【4年生の想い】 『タカラモノ』 石田心菜
私って、どうしてサッカーを続けているんだろう。
自分のためなのかな?
それとも、何か別の理由なのかな。
私は、集団行動が得意ではない。
むしろ苦手な方だと思う。
みんなで同じことをするのが面倒に感じることも多い。
だけど、それでも私はサッカーをやり続けている。
サッカーそのものも大変だけど、サッカー以外の部分での問題もたくさん出てくる。
例えば、チームメイトとの関係、役割分担、勝敗によるプレッシャー、そして時には自分自身との戦い。
そういった競技以外の問題が、時に私の心を押しつぶしそうになる。
逃げ出したいと思ったことなんて、一度や二度じゃない。
何度も何度も、そんな衝動に駆られてきた。
いつからだろう。
練習が重荷に感じられるようになったのは。
いつから、サッカーの楽しさよりも、プレッシャーや責任感の方が勝るようになったんだろう。
周りに影響されるようになったんだろう。
サッカーを純粋に楽しめなくなったんだろう。
だからこそ、私は今一度問い直してみた。
「私がサッカーを続ける理由は何なのか。」
この先もサッカーを続ける意味はどこにあるのか。
その答えは「やりがい」であった。
ア女日記にも書いたように、
サッカーを通じて、沢山の人に出会うことができた。
楽しんだり、喜んだり、悲しみ、悩み、色々な経験をすることができた。
挫けそうになることもあったけど、沢山の人の支えに助けられて、自分自身を成長させることができた。
サッカーは、私の人生で一番の宝物になった。
私のプレーで、チームの勝利に貢献できることは一番の喜びで、
仲間と力を合わせてゴールを目指し、ゴールを守り、その成果が実を結んだあの瞬間の感動は、言葉では表現しきれないくらい嬉しい。
私のプレーをみて、色々な場所で声援を送ってくれる人達がいて、
私のプレーが、ただチームのためだけではなく、観ている人達に何かしらの影響を与えられたり、
誰かの刺激になって、まだチャレンジしたいと思ってくれたり、
「ナイスキーパー!」
「ここなのプレー凄かったよ!」
「これからも応援してるよ!」
などという声をもらったときは、
心の底から嬉しくて、サッカーをしていてよかったなって思う。
これが私がサッカーを続ける大きな理由だった。
だから私は、自分のためにも、誰かの影響力となるためにも、
これからもサッカーを続けようと思う。
もうすぐ始まる最後のインカレは、楽しみでしかない。
でも負けたら引退というプレッシャーも、正直言えば少し怖い。
だがそれ以上に、
自分自身が四年間でどれだけ成長できたのか
今のア女がどれだけの力を発揮できるのか
今の私の力を今のア女の力を最高の舞台で証明したい。
そして、これまでお世話になった方々への感謝をプレーで表現し、
私のプレーを観てくれる全ての人に、少しでも勇気や感動を届けたい。
昨年、
あと一歩のところで優勝を逃したあの悔しさを
逃したあの日から一日も忘れたことはない。
だから今年こそは必ず
日本一になる。
ア女でプレーできる最後の大会を
一緒に高めあってきた仲間と
最後の笛が鳴るその瞬間まで全力で戦おうと思う。