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【#Real Voice 2024】 「自分次第」 1年・小西碧波

こんにちは。
この度部員ブログを書かせていただきます。
社会科学部1年の小西碧波です。
拙い文章になっていますが、最後まで読んでいただけると幸いです


私がサッカーボールを蹴り始めた3歳から約16年間。多くの楽しいこと、悔しいこと、悲しいことを経験することができた。その中でも最も多くのことを経験し、多くの学びを得られた高校3年目を、このブログに記述したい。



私は所属していた桐光学園でインターハイ準優勝という結果を残すことできた。インターハイが終わった8月に早稲田大学の自己推薦入試受験を決意したが、ここから卒業までの期間は人生で最も苦しい時期だった。
私は当初、スポーツ科学部と社会科学部を併願で受験しようとしていた。落ちたらどうしようという不安から他の滑り止めの大学も受けようと考え、とにかくいろいろな大学に手を伸ばした。多くの大学は早稲田よりも出願時期が早かったため、他大学の資料作りに時間を割き、本命の早稲田の対策をできていない自分がいた。チームメイトがスポーツ推薦や指定校で進路を決め、冬の選手権に向けてサッカーに集中しようとする中、私はひとりサッカーと勉強の両立に苦しみ、どちらも中途半端になっていた。


また、スポーツ科学部の受験日は選手権の準決勝の日と被っていて、どちらかを切り捨てなければいけない状況だった。進路に不安を抱いていた私は、選手権準決勝を欠場するという決断を下した。
しかし、この決断は自分をより中途半端にさせた。


両立することの大変さに苦痛を感じていた私は、サッカーが上手くいかなくなれば、
「受験勉強が忙しいから」、勉強が上手くいかなくなれば、「こんな忙しい時期にサッカーもやってるんだから仕方ない」と自分を甘やかす逃げ道を作った。そこから私のプレーはみるみる悪化していった。


選手権に出るために桐光学園を選んだ。サッカーをするために早稲田大学に進学することを選んだ。それなのに、サッカーを切り離そうとした自分がいた。



チームとしても思うように結果が出ない時期が続き、メンバー変更が行われ、私は後輩にスタメンを奪われた。


苦しかった。


それなのに、「勉強とサッカーの両立が難しい」、「忙しい」 そういって自分を正当化している自分がいた。


幼い頃から楽しいと感じていたサッカーがいつしか、
やらなければならないもの
に変わっていた。


試合に出られない原因が自分にあることを認められず、苦しくても頑張っていることを理解してほしいという受け身の姿勢に変わっていった。


そんな私の弱い心を変えてくれたのは玉井さん(玉井智久コーチ)だった。
スポーツ科学部と社会科学部を併願するか、社会科学部を単願するか迷っていた私に、玉井さんは“決めと覚悟”という言葉をラインで送ってくださった。


「自分が決めた選択を成功に変えればいい。そのためには決めと覚悟が必要だ」


この言葉に私はハッとした。
物事をネガティブに捉え、最悪の事態が起こるかもしれないからと変化を恐れている自分を変えられたのは、この言葉があったからだ。
選手権が始まる2週間ほど前、私はスポーツ科学部の受験をやめ、社会科学部合格と選手権出場の両方を掴みにいくと決断した。



しかし、現実はそう甘くなかった。


一定期間自分を甘やかし続けたことで私の競技力は低下し、思うように結果が出ない、やろうと思っても力が出せない日々が続いた。


それでも諦めなかった。朝は満員電車に揺られながら小論文対策のネタ本を読み、学校に着いたら友達と話すこともなく新聞記事の要約を行い、サッカーに全力で取り組む。練習が終わったら、誰よりも長く自主練をして走って更衣室に行き、電車に飛び乗る。帰りの電車は面接対策を行い、家に帰ったら急いでご飯を食べて、玉井さんとオンラインで面接練習をする。忙しない生活を日々繰り返すことで、他人を羨んだり、未来に不安を感じる時間もなくなり、サッカーと受験勉強だけに集中できる毎日を過ごすことが可能となった。


それでも、選手権直前の練習試合のスタメンに自分の名前はなかった。


日々積み重ねていたことがアホらしくなった。
「心も入れ替えたのにまだダメか」、「結局両方うまくいかない人生なのか」
自分の心をネガティブな言葉が埋め尽くした。
自分のプレーは上がっているのに使ってもらえない。
不甲斐なさをまた味わった。
そして選手権が始まった。


初戦の相手はかなりの格下でチームメイトの多くは、余裕を見せていた。
でも、私はこの雰囲気が危険だと感じていた。私がスタメンにいれば、仲間に厳しく伝えることができたが、伝えられる立場に私はいなかった。伝えたいのに、伝えられない。そのもどかしさを感じながら、グラウンドに向かった。試合は私の予想通り相手にリードを許す形となった。失点をした時、がむしゃらにベンチから声を出す自分がいた。


チームが本気で勝って欲しいと願う自分がいた。そして気付いた。
サッカーはチームのためにやるものだと。犠牲心が足りていなかったと。自分ひとりのための選手権ではないと。
結果的にチームは勝利し次の試合に駒を進めたが、何よりも私が自分よがりの考えから殻を破れた価値ある一試合になった。


