事例Ⅳ 重要ポイントの基礎固め!②差額原価収益分析
皆さん、こんにちは!
TBC受験研究会講師の香川です。
いよいよ2次試験まで1か月を切りましたね!
今からの1か月間は、新たに手を広げず、知識の精度を高めることに注力していただきたいと思います。
事例Ⅳは比較的得点の計算が立ちやすいため、得意な方は80点以上、苦手な方は何とか50点というように、「事例Ⅳで何点取れるのか」をベースに、全体の得点戦略を考えてみるのも良いかと思います。
さて、今回も特につまずかれる方が多いテーマである「差額原価収益分析」について、基礎的な部分から解説させていただきます!
例題を考えてみよう!
それでは、今回も1つ例題を考えてみましょう。
いかがだったでしょうか?
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこちらの問題、令和4年度の2次試験の問題を少し易しめにアレンジしたものになります。
さて、それでは実際に見ていきましょう!
差額原価収益分析とは?
差額原価収益分析とは、ある案件があったときに、それによって「収益(売上)はいくら増減するか(=差額収益)」「原価はいくら増減するか(=差額原価)」を考え、両者の差額である差額利益がプラスならGO!、マイナスなら撤退!と考える意思決定の手法の1つです。
差額原価収益分析の典型的な問題としては、上記の例題のような、内製or外注を判断する問題(内外製区分といいます)や、新規の注文を受けるか否かを判断する問題があります。
上記の例題の場合、どちらの案を選んでも収益側は変化しません(外注したからと言って売上は増えませんよね?)ので、「原価がいくら増減するか」「どちらの方がコストが安く済むか」といった原価のみにスポットを当てて考えればよいことになります。
試験では「固定費=無関連原価」と考える
差額原価収益分析では、どちらの案を選んでも変化しない部分については、考慮する必要はありません。そして、それを判断する際にポイントとなってくるのが、「直接費と間接費」「変動費と固定費」といった原価要素の分類の考え方になります。ではここで、それぞれの原価要素の定義を改めて確認しておきましょう!
上記を踏まえて、例題を考えてみましょう。
現実の世界はさておき、試験問題の箱庭の世界では、特別な条件が書かれていない限り、固定費はどちらの案を選んだとしても発生額が変わらない(これを無関連原価といいます)と考えます。
今回の例題で言うと、間接費の70%部分、つまり7,500円×70%=5,250円は固定費であるため、自社対応でも外注でも発生する費用と考え、本問で考慮する必要はないということになります。
よって、自社で点検整備を行う場合の1台当たりの変動費の合計は、次のようになります。
ちなみに、試験の世界では「直接費=変動費」と考えて問題ありません。
こちらも現実には、「変動費ではない直接費」もあるかもしれませんが、あくまで試験上は、「直接材料費」や「直接労務費」は「変動費」であるという前提で出題されます。(今回の例題もそうですよね!)
確かに考えてみると、直接材料費は主要材料費、直接労務費は直接工賃金などが該当するため、製品を作れば作るほど比例して増えていきそうな感じはしますよね!
この辺りは、あくまで「試験のルール」ということで割り切って考えましょう!
さて、上記の8,250円と外注する場合の費用を比較します。
「中古車買取価格の2%の料金で点検整備業務を請け負う」と問題文にありますので、中古車の買取価格をX円とすると、外注の場合の費用は0.02X円と表せます。
この外注費用0.02X円が自社対応の場合の8,250円を下回っていれば外注すべきであるといえるため、解答は次のようになります。
いかがだったでしょうか?
差額原価収益分析では、「どの費用が変化するのか」の特定が非常に重要であり、しっかり頭が整理されていないと混乱しやすい部分になります。
今回の記事なども参考にして、改めて基礎的な部分を1次試験のテキストなどを活用して確認しておきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?