3.11インタビュー企画第4弾!
今回は早稲田大学気仙沼チームOBである佐藤望さんにインタビューをさせていただきました!
大学卒業後、もっと気仙沼に寄り添いたい。現在、そのような思いで佐藤さんは気仙沼市市役所で勤務されています。市役所職員として気仙沼市を良くしようと尽力されています。
Q1. 東日本大震災当時どこでなにをしていましたか?
当時、都内の中学校で部活動に励んでいました。中学1年の最後の期末試験が終わり、ただ部活動のために学校に行っていました。しかし突然大きな部屋に集められました。そこでは震災の様子が大きなスクリーンに映し出されていました。
今日本でこんなことが起こっているなんて! 実感など全く湧きませんでした。震災の映像を何も考えられないまま何時間も見続けていました。その日は乾パンを食べて学校に泊まりました。
Q2.徐々に復興が進む気仙沼を見て感じたことは何ですか?
気仙沼市は、内湾エリアで防潮堤を建設するなど、人を迎え入れる準備をおこなってきました。しかし防潮堤は海との関わりを重視する住民にとっては否定的でした。このように復興を目指す上で様々な問題が生じましたが、その度に試行錯誤を繰り返してきました。
その結果、今の気仙沼は震災前を越えつつあります。ですが市街地に以前の面影は残っていません。
気仙沼についての以前の記憶が薄れてしまっています。過去の記憶を知るためにきちんと伝承することが非常に重要だと思います。
Q3. ズバリ気仙沼の魅力は何ですか?
おいしい食材がたくさんあることです! 魚介類は勿論、野菜もすごくおいしいです。
また、気仙沼が「ひとのまち」であることも魅力的です。気仙沼は昔から様々な地域からやってくる漁船を受け入れていました。その結果、たとえよそ者であっても温かく迎え入れてくれます。
さらに、チャレンジに寛容というところも良いところです。震災以降、復興のために若者が気仙沼を訪れました。彼らはスポーツで地域を盛り上げたり、自分達の得意なこと(または自分達にできること)をしたりするなど、復興を手伝ってくれました。そうした経験から、気仙沼は市内で行われる様々な試みを快く受け入れてくれます。
Q4. 気仙沼に期待する将来像は何ですか?
気仙沼市では高齢化が進み、直近では人口が6万人を下回りました。この状況への対策は他と似たり寄ったりにはするべきではありません。そして箱物だらけの便利な町はいりません。それは都会的な発想であり、田舎らしさ、先ほどの「ひとのまち」を重視したいです。箱物は田舎らしさを伸ばすための一つの手段とするべきです。種々の問題点は差別化した対策をとって、うまく田舎らしさ、そして気仙沼らしさを伸ばしたいです。
Q5. 大学生ボランティアにできること、やってもらいたいことはありますか?
町をよりよくするためにどうするか。このことをしっかり考え、知識を蓄えた上で発信することです。自分なりの考えをもってほしいです。そして今のようなコロナ禍で遠出が難しいときは、インフルエンサーとして可能な限り情報を広めてほしいです。現地に行ったときは見たものをベースにとしてより深いところまで発信してほしいです。
Q6. 気仙沼チーム所属当時に印象に残ったことを2つ教えてください。
お茶会で何度も同じ方と話していくうちに心を開き、震災当時の状況を話してくださる方がいました。そこではそんなこともあったのだな、と冷静に受け止めていましたが、帰りの夜行バスでその話が頭の中で再生され、思わず涙がこぼれてきました。その時のことが心に残っています。
また加入当時の2016年、この年は震災から5年という節目の年でした。私は地元で復興支援をしたいと思う一方で、チームの進む方向は私の気持ちとは違っていました。震災の伝承という、第二ステージに進もうとするチームの考えと私の考えに齟齬がありました。その後満足には活動できず、このことが気仙沼市で働くきっかけになりました。
Q7. 気仙沼と直接つながりのない人にどんなことを期待したいですか?
もちろん気仙沼に足を運んでいただきたいです。そしてリピーターになってほしいです。
また、この大震災によって被害を受けた地域は気仙沼だけではなくたくさんあります。震災の話を知っていただき、もしもの時に自分がどういう行動をとるべきか備えておくことです。そして大きな震災が起きても何とか生き延びることです。
今回のインタビューは以上になります。
インタビューにご協力してくださった佐藤望さん、ありがとうございました。
震災から11年経った今、その記憶は年々薄れてしまっています。その記憶を伝え、広めることも私たち大学生のできることだと再認識しました。また、「ひとのまち」気仙沼の魅力を語っていただき、次回の気仙沼訪問がより楽しみになりました。
次回となる第5弾は,
気仙沼で企業経営をされている加藤拓馬さんへのインタビュー記事を公開します。
ぜひお楽しみに!
最後までお読みいただきありがとうございました!