【#Real Voice 2024】 「笑ってやる」 2年・金指功汰
昨年ブログを書いた日から今日まで、私は様々な経験をした。悔しくて、苦しい経験ももちろんしたが、その経験が私をまた強くしてくれたように思う。
昨年末の新人戦の全国で試合に出場することができ、チームの全国優勝に少しは貢献できたような気がして自信がついた。今年はその自信を力に変え、昨年よりも上のステージで戦えるように頑張ろうと意気込んでいた。しかし、現実は甘くなかった。Aチームに絡むどころか新人戦で優勝したことで副賞として得た韓国遠征は呼ばれず、社会人リーグ(以後FCとも表記)のカテゴリーに配属された後も試合に出られない日々が続いた。ある日の練習試合で私はサブ組として途中出場した。すると、15分ほどプレーした後、途中交代させられた。屈辱のin、outだった。本当に悔しかったし、正直その時は納得できなかった。もしかしたらまた試合に出るかもしれないと言われたため途中交代した後もアップを続けたが、結局出番はなく試合が終わった。途中交代をさせられてから試合終了後も何がいけなかったのかを真剣に考えたが、自分1人だけじゃその答えを見つけられそうになかったので、コーチに理由を尋ねた。
(私)「なぜ自分は代えられたのですか。」
(コーチ)「去年金指が出てた新人戦の時は1つ1つのプレーをこだわっていて、気持ちが込もっていた。そこが金指の良さなのに今はそれがない。」
思ってもみない言葉だった。自分の中では1つ1つのプレーに気持ちを込めていたし、ましてや手を抜くことなんてしなかった。常に全力で愚直にプレーすることが自分の強みであり、それを貫いてきたはずだった。基準が低いのだと痛感した。いくら自分が1つ1つのプレーにこだわっているつもりでも、観ている人にそれが伝わっていなければ意味がない。これはどのスポーツにも言えることだが、サッカーは仲間がいて相手がいてそれを観てくれる人がいて成立する。したがって、選手はプレーで自己を表現する必要がある。自分は自己満足しているだけで観ている人が感じるほど表現できていないのだと気づいた。それから、私は意識を変え、1つ1つのプレーに対する基準を上げた。そして、攻守において味方と連携できるようにコミュニケーションの量を増やし、実際のプレーだけでなく声で表現することも心がけた。すると、徐々に試合に出られるようになり、多くの試合でチームの勝利に貢献することができた。
しかし、大一番ではチームの勝利に貢献することができなかった。
関東大学サッカーリーグ新人戦決勝トーナメント1回戦vs明治大学。
グループステージを全勝してトーナメントに勝ち進み、私にとっては初めての明治大学との対戦だった。新人戦全国で優勝するためには勝たなくてはならない相手だった。程よい緊張感と、ワクワクした気持ちで試合に臨んだ。
結果は、0-1負け。試合に負けたことも悔しかったし、全国大会に行けなかったことも悔しかった。
関東社会人サッカー大会1回戦vs流通経済大学FC。
私が今年所属していたFCのカテゴリーは東京都社会人リーグ1部で3位になり、関東社会人リーグ2部に昇格するための参入戦に突入した。社会人リーグといえども早稲田大学も含め他のいくつかの大学も参加していて、流通経済大学は茨城県の社会人リーグで上位に入り、参入戦に駒を進めてきていた。FCは小澤コーチ(小澤雄希コーチ)と頼れる4年生のもとで下級生が中心となってプレーするチームだった。日々の練習やリーグ戦を通してチーム力は強化され、みんな仲が良くとてもまとまりがあった。関東2部に昇格するため、またこれまで引っ張ってきてくれた4年生のためにも勝たなくてはならない相手だった。
結果は、0-1負け。また負けた。明治戦と一緒だった。試合後喜ぶ相手チームを横目に見ながら、ただただ悔しさだけが残る。相手は笑っているが、自分は笑えない。周りを見るとチームメイトに笑顔はなく、みんな暗い表情をしていた。
「いつになったら笑えるのだろう。」
そんな気持ちと共に自分の弱さを自覚した。
0-1という結果だけを見たら惜しかったと思う人もいるだろう。けれども、この1点に大きな差がある。先に失点し、なかなか得点ができず刻々と時間が過ぎていくうちに自分を、仲間を、勝利を信じきれていない自分がいた。こんなことを繰り返したくない。勝って、試合後に笑って、仲間と喜びを分かち合いたい。今はその気持ちがとても強くなっている。そのためには、まず自分が強くなろう。
今日この日から来年またブログを書く日までの間に、今年よりも笑いたい。もちろん、つらいことも苦しいこともたくさんあるだろう。だから、その分自分がチームを勝たせて、笑ってやる。
次の部員ブログを担当するのは、牧野羽瑠君(東山高校)です。
彼はア式2年を代表する熱きファイターですが、度がすぎて危険なプレーをする時もあります。ピッチ外では最近お肌の手入れに力を入れてるそうです。今後の彼のプレーとお肌に注目です。そして、そんな彼は日頃どのようなことを考えサッカーと向き合っているのでしょうか。みなさん、是非お楽しみに。
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