3.11インタビュー企画第3弾!

今回は、早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンターの岩井雪乃先生にインタビューした記事を公開します!
岩井先生は東日本大震災発生後、気仙沼をはじめとした様々な場所で早大生とともにボランティア活動をされてきた方です!
では、質問に移っていきましょう!


Q1.震災当時どこで何をされていましたか?

当時は、早稲田大学ボランティアセンター(以後WAVOC)にいました。アフリカゾウの獣害対策に関するボランティアで、タンザニアから2月に帰国しました。参加した学生たちと、報告会に向けたミーティングを行っているときに、地震が起こりました。
 
揺れがすごく、会議室の机の下に入りましたが、逃げ道を確保するために非常階段を下りて外にでました。そのとき、アスファルトが波打つのを目撃して衝撃を受けました。


Q2.なぜ気仙沼で学生たちとともにボランティアをしようと思ったのですか?

震災後、早稲田大学が被災地の校友に、安否確認のための往復はがきを送りました。「母校の応援求む」「ボランティア求む」といった内容のはがきが続々と大学に返送されてきました。ボランティアの派遣先を探す中で、気仙沼稲門会に連絡をとったところ、気仙沼商会の高橋社長(校友)が「コーディネートをするから来てほしい」とおっしゃってくださり、気仙沼を訪問しました。

高橋社長を含め返信をくださった方は、基本的に被災しているため、ボランティアを受け入れるためのコーディネートをするのは困難です。しかし、高橋社長は、他にやることが非常に多くあるにもかかわらず、早稲田のボランティアを受け入れる準備をしてくださいました。

ボランティアが必要とされているとはいえ、実際には、受け入れ体制を整えるのは大変な労力です。高橋社長のご尽力のおかげで、気仙沼でのボランティア活動を行うことができました

ボランティア活動は、夜早稲田を出発し、翌朝に気仙沼に到着、そのまま夜まで作業し、またバスに乗って早稲田に帰るという「0泊3日」の行程でした。現地では、高橋社長のコーディネートのもと、作業を行い、別れ際にはエールの交換もさせていただきました。気仙沼のためにがんばる高橋社長を見て、感激する学生も多くいました。


Q3.気仙沼の持つ魅力とは?
人が優しく、常にWelcomeしてくれる方々だと感じます。気仙沼に行くたびに新しい方との出会いがあるのですが、皆さん温かく迎えてくださるのがありがたいです。

やはり気仙沼が海に面していて、現地の方々も海から世界に進出しているので、外から来た人間を受け入れる気風も海で育つのかな、と思いました


Q4.徐々に復興が進む気仙沼を見て感じたことは?

コロナ前、最後に気仙沼に行くことができたのは、2019年の11月でした。その際には気仙沼大橋や三陸自動車道、内湾の商業施設が完成しているのを見て、インフラ面の復興をすごく感じました

一方で、内湾の商業施設のすぐ近くでさえ、まだ更地が残っていて、10年経っても未だに復興が終わっていないことを改めて感じました。

また、地元の方同士の会話の中では、震災が起こった日のことが「あの日は…」のように、10年経っているにも関わらず、ついこの間のことのように会話に出てきている様子を目にしました。昨年、早稲田大学で3.11追悼イベントを実施した際、高橋社長は震災のことを「常に去年のよう」とおっしゃっていました。現地の方々からすると、10年という年月はあっという間であり、復興がまだまだ途上であることを感じました。

東京にいると、私たちは復興が終わったように感じてしまいますが、現地の感覚は、全く違います。改めて、大学教員として、授業やWAVOCの活動を通じて、学生たちに東日本大震災で起こったことや現地の今を伝えていきたいと思いました。


Q5.気仙沼の将来像について
これは気仙沼だけでなく、日本の地方の多くに言えることですが、人口減少や高齢化といった問題を抱えています。そのような厳しいなかでも、気仙沼は活気がある町だと思います。実際、気仙沼には、移住者が起業したり、インドネシアからの実習生を受け入れたり、新しい取り組みを始めている人が多くいます。そのような外との繋がりを活かしながら、「元気な地方の町」のモデルとなってほしいと思います。
 


Q6.大学生ボランティアにできること、やってもらいたいことはありますか?

震災から10年が経ち、東京に住む人々の東北への関心が遠のいている中で、さらにコロナがあり、現地にもいけない状況が続いています。そのような状況でも、気仙沼チームは、オンラインでできることをやっていて、素晴らしいと思います。コロナの逆境に負けず、チームとして活動を続けて、また現地に行けるようになったらどんどん行ってほしいです。


Q7.ボランティア活動をするなかで意識していること、気を付けていること。

私はいつも、ボランティア活動をする学生たちに次のことを言っています。まずは、目の前の活動を一生懸命とりくんでほしい。その次に、目の前で起こっている問題がなぜ起こっているのか、どうして解決されないか、について考えてほしい。そうすると、社会問題の背景にある構造が見えてくるはずです。「問題を根本から考える」。それこそが、「大学生だからこそ」のボランティアだと思います。


今回のnoteは以上になります!
インタビューに協力してくださった岩井先生、本当にありがとうございました!
東北の方々のために何とか力になりたいという熱い思いは、岩井先生の中では10年経っても、そしてこれから先も変わることはないのだろうと強く感じました。
また、大学生がボランティア活動をする意味についても、深く考えさせられる時間でした。
震災から11年という月日が経ちましたが、気仙沼チームはこれからもずっと、気仙沼での活動を展開していきたいと思います!

次回となる第4弾は、 気仙沼チームOBの佐藤さんへのインタビュー記事を掲載します!
最後までお読みいただきありがとうございました!

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