3.11インタビュー企画第5弾!

今回は早稲田大学OBの加藤拓馬さんにインタビューさせていただきました!

加藤さんは気仙沼市でまちづくりを担う「一般社団法人まるオフィス」の代表理事であり、気仙沼市役所の職員でもあります。気仙沼では中高生の教育をメインに、気仙沼の復興・発展に尽力されています。


Q1. 震災当時、どこで何をされていましたか。

震災の時は、大学卒業の頃だったので、卒業旅行で静岡に行っていました。静岡でも揺れは大きく感じましたね。

翌日に大学でお世話になっていた先輩からメールで一言「東北に行け」と言われました。東京の企業での入社が決まっていたので断ったんですけど「会社はいつでも入れる」と返信が来て。この人は本気なんだ…と思いました。

大学の頃に中国でワークキャンプという活動をやっていて、その時に現場に行くことの大切さ、現場で人と出会うことの価値を学びました。そうした経験から、東京でスーツを着て働くよりは現場で働きたいなと思っていたので、入社を断って気仙沼に行くことにしました。

この時はいい意味で「かんちがい使命感」でしたね。ちょうど大学生でもなく社会人でもないタイミングでしたので、この僕が動かなくて誰が動くんだ、くらいの気持ちでした。


Q2. 気仙沼の魅力とは

一言で言うと「自分事」ですかね。街やコミュニティに対して、何かいいことがあれば自分のことのように喜べるし、自分以外のことに対して本気になれる人がいることが、気仙沼の魅力の1つだと思います。

震災によって、外部に助けを求めざるを得ない状況でしたので、それによって気仙沼と外部が交わることができました。だから気仙沼は外部の人間を受け入れることができるし、自分事のように考えることができると思います。

震災はきっかけとしては不幸な出来事でしたが、そこから生まれた希望もあるのではないでしょうか。


Q3. 徐々に復興していく気仙沼を見て感じることはなんでしょうか。

とてもポジティブに感じています。
今、気仙沼では外部の色々な人が出入りしていて、そこでたくさんの試行錯誤が繰り返されています。色々な大人が本気でまちづくりに臨んでいる姿は、僕の目には楽しそうに映りました。そして自分がその輪の中に入って活動できることは、きっといい経験になると思うし、ワクワクします。

Q4. 気仙沼の将来像

今、気仙沼には人口減少の問題や、空き家、少子化などいろんな課題があります。それらは震災によって生じたものや震災以前からあるものだったり様々です。

でも、課題があるということはそれに対して探求することができるという事です。探求することはいい学びにつながります。僕はそこに可能性を感じていて、課題があるからこそいい学びができる、そんな街にしたいなと考えています。

どんな街がいいのか、そんなことを考えた時に、美味しい食べ物、綺麗な景色、安定した職業、産業、様々ありますが1番は「学び」なのではないかと。その街ではいい学びができる、自分を成長させてくれる、そんな街では人が出入りし続けるのではないかと思いました。

学びは気仙沼だけではなく、外部の人も入って「内」と「外」をかき混ぜていけたらいいなと思っています。


Q5. 気仙沼で1番印象に残っている瞬間はなんでしょうか。

この前、中学3年生の女の子が伝承館で語り部をやっている先輩の姿を見て、防災に興味を持ったらしいんです。その子に将来のことを聞いてみると、防災で起業をして海外に行きたいと。

防災は未来の人の命を守るものであることを海外で伝えて、そこで暮らす人々を守りたいって言ったんですね。そんな可能性に溢れた子に出会ったのが印象的でした。

僕は「できるかわからないけどチャレンジしてみたい」という気持ちを育みたいと思っているので、気仙沼っていう田舎から「海外で挑戦したい」という志はとても頼もしかったです。


Q6. ボランティアをする上で大切に思っていることはなんでしょうか。

現場で人と出会うことだと思います。
僕は「ボランティア」に対して困っている人たちを助けてあげるみたいなイメージを持っていたので、あまりボランティアという言葉が好きではなかったんです。

同じ車椅子でも知らないおじいさんの車椅子をひくのはボランティアでも、友達の車椅子をひくのはボランティアにならないじゃないですか。

きっかけはボランティアでいいんですけど、実際に現場に行って人に出会い、関係が深くなることで、その支援がボランティアではなくなればいいなと思っています。


Q7. 大学生にボランティアでやってもらいたいことはなんでしょうか。

中学生、高校生に出会って欲しいですね。彼らに大学生への憧れの気持ちを持って欲しいです。

気仙沼には大学がありませんから、震災直後に多くの大学生が来て、子供たちは初めて会う大学生にたくさんの刺激をもらっていました。

11年経った今は、以前のような支援があまりないかもしれないですけど、子供たちと大学生の関わりはとても価値のあることなので、ぜひ中高生に関わって欲しいです。


今回のnoteは以上になります!

インタビューにご協力してくださった加藤さん、本当にありがとうございました。

他人事ではなく自分事にして考えることの意味を、改めて学びました。

コロナ禍で外出が減った今、人と出会うことの価値を私たちは知っているはずです。その価値に気づき、行動に移すことは、多くの人の助けになるのではないでしょうか。


次回の第6弾は、気仙沼チームOGの田中さんへのインタビュー記事を掲載します。
最後までお読みいただきありがとうございました!

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