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【#Real Voice 2022】 「愚問」 3年・中谷颯辰

当時2年、インカレ1回戦敗戦後。
西尾(4年・西尾颯大)が急に「俺って天才じゃね?」と聞いてくる。
瞬発的に「いや俺だろ」と返す。
こんなくだらない問いに真剣に頭を悩ませることはないだろう。


時に思考は障害だ。
一人で頭を悩ませ答えを出そうとするが、思考は無限に発生する。
期限ギリギリの課題は、誰かに教えを乞うたり、書籍を漁ったり、ネットを使ってみたり、はたまた諦めてみたり。
悩みや不安は、なぜか自分の頭の中で収束先を探し続け、時々見え隠れする答えらしきものに感情を左右され、障害となる。
課題との違いは期限がないことぐらいだ。

考えるなと言っているわけではない。
だが、少なからずこの世界には答えのないものや答えを探すことが極めて難しいものがある。
それは人それぞれである。

もし今頭の中にある悩みや不安があるならば、それらを今の私たちでは解決できない。
これまでの人生で培ってきた知識や経験では答えを見つけ出すことができない。
小学生や中学生の頃に頭を悩ませていたものなんて大学生になった今考えてみれば簡単に解決できることで、もっと言えばどんなことに思考を巡らせたかを思い出すことさえできない。

この部員ブログだってそうだ。
書く内容もテーマもそれぞれに任せられている。
それほど多くないルールの中で自由に書けばいいだけだ。
答えはない。
何も悩む必要はない。

とは言いつつも、ア式蹴球部という組織で3年間過ごしていくうちに、1年次に書いたnoteにもあるように感覚人間だった私でも少しは考えたりすることも増え、少し成長したのかなと感じる。
でも、周りに流されるままなんとなく変わってしまった自分にむかついたり、たまに見える変わっていない自分に少し安心感を覚える。

4年生が引退し、最高学年となり、天皇杯予備予選が始まった12月。

役職なども全て決定し、多くの同期が明らかに変わっていく。
「みんなすごいなあ」
「俺はどうすればいいんだろう」
こんな感情が湧いてきた。

初めてかもしれない、思考が無限に入った気がした。
答えがわからない、、、

確実に思考が障害になっていた。

別に気にしているつもりはなかったのに、練習中も試合中も気が緩むと無限に引き摺り込まれる。

1ヶ月間があっという間に過ぎた。
なんとか天皇杯予備予選は通過することができたが、個人としては過去最低だったかもしれない。

しかし、オフに入り、多くの人と会って会話していく中で、無限の収束先も見えた。

まあ初めての無限の思考も悪くなかった。

最後の1年、
チームとして1部昇格、個人としてプロ。
考える必要はない。

◇中谷颯辰◇
学年:3年
学部:基幹理⼯学部
前所属チーム:静岡学園高校

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