見出し画像

【#Real Voice 2024】 「捲土重来」 2年・西凜誓

今回、部員ブログを担当させて頂く、早稲田大学社会科学部2年の西凜誓です。
2年生のトリを任せて頂きました。
自分のありのままの気持ちを書いた為、まとまりのない文章ですが最後まで読んでいただけると幸いです。






残り1週間で2024年が終わる。
大学生活も早2年が経つ。もう折り返しだ。
どれだけ成長できただろうか。
思い描いたように過ごせているのか。




1年目からトップチームで試合に出場し活躍すると意気込んで始まった昨シーズン。
シーズン当初はFCカテゴリーでプレーし、夏にトップチームに昇格した。


しかしトップチームに昇格してからはうまくいかない日々の連続だった。


サイドバックとしてチームで6番手
そんな立ち位置で試合に出場できるわけなかった。


ただチャンスが一度もなかったわけではなかった。

関東リーグ後期立教大学戦

怪我人の影響で試合2日前のゲバ(紅白戦)でスタメン組に抜擢された。


しかしゲバでは何一つ自分の良さ、長所を出すことができなかった。
一度しかない巡ってきたチャンスを勝ち取ることができなかった。

完全に力不足だった。

今でも鮮明に覚えている。

TR終了後、DFラインだけでの守備確認をした際、既に序列が入れ替わっていたことを。


結果的にメンバー入りはできたもののピッチに立つことはなかった。
メンバー入りできたのはこの試合が最初で最後だった。


新チームになってから戦った天皇杯予選でもメンバー外が続いた。
昨シーズントップチーム出場時間は“0”
この事実だけが結果として残った。





そんな昨シーズンを経て始まった今シーズン。



オフシーズンでは今までで一番TRをして自分自身と向き合ったと思う。
それでも今シーズンがスタートして約2カ月間、序列は昨年と変わらなかった。



ただどんなにうまくいかなくても腐ることはなかった。
それは昨年のブログでも書いたように過去にも同じような経験をしてきたから


“いつ結果が実を結ぶかは分からない。それが3カ月後かもしれなければ半年後かもしれないし、1年以上結果が出ないこともあるかもしれない。
ただどんなにうまくいかなくても、信じて貫いて努力して、挑戦し続ければ必ず実を結ぶ時が来る。“


