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なぜ「営業利益増加率=売上高増加率×経営レバレッジ係数」になるの?
皆さん、こんにちは!
TBC受験研究会講師の香川遼太郎です。
さて、今回は経営レバレッジ係数について、少し深掘りして解説させて頂きたいと思います。
経営レバレッジ係数の概要
まずは、経営レバレッジ係数の概要について、簡単に復習しておきましょう。経営レバレッジ係数については、まずは下記のポイントを押さえておいてください。
・経営レバレッジ係数=限界利益/営業利益
・営業利益の増加率=売上高の増加率×経営レバレッジ係数
経営レバレッジ係数は、売上高が変化したときに営業利益がどの程度変化 するかを示します。
経営レバレッジ係数を計算することによって、売上高が変動したときに、わざわざ損益計算書を作成しなくても、営業利益がいくらになるかをシミュレーションすることができます。
例題で確認してみよう!
例えば、次の例で確認してみましょう。
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左が当期の直接原価計算方式の損益計算書です。来期は売上高が10%増加するという予想をしています。営業利益はいくらになるでしょうか?
まずは、経営レバレッジ係数を用いた方法で計算してみます。経営レバレッジ係数は、次のように計算できますね。
経営レバレッジ係数=限界利益/営業利益=40/10=4
売上高の増加率に経営レバレッジ係数を乗じたものが営業利益の増加率になるため、来期の予想営業利益は次のとおり計算できます。
営業利益の増加率=売上高の増加率×経営レバレッジ係数
=10%×4
=40%
来期の予想営業利益=10×(1+40%)=14
では、実際に損益計算書を作成して確認してみましょう。
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売上高が10%増加すると、それに伴って変動費も10%増加します。よって、限界利益も10%増加します。しかし、固定費は変化せず30のままとなるため、営業利益は限界利益44-固定費30=14となります。結果として営業利益は10から14に40%増加することとなり、経営レバレッジ係数による計算結果と同じになります。
なぜこのようなことが起こるのか?
では、なぜ売上高の増加率に経営レバレッジ係数を乗じると営業利益の増加率を求めることができるのかを証明してみます。以下の展開式をご覧ください。
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ここでポイントとなるのが1行目の「営業利益の増加額=限界利益の増加額」となる部分です。先ほどの例題で見るとわかりやすいのですが、営業利益の増加額4(=14-10)と、限界利益の増加額4(=44-40)は同じになっていることがわかります。
これは偶然ではなく、固定費が変化しないことによって、限界利益の増加額がそのまま営業利益の増加額となるためです。
「限界利益の増加額」は当期の限界利益に、売上高の増加率(例題で言うと10%)を乗じたものなので、2行目の展開ができます。あとは式を変形していくと最後の式にたどり着きます。
わかりにくい場合は、例題の数値を代入して試してみてください!
まとめ
いかがだったでしょうか?
少し細かい話になってしまいましたが、気になる方もいらっしゃるかなと思い補足解説させて頂きました。
実際の試験では最後の証明までは必要ありませんので、読み物として読んで頂ければ幸いです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。