間さんはどうですか?

藤間:マネージャーとしてのやりがいは、練習中とかピッチ内で選手と一緒に練習してるなと感じているときですね。あとは何気なくありがとうとか言われると嬉しいなと思います。

植村とかいつもツンツンしていてあんまり言わないんですけど、たまにサンキューとか言ってくれるのでその時は嬉しいですね。

一同:(笑)

ーー藤間さんは審判もやっていますよね。

藤間:やれることを探していたら、僕が1年生の時の4年生に審判をしている人がいて、「審判やってみない?」と声をかけてもらいました。やってみたらいい感じにハマちゃったという感じです。

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3年・藤間英吉(鎌倉高校)

ーーありがとうございます。早慶戦はいかがですか?

藤間:先輩マネージャーとかは早慶戦を結構楽しいとかやりがいを感じていると言っていたけれど、練習外の孤独な作業が多くて。孤独な作業があんまり好きじゃないので、そこは課題だったりはしますね。もっと頑張りたいなと思う反面、頑張れないっていうのは大きいです。


ーー活動の中で上手くいかなかったことはありますか?

藤間:たまに自分何やってるんだろうって考える時間がありますね。練習中に立ってるだけの時間とかもあって、そういう時は自分にできることってこれしかないのかなって思います。その時は上手くいってないなと思います。

ーー3年生になってもまだ思うことがあるんですか?

藤間:まだ思うし、これからもずっとあると思う。それを消しながら頑張ってます。

ーーコロナ禍で特に辛かったことはありますか?

藤間:自粛期間は入部していなかったので、そういった事はありませんでした。去年活動が停止になりましたが、寮にア式の部員がいたのでそれはそれで楽しかったのはありますね。

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次回は早慶戦について掘り下げていきたいと思います。
応援部もア式も一体となって力を入れている早慶戦。コロナ禍で行われたことによる様々な苦悩や葛藤を語ってくれました。
乞うご期待です。後編もお楽しみに。

(インタビュー:佐藤慧一、編集:平山怜央・渡邊朋恵)

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植村洋斗(うえむらひろと)
学年:3年
学部:スポーツ科学部
前所属チーム:日大藤沢高校
藤間英吉(とうまえいきち)
学年:3年
学部:スポーツ科学部
出身高校:鎌倉高校




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