その日からサッカーへの向かい方も変わった。人目も気にせず自主練習をするのではなく、チームメイトと会話をしながら自主練をし、チーム練では誰よりも声を出す、練習の片付けを率先して行う。受験期に迷いながらプレーしていた自分とはまるで別人になった。


その1週間後の準々決勝。まだスタメンに私の名前はなかった。
それでもベンチからできることを最大限しようと思っていた。
なかなかゴールが決まらず、0対0で拮抗した85分ごろ。


ついに私の名前が呼ばれた。


私がピッチに入ってからも時間は刻一刻と進み、アディショナルタイムが提示された。
誰もが延長を予想しただろう。
ラストワンプレー。
キーパーがゴールキックを蹴り、フォワードが競り合う、セカンドボールをサイドハーフが拾い、アバウトなボールをゴール前に入れる。
そこに走り込んでいたもう1枚のフォワードがシュートを打ちこれがゴールに決まった。痺れた。今まで感じたことのない喜びが私の身体中を満たした。


そのまま試合終了のホイッスルが鳴り、試合が終わった。


自分が真摯になって現状を受け入れ、殻を破ったからこそ、この気持ちを味わえたんだと強く思えた瞬間だった。
その次の週の準決勝に向け行われた紅白戦でついに私はスタメンに戻った。
溜め込んでいた苦しさや、悔しさ、怒りを全てぶつけてやろうと強気でいたし、自然と負ける気がしなかった。


試合結果は1-1 PK負け。


無情にも神は私にチャンスを与えてくれなかった。
スポーツ科学部を切り捨てて挑んだ選手権は儚く散った。
受験もこのまま失敗して終わるのだろうか。
やっぱりこうゆう人生なのか。
乗り越えた先のすぐ先にまた壁。
そんな時にこのブログに出会った。



選手権に負けて、私の心はズタボロだったし、受験に向けてのモチベーションはとうになかったが、それでも前に進む勇気をこのブログからもらえた。


試験当日の小論文は過去の問題と比にならないくらい難しく、そこでも焦りが生まれたが、このブログを思い出して大丈夫だと言い聞かせた。

試験日の11月19日から合格発表日の12月15日の間にも様々なアクシデントがあった。あと一歩で掴みきれなかったリーグ昇格などなど、多くのネガティブ要素が私の心を揺るがせた。それでも自分を信じて前を向いて生きた。



12月15日、私は早稲田大学社会科学部に合格した。



幾度となく立ちはだかった壁の先にようやく光が差し込んだ。
私の全ての行動が報われた気がした。



これだけ命懸けで早稲田大学に入学した自分は、ア式蹴球日に入部した自分は、今も命懸けで戦えているのだろうか。当初はほとんどの試合にスタメン出場していたFCリーグの試合も出れない時期が続いた。夏休み期間中にトップに行くという目標も達成できていない。今、私は“決めと覚悟”を持って生活、行動できているのだろうか。


あの頃のように、息をするのと同じくらい何かを「欲しい」と欲しているだろうか。
短期間に何度も谷と山を繰り返すような日々を過ごしていた私にはわかる。



全ては自分次第だと。



自分の未来は、自分の決断と行動でしか変えられない。
将来、動き出そうとしたって、歳をとれば動けない体、脳になっている。
やるなら今しかない。


もっともっと本気にならなければ掴めない。
誰よりも貪欲にやらなきゃ掴めない。



言葉ではいくらでも書ける。過去の栄光を語るのだって誰にでもできる。
だから、結果で見せる。


そして、私と同じ時間に起きて、私の弁当を作って、私がやりっぱなしにしていった事の後始末を何気なくやってくれて、苦しい時は共に泣いてくれて、嬉しい時は誰よりも喜んでくれる両親に自分の成長した姿を見せたい。


私を早稲田大学に入学させてくれて、私に真剣に向き合ってくれて、決めと覚悟の大切さを教えてくれて、私を常に支えてくれた玉井さん、能力のない私を拾ってくれて、ここまで根気強く育ててくれた小学校、中学、高校の監督、コーチ、トレーナーの方々に、結果で感謝の気持ちを伝えたい。


あのブログのように、誰かの支えになり、誰かの力になり、誰かの原動力になる存在になりたい。



そのためにどんな行動をするべきか
全ては自分次第。







長くまとまりのない文章になりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。


次回のブログは昨年の早稲田実業の選手権出場に大きく貢献した岩間一希(1年・早稲田実業学校高等部)です!
センターバック、サイドバック、ボランチをこなせるオールラウンダーな岩間。豊富な運動量で攻守ともに活躍できる選手です。ピッチ外ではとにかくニコニコ明るく、誰にでも優しいからたまりません。
そんな岩間のア式にかける思いがブログに記される事でしょう!
みなさんお楽しみに!


◇小西碧波(こにしあおば)◇
学年:1年
学部:社会科学部
前所属チーム:桐光学園高等学校


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