事例Ⅳ 重要ポイントの基礎固め!③セールスミックス
皆さん、こんにちは!
TBC受験研究会講師の香川遼太郎です。
最近急激に涼しくなってきましたね。
2次試験を控えている方は、くれぐれも体調にだけは気を付けて一日一日を大事に過ごしてくださいね。
さて、今日のテーマはセールスミックスです。
例題を考えてみよう!
さて、今回も例題から考えてみましょう!前回に引き続き令和4年度の試験問題をアレンジしたものです。
セールスミックスとは?
セールスミックスとは、限られた経営資源を使って期間利益を最大にする製品の組み合わせのことをいいます。
セールスミックスの問題を考える際は、制約条件が1つor複数で、考え方が異なってきます。
上記の例題の場合、(設問1)が「制約条件が1つ」の場合、(設問2)が「制約条件が複数の場合」に該当します。
制約条件が1つの場合の考え方
では(設問1)の「制約条件が1つの場合」から考えていきましょう。
制約条件が1つの場合の解き方のセオリーは、「制約条件単位当たりの限界利益を比較する」です!そして、制約条件単位当たり限界利益が大きい製品から優先して製造します。
例題の場合、「年間最大直接作業時間」が3,600時間と上限が決まっている為、直接作業時間が制約条件となります。
よって、製品Aと製品Bの「直接作業時間単位当たり限界利益」を比較し、大きい方の製品を優先して製造します。よって、解答は以下のとおりです。
さて、1点だけ補足です。
本問では製品ごとの制約条件が設定されていないため、製品Aを上限まで製造すればOKですが、例えば製品Aの製造可能数量の上限が問題で設定されている場合は、そこまででストップして、残りの時間は製品Bの製造に充てることに留意してください。
制約条件が複数の場合の考え方
続いて(設問2)を考えてみましょう。
制約条件が複数ある場合(本問の場合、直接作業時間と原材料消費量)の解き方のセオリーは、線形計画法です。
線形計画法では、制約条件を不等式で表して、利益を表す目的関数を最大にするセールスミックスを、グラフを使って視覚的に計算します。
本問の場合、製品Aの製造量をX、製品Bの製造量をYとすると、制約条件は次のように表せます。
また、利益額をZとすると、目的関数は次のように表せます。
上記の式を図で表すと、こんな感じ。
④の直線の式の(10,000/11+Z)の部分は切片なので、「利益額Zを最大にする」=「切片を最大にする」と考えます。
傾きは-19/22で一定で、①、②、③の式で表す範囲(図の黄色部分)を通りつつ、切片が最大になるようなX、Yの組み合わせを考えればよいわけです。(言葉での説明が難しくすいません…)
この手の問題の場合、適切な組み合わせは不等式が表す範囲の頂点のどれか
である場合が多いです(絶対ではないので注意してください!)。今回の場合も、求める組み合わせはX:1,400個、Y:200個の頂点となります。
いかがだったでしょうか?
線形計画法は令和4年度で初めて出題されましたので、解き方をしっかりインプットしておきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。