「全て自分次第」 1年・奥田陽琉
俺は今、怪我をしている。
両肩の手術を行った。
左肩は7月22日に。
右肩は8月12日に。
手術をしてからは全部で2ヶ月くらい自宅で過ごしていた。
起きて、朝ごはん兼昼ごはんを食べ、YouTubeを見たり、サッカー見たり、リハビリしたり昼寝したりして夜を迎え、夜ご飯を食べ、お風呂に入れてもらって、夜更かしして寝る。
夜更かしというか疲れないから眠れないのもあるが、正直に言うと寝るのが怖かった。
どの怪我もそうなのかもしれないが、朝が一番痛い。
雨の日の朝なんて、最悪。
そんな日々を過ごしていた。
毎日同じような日々の繰り返し。
そんな日々も1週間くらいすると痛みがだんだん無くなり、出掛けたりすることが可能になった。
休みに俺を連れ出してくれる、家族や友達。こういう時に寄り添ってくれる人は本当に大切にしなきゃいけないなって改めて思う。でも、その人達にいつまでも頼ってはいけないなって思ったのも本音。
よくこんな言葉を耳にするだろう。
「1人で抱え込むな」
「友達や仲間に頼れ」
「なんかあったら相談してこい」
でも、これって誰か他の人がいなくなって、1人になってしまった時、どうするんだろう。もちろんそういうことで救われる時はあるけど、俺は自分だけで解決できるようになろうって考えるようになった。
右肩手術から約1ヶ月後。
9月8日。
東伏見に帰ってきた。
こんなにピッチを離れていた俺に声をかけてくれる先輩方、同期。
リハビリの輪ゴムを馬鹿にしてくる先輩。
あとどれくらいかかるのかを聞いて、残念そうにする人。
寮に戻れば、りーた、ふじもん、ひろと、おぐ、今はいないけど平松がいる。
一緒にやるマリカーやスマブラ。
ずっと1人でいたから、ここはこんなに楽しくて心地いい場所だったんだと思った。
でも同時に
ここにいたら、人に流され、楽しいことを選び、自分に甘え、何も変わらないまま、復帰するかもしれない。何も成長なく、ただ怪我をして復帰するだけは絶対に嫌だった。何か1つでも変わって復帰したい。1秒だって無駄にする時間はない。だから、グラウンドでは基本的に1人で過ごすようになった。
練習をしてる人達と同等あるいはそれ以上の質と量のトレーニングをしないと、今練習している人たちとの差が開いていく。そういうトレーニングをするためには、人と同じことをしていてもだめだ。1人で黙々とやるのが1番効率がいい。怪我で練習をしてない俺が、グラウンドで誰かと話している時間なんてない。辛いこと、きついこと、苦しいこと。たくさんの試練を乗り越えないと成長はないと思っている。この先たくさんの試練やでかい壁にぶち当たるだろう。でも、それは前に進んでいる証拠。試練や壁すらも楽しむ。
1人になるといつも考える。
「プロになれるのか」
「復帰したらヒーローになれるのか」
「早慶戦でMVPを取れるのか」
「チームを勝たせるエースストライカーになれるのか」
「大学サッカーの顔になれるのか」
「大学ナンバーワンFWになれるのか」
「日本代表に入れるのか」
この問いに対して、俺の答えは全部
『YES』
根拠はないけど自信はある。でも、今のままじゃ無理だ。でも、絶対に叶える。そのために日々一歩でも成長できるように頑張っていくしかない。
怪我をしてから出会った曲がある。
「HAYA-T」さんの「葛藤」という曲。
歌詞にあるように、HAYA-Tさんは「不可思議/wonderboy」さんの「pellicule」という曲に持っていかれて、同じ音源を借りて、作った曲。
「明日生きているか死ぬかなんて誰もわからず、なのに当たり前のように今日も朝を迎える。ありがたいと思う人はきっとほんのわずかで、当たり前をなくす時にやっとそこで気がつく。もしも俺が明日死ぬと分かっているなら、今日と同じように今日を生きているだろうか。たくさんの生きたかった人の今日を生きてる。何もないような日々も幸せに満ちてる」
常にこれを自分に言い聞かせる。
当たり前のように迎える朝。
気づけば寝る時間になってる。
この繰り返しは、当たり前じゃない。
生きたくても生きられなかった人が沢山いる。
もっと1日1日を大切に生きないといけない。
明日死ぬと分かっているなら、
もっと全力で何かをしようとするだろう。
1日を無駄にするような過ごし方はしないだろう。
ならば、明日死んでもいいように、
死んでから後悔しないように、
今日を今この瞬間を
全力で生きる。
「全て自分次第」
プロ志望から大学に行くと決めるきっかけになった言葉。この言葉を、柏レイソルユースから中央大学を経て柏レイソルに帰ってきて、今は12連勝中で勢いのあるアビスパ福岡の「上島拓巳」選手に言われた。今でも心に響いている。正直、大学サッカーは眼中に無かったけど、大学を経てあんなに強くて、カッコよくて、逞しい選手になれるんだと衝撃を受けた。俺もこうなりたい。そして、拓巳くんのようなサッカーだけではなく人間性にも優れたサッカー選手になろうと心に誓った。
最後に、今までの俺は、周りに助けられながら生きてきた。自分の力はちっぽけなのにここまで来た。家族、友達、仲間などの支えがなかったらこんなところまでは来れなかった。これからは、自分自身の力で成長し続ける。周りに頼るのはもう終わり。プロになれるかどうかは、自分の頑張り次第。絶対に夢を叶える。助けられたり、支えられたり頼る立場から、周りを助けて、支えて、頼られる立場になる。そして大学卒業時に、プロサッカー選手になり、親孝行、子供に夢や希望を与えられるように頑張ります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。同期のみんなの文章がうますぎるので、最後にちょっとレベルが落ちてしまい申し訳ございません。笑
文章ではなくプレーで見せるので、是非復帰後のプレーを見に来てください!!
これからも早稲田大学ア式蹴球部の応援、私、奥田陽琉の応援宜しくお願い致します。
◇奥田陽琉(おくだひりゅう)◇
学年:1年
学部:スポーツ科学部
前所属チーム:柏レイソルU-18