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【#Real Voice 2024】 「リベンジ」 1年・田村天

はじめまして。
今回ブログを担当させていただくことになりましたア式蹴球部1年田村天です。
拙い文章ですが最後まで読んでいただけると幸いです。 







14年前、兄がサッカーをやっていた影響によりサッカーを始めた。清水エスパルスのスクールに通っていた。定期的に開催される大会があり、私はそこで初めて試合に出場することになった。



センターサークルに立っていた私はキックオフの笛が鳴ると同時にドリブルを開始。



ディフェンダー全員を交わしシュートを放つ。



放ったシュートは見事にゴールネットを揺らした。


人生初ゴールを決め喜んでいた私にチームメイトはこう言った。
















「攻める方向逆だよ。」








人生初ゴールがオウンゴール。



私は試合中に大号泣。これが私の壮大なサッカー人生の始まりだ。




負けず嫌いだった私は、父と一緒に猛練習をした。リフティングやラダートレーニングを永久にやっていたのを今でも覚えている。そして、オウンゴールをして大号泣していた私は市内でトップを競う選手へと成長を遂げる。その後、スクールのコーチに勧められたエスパルスのジュニアチーム(下部組織)の試験を受け、合格。全日少(全日本U-12サッカー選手権大会)やワールドチャレンジなど全国、世界規模の大会に何度も出場し、大きな経験を積んだ。県大会3回優勝、草サッカー全国大会優勝、それ以外にも数々のタイトルを獲得した。個人としては東海トレセンに選出されるなど順調すぎるサッカーライフを送っていた。




中学はそのままジュニアユースに昇格した。県内でトップレベルの選手が集まる環境の中、試合に出られない時期や上手くいかない時期はあったが、挫けずに努力し続け中学2年生の時にはスタメンに定着。夏に行われたスペイン遠征では全試合出場。バルセロナやレアルマドリードなど小さい頃から憧れていたクラブと対戦した。質の高い指導を監督から受けていた私は世界相手にも通用した。




「このままいけばユースに昇格できる」




そう思っていた。しかし、海外遠征で大きな自信を手に入れた私は1ヶ月後に大きな挫折をすることになる。




「お前の代わりなんていくらでもいるぞ。」




調子が悪かった練習試合後に監督に言われた言葉である。その言葉通り右サイドバックに主力の選手がコンバートされ、あっさりとスタメンを奪われた。圧倒的な実力差を見せつけられ本当に悔しかった。今まで挫折がなかった自分に初めて限界が見えた瞬間だった。それでも何とかスタメンに戻るために新型コロナウイルス感染症流行による自粛期間中には自主練を毎日継続的に行っていたが、結局スタメンを奪うことが出来ず、ユースにも昇格することは出来なかった。



最後には悔しい思いをしたが、本当に濃い6年間を過ごした。もうこれ以上の経験は出来ないだろう。そう思った。




そして中学生の時から勉強にも力を入れていた私は進学校である清水東高校へ入学した。




ここで自分の中で何かが変わってしまった。




「もう充分やり切った。どれだけ頑張っても才能あるやつには勝てないし、高校は気楽にやろう。」




今までやっていた自主練も全くやらなくなった。プロを目指すわけでもないし、勉強もしなければならない。そうやってサッカーから逃げていた。今考えると本当に情けないし、弱い人間だったと思う。




手を抜いて取り組んでいるうちにサッカーがつまらなくなり、「サッカー早く辞めたい」が口癖になるほど嫌いになっていた。




このような感情を抱き続け、3年間なんとなく活動をこなしてそのまま引退することになった。引退後、学校ではチームメイトや監督に「大学でもサッカー続けなよ。」と言われた。




しかし、気持ちが変わることはなかった。




早稲田のサッカー部で通用するわけない。

もう苦しみたくない。


負の感情しかなかった。





なぜ、ここまで折れてしまっていた私が現在この組織に所属しているのか。


やはりそれは父の影響だった。




父「早稲田のサッカー部でも絶対に通用するよ。挑戦してみな。」





この時大きく心が揺らいだ。それと同時に


小さい頃一緒にボールを蹴っていたこと、


毎試合応援に駆けつけビデオを黙々と撮っていたこと、


試合で活躍をした後に家に帰ると嬉しそうな顔で玄関まで迎えに来てくれたこと、


父との深い思い出が頭によぎった。





もう一度挑戦して過去の自分を超えたい。


父にまた活躍するところを見せたい。






大学は絶対にサッカーをやらないと言い続けていた私は、サッカーに対する熱を取り戻し、1月にランテストを受けることを決意した。毎日サッカーに対する愚痴を聞いていた母は、急に様子が変わった私を見て驚いていた。引退してから2ヶ月程動いてなかったが、1ヶ月間走りの練習を行いなんとかランテストに合格。そして、1ヶ月間の仮入部も無事に合格。




今までとは周りのレベルが段違いで上手くいかないことばかり。でも、楽しい、ボールを蹴っているのが幸せ。久しぶりの感覚だった。また、本気で練習に取り組んでいるうちに本当はサッカーが大好きであることに気付かされた。ここまで導いてくれた父、意思を尊重してくれた母には感謝しかない。




目標は関東リーグ出場、そして日本一。そんなの無理だろ。現実見ろよ。そう思う人がいるかもしれない。でも小さな可能性を信じて努力し続ける。そして、









もう絶対に逃げない







長い文章でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました。








次の担当は雨野颯真(1年・前橋育英高校)です。

誰に対しても平等に接し、ピッチ内外で貢献度が高いア式の中心人物。
どんなシュートが飛んできても軽々止めてしまう安定感が特徴のゴールキーパーです!インターハイ優勝を経験し、高校選抜にも選出されているスーパーな彼がどのような文章を綴るのか楽しみです!

ぜひ読んでください!


◇田村天(たむらてん)◇
学年:1年
学部:創造理工学部
前所属チーム:清水東高等学校


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