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事例Ⅳ 重要ポイントの基礎固め!③セールスミックス

皆さん、こんにちは!
TBC受験研究会講師の香川遼太郎です。

最近急激に涼しくなってきましたね。
2次試験を控えている方は、くれぐれも体調にだけは気を付けて一日一日を大事に過ごしてくださいね。

さて、今日のテーマはセールスミックスです。


例題を考えてみよう!

さて、今回も例題から考えてみましょう!前回に引き続き令和4年度の試験問題をアレンジしたものです。

D社は製品Aと製品Bの製造・販売を行っている。製品Aと製品Bは同じ原材料を使用して製造している。製品Aおよび製品Bに関するデータは次のとおりである。

<製品A>
・販売価格:7,800円/個
・直接材料(400円/kg):4kg/個
・直接作業時間(1,200円/h):2h/個
<製品B>
・販売価格:10,000円/個
・直接材料(400円/kg):2kg/個
・直接作業時間(1,200円/h):4h/個
<共通固定費(年間)>
・4,000,000円

(設問1)
年間最大直接作業時間を3,600時間とするとき、利益を最大にするセールスミックスを求めよ。
(設問2)
設問1の条件に加え、製品Aと製品B共通の原材料の消費量の上限を年間6,000kgとするとき、利益を最大にするセールスミックスを求めよ。

令和4年度2次試験事例Ⅳ第2問をもとに作成

セールスミックスとは?

セールスミックスとは、限られた経営資源を使って期間利益を最大にする製品の組み合わせのことをいいます。
セールスミックスの問題を考える際は、制約条件が1つor複数で、考え方が異なってきます。
上記の例題の場合、(設問1)が「制約条件が1つ」の場合、(設問2)が「制約条件が複数の場合」に該当します。

制約条件が1つの場合の考え方

では(設問1)の「制約条件が1つの場合」から考えていきましょう。
制約条件が1つの場合の解き方のセオリーは、「制約条件単位当たりの限界利益を比較する」です!そして、制約条件単位当たり限界利益が大きい製品から優先して製造します。

例題の場合、「年間最大直接作業時間」が3,600時間と上限が決まっている為、直接作業時間が制約条件となります。
よって、製品Aと製品Bの「直接作業時間単位当たり限界利益」を比較し、大きい方の製品を優先して製造します。よって、解答は以下のとおりです。

製品Aの1個当たり限界利益
=販売価格-変動費
=販売価格-(直接材料費+直接労務費)
=7,800円/個-{(400円/kg×4kg/個)+(1,200円/h×2h/個)}
=3,800円/個
製品Aの直接作業時間単位当たり限界利益
=3,800円/個÷2h=1,900円/個

製品Bの1個当たり限界利益
=10,000円/個-{(400円/kg×2kg/個)+(1,200円/h×4h/個)}
=4,400円/個
製品Bの直接作業時間単位当たり限界利益
=4,400円/個÷4h=1,100円/個

直接作業時間単位当たり限界利益は製品A>製品Bであるため、製品Aを優先して最大限製造する。製品Aの最大製造可能数量は次のとおり。

年間最大直接作業時間3,600時間÷1個当たり直接作業時間2h/個
=1,800個

解答:製品A1,800個、製品B0個

さて、1点だけ補足です。
本問では製品ごとの制約条件が設定されていないため、製品Aを上限まで製造すればOKですが、例えば製品Aの製造可能数量の上限が問題で設定されている場合は、そこまででストップして、残りの時間は製品Bの製造に充てることに留意してください。

制約条件が複数の場合の考え方

続いて(設問2)を考えてみましょう。
制約条件が複数ある場合(本問の場合、直接作業時間と原材料消費量)の解き方のセオリーは、線形計画法です。

線形計画法では、制約条件を不等式で表して、利益を表す目的関数を最大にするセールスミックスを、グラフを使って視覚的に計算します。

本問の場合、製品Aの製造量をX、製品Bの製造量をYとすると、制約条件は次のように表せます。

2X+4Y≦3,600(直接作業時間の制約条件)…①
4X+2Y≦6,000(原材料消費量の制約条件)…②
X≧0、Y≧0…③

また、利益額をZとすると、目的関数は次のように表せます。

Z=製品Aの限界利益+製品Bの限界利益-共通固定費
Z=3,800X+4,400Y-4,000,000…④
⇒Y=-19/22X+10,000/11+Z/4,400

上記の式を図で表すと、こんな感じ。

線形計画法はグラフで考えます

④の直線の式の(10,000/11+Z)の部分は切片なので、「利益額Zを最大にする」=「切片を最大にする」と考えます。
傾きは-19/22で一定で、①、②、③の式で表す範囲(図の黄色部分)を通りつつ、切片が最大になるようなX、Yの組み合わせを考えればよいわけです。(言葉での説明が難しくすいません…)

この手の問題の場合、適切な組み合わせは不等式が表す範囲の頂点のどれか
である場合が多い
です(絶対ではないので注意してください!)。今回の場合も、求める組み合わせはX:1,400個、Y:200個の頂点となります。

いかがだったでしょうか?
線形計画法は令和4年度で初めて出題されましたので、解き方をしっかりインプットしておきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。







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