![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65125796/rectangle_large_type_2_79206ce52b98d810b188c2ad91b88e7e.jpg?width=1200)
【#Real Voice】 「大切にしていきたいこと」 4年・宮脇有夢
大学に入学して、もう4年が経とうとしている。
入学当時はまだ18歳だった私も気づけば22歳になり、立派な成人である。
この4年間で色々なことが起こり、変化していった。
でもその中で、この先何が変わろうとも大切にし続けていきたいことができた。
この最後の部員ブログは、今まで周りの人には話してこなかった自分の話を、そしてこれからの人生で大切にし続けていきたいことについて書いていく。
大学4年間は色々なことがあった。
人の人生には嬉しいこともあれば、時に本当に悲しいことが起こる。それが私の人生にも起こった。
大学2年の夏、私の母親は病気で他界した。
突然だった。
いや、いつかこうなることは分かっていた。母親は持病があり、私が高校生の頃から何度か病状が悪化し入院することもあった。また、母親の病気が悪化していっているのは知っていた。
だけど、大学生になってからも元気な時は私の試合を見に来てくれていたし、家でもいつも楽しく話していた。
だから、きっとこのままの日々がずっと続くと心のどこかで思っていた。
しかし、私が大学2年の夏頃から病状が急に悪化し、入院することになった。そこから、回復は見込めず、夏休みに入った頃、母親は息を引き取った。
大好きな母親がいなくなってしまった悲しさと寂しさに押しつぶされて、耐えられなくなった。
そうして、気づけばずっと母親のことを考えていた。
一緒にひまわり畑に行った時のこと。
毎日家で一緒にご飯を食べていた時のこと。
犬と母親と3人でソファーに寝転んで昼寝をしていた時のこと。
そんな当たり前だったことが、たくさん浮かんできた。
でもその当たり前はもう存在しない。その現実に悲しさばかり感じていた。
その時に思い出したのが、母親が前に言っていたこと。
「私はあなた達3人(兄弟)を生んで、こんなに大きく育ってくれて本当に幸せだし、他にも沢山幸せなことがあったの。だからね、病気になったからって、可哀想な人だなんて思われたくないの。」
病気という辛く悲しいことに負けず、母親は沢山の幸せを感じて人生を強く生きていた。
また、私が当たり前に感じてしまっていることに本当に幸せを感じていた。
それから、今自分にあるもの、当たり前にしてしまっているものから幸せを見つけて生きていこうと思った。
そう考えてから、ジョー(愛犬)の散歩をしていると、毎日当たり前にある散歩を楽しそうにするジョーすらも、当たり前にある日常の幸せさを教えてくれているようだった。
そして、その時感じたことを大学2年の時の部員ブログに書いた。
当たり前に起きていること、していることを当たり前にせず、幸せを感じること。そしてそれに感謝すること。
それが1つ目の大切にしていきたいことである。
そして、もう1つ。大切なことを知った。
それは、愛情である。
私は、寂しさに押しつぶされそうになった時、多くの人に助けられた。
声をかけづらいだろうに、声をかけてくれた友達がいた。そして、ずっとそばにいてくれて寂しさから助けてくれた人がいた。
ありがとう。本当にありがとう。
弱すぎるし、1人じゃ何もできない自分に、勇気をくれたのは、多くの人からの愛情だった。
愛情なんていったら気持ち悪いかもしれないし、別に愛情をくれた訳ではないのかもしれない。だけど、人がくれる勇気は本当に大きいものであると感じた。
だから私もこの先の人生、周りの人に、大切な人に愛情を注いで生きていきたい。
これが2つ目の大切にしていきたい事である。
そして、この愛情とはサッカーをする上でも大切なことだったのかもしれない。
昨年の部員ブログで、ありのままの自分で頑張ろうと意気込んだ大学ラストイヤーがもうすぐ終わる。
私は今シーズンの多くの時間をBチームで過ごした。特に、Iリーグのカテゴリーで試合に出場することが多かった。
今年の早稲田ではトップチームの1つ下のカテゴリーの選手がIリーグに出場した。各々がトップチームに上がるために良いプレーをしようと頑張っていた。しかし、開幕4試合勝つことができなかった。各々が自分のためだけに頑張っても勝つことはできないと痛感した。
そうして迎えた5節桐蔭横浜大学戦。
試合前のミーティングで、「Iリーグ」を「愛リーグ」と書いて、仲間への愛を持って戦おう。全員でそう意気込んで試合に入った。
普通に考えたら、勝つために愛が必要だなんて訳のわからないこと。
だけど、その試合はみんなが仲間のために走って戦った。
失敗してもカバーして、声を掛け合った。
全員がチームのために、仲間のためにプレーした。
だから、勝つことができた。また、Iリーグはそこから3連勝することができた。結果的に目標であるIリーグ日本一を達成することはできなかったが、最後まで全員がチームのために戦った。そして、サッカーでも愛が大切であるということを知った。
ア式にいると、周りと比べて自分なんて大した人間じゃないと考えてしまうことがある。しかし、全員が特別な存在であり、かけがえのない存在である。たしかに、1人では何もできないかもしれない。だけど、愛情が人と人を繋ぎ、プレーを繋げる。そうすることで、全員が輝くチームになる。
本当に強いチームとはそういうチームであると大学4年目で感じた。
改めて
この先の人生も色々なことが起こり、変化していく。
しかしどんな時も、当たり前に起きていること、していることを当たり前にせず、幸せを感じる心の豊かさと感謝の気持ち持つこと。そして、周りの人を大切し、愛情注ぐこと。
このことを大切にして生きていこう。
最後に
今までお世話になった方々、応援してくださった方々、本当にありがとうございました。
そして何より、一緒にプレーし、戦ってくれた同期や後輩、先輩の方々本当にありがとうございました。
そして、まだ今シーズンは終わっていません。
最後全員で笑って終われるように、残りの期間全力で戦い、駆け抜けます。
◇宮脇有夢(みやわきあるむ)◇
学年:4年
学部:文化構想学部
前所属チーム:早稲田実業学校高等部