と知っていたから



昨年から練習試合を含めて1度もスタメンで試合に出ることはなかった。
でもそんな自分に再びスタメン出場のチャンスが来た。


3月に行った島原遠征の準決勝京都産業大学戦
キックオフ1時間前のミーティングでスタメンで出場できることを知った。


ここで昨年、巡ってきたチャンスを掴めなかったことが脳裏に過った。


たかがフェスティバルの1試合だったかもしれない。
でも最初で最後のチャンスかもと思い、試合に挑んだ。


とても緊張したが1年生の時とは違って自分はやれる自信しかなかった。


それは常にチャンスを掴むための準備をしていたから


実際に試合では自分の長所を発揮でき、手ごたえを得ることができた。
この試合が今シーズンのターニングポイントの1つだったと思う。



関東リーグ開幕1週間前の天皇杯予選で左肩を脱臼し、目標の1つでもあった開幕スタメンは逃してしまったが2週間の離脱から復帰した後は再びスタメンを掴むことができた。


前期リーグ戦やアミノバイタルカップでは、ほぼすべての試合でスタメン出場できた。
しかし何一つ自分のパフォーマンスに納得できることはなかった。



それはなぜか




チームとして勝ち点を積み上げられなかったから


そしてなにより



チームを勝たせる活躍ができていなかったから


この言葉に尽きる。



リーグ前期とアミノバイタルカップ合わせて12試合に出場
DFラインの一人として無失点の試合がたったの1試合のみ
決めたゴールも1点だけ


チームメイトに助けてもらってばかりだった。

チームの歯車でしかなかった。



そんな悔しい思いを胸に必死にもがいた。





8月25日 早慶戦


両校の魂とプライドがぶつかる伝統の一戦。

前期のリーグ戦で1対4という屈辱的な敗戦を経ての試合だった。


同じ相手に絶対に負けてはならなったし舞台は国立競技場。

名古屋から応援に来てくれた家族がいて親戚がいて友人がいた。

OBの方々含めて1万人の観客が観戦に訪れた。


高揚感と大きなプレッシャーを抱え試合に挑んだ。




4対0




大きなプレッシャーを力に変えて、チーム全員で掴んだ勝利だった。

たったの90分間だったが早稲田にとって、自分にとって、とても大きな意味を持つ試合だったと思う。


試合に出たくても出られない仲間の思いを背負ってONE TEAMで戦うことの大切さを学んだ。



「自己の利益=他の利益」



この言葉に出会ったのは高校時代。

当時の自分はこの言葉をあまり理解していなかった。

理解しようとしていなかったのかもしれない



これまでの自分は心のどこかで自分のプレーさえうまくいけば良いと思っていたし、自分の夢や目標のことしか頭に無かった。


それでも早慶戦では違った。


この試合の為に必死で働いてくれたスタッフの方々がいて、試合に出られない悔しい思いを押し殺してサポートしてくれた選手がいて、「頑張れ!」と声をかけてくれる最高の同期がいて、早稲田に関わる全ての方々の支えがあった。


その支えをいつも以上に感じることができたから


その方々の為にもピッチに立った全員が全身全霊で戦った。


すべては早稲田の為に


自己と他者がお互いの利益を共通のものと捉えることでチーム全体の力が引き出された。

一丸となった想いが結果にそのまま繋がった。

そんな気がした。


個人としても人生で一番の大舞台でプレーできたことで大きな自信に繋がった。



この試合が今シーズン2つ目のターニングポイントだったと私は思う。





早慶戦以降、総理大臣杯やリーグ後期では10試合に出場して5ゴール

少しはチームの勝利に結果で貢献できただろうか





ただ今シーズンの1番の目標だった1部昇格には昨年と同様に勝ち点2届かなかった。




あの試合に勝っていれば

最後守り抜いていれば

ゴールを決め切っていれば

キツくてもスプリントで守備に戻っていれば

ファウル覚悟で身体を張って防いでいれば

ラストパス、コントロールが成功していれば、昇格できていただろうか



どんなにタラレバを並べても後悔をしても終わってしまった結果は変わらない。

過去は変えることができない。

変えられるのは未来だけ。



だからこそ今シーズン経験できたことを必ず今後の自分自身の成長に活かしたい。



アミノバイタルカップで2度もPKを外して相手が決めたら負けの状況から2試合とも勝った経験も

プロ内定の選手にやられ続けた経験も

先輩から何度も厳しい要求を受けた経験も

人生で初めて1発退場した経験も

自分のせいで勝ち点を落とした経験も




すべての悔しい思いをした経験を糧にして私は成長する。


負けたことがあるというのがいつか大きな財産になるから


今までのサッカー人生でも悔しさが何度も何度も自分を強くしてきたから





もう今年と同じような思いはしたくない


もっと成長したいしうまくなりたい

苦しいときにチームを救える選手でありたい

自分の力でチームを勝たせ続けたい

1部昇格・日本一を奪取したい

次なるステージを勝ち取りたい



胸を張ってあの経験があったから今の自分があると言えるように



もう覚悟はできている


捲土重来を果たす為に


Plus Ultraの精神で前を向いて進み続ける


最後に今後の目標と意気込みを


現在、今シーズン3度も脱臼した左肩の手術を終え、長いリハビリ生活が始まった。

復帰予定までは5カ月

それでもより自分の身体と向き合うことができるし、成長に繋げられるとポジティブに捉えている。



自分の力でチームを勝たせて1部昇格すること

日本一を奪取すること



これが来シーズンの目標である。



そして




「プロサッカー選手になり、自分のプレーで観てくださる方々に多くの活力を届けることで恩返ししたい。」



これが私の夢であり、大きな目標である。
今までも、そしてこれからも変わることはないだろう。



決して簡単なことではないことぐらい分かっている。
それでも必ず叶えたい理由があるから。




まずは一回りも二回りも大きく強くなって成長し復帰すること

自分のポジションを奪い返して試合に出場すること



上に書いた目標を叶えることをここで誓います。





次回の部員ブログは大智君(森田大智・大津高等学校)です。
ピッチ内では天才的なボールタッチとサッカーセンスで相手を翻弄し、相手の脅威になり続けます。しかしピッチ外ではゲームに没頭し、無邪気な性格でみんなをいじり倒す大智君。普段あまり表さない新4年生としての覚悟と内に秘めた熱い想いを書いてくれるでしょう。
みなさんぜひ楽しみにしていてください!


◇西凜誓(にしりんせい)◇
学年:2年
学部:社会科学部
前所属チーム:名古屋グランパス U-18

【過去の記事はコチラ↓】


いいなと思ったら応援しよう!