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【Insidestory2024】『リスタート』 1年 佐藤美海

本日、ア女日記を担当させていただきます。浦和レッズレディースユースから参りました。佐藤美海です。
拙い文章ですが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。




去年の11月、膝から聞いたことがない音がした。足に力が入らない。その瞬間、自覚した。「痛い」よりも「やってしまった」という気持ちで涙が止まらなかった。


診察の結果、前十字靭帯断裂。初めての大怪我。

パフォーマンスが絶好調な時期だった。
受験が終わり、レッズの「卒団」を意識し始めた時期だった。

そんな中、突然「終わり」を突きつけられた。

「レッズのみんなともう一緒にサッカーができない。」
6年間、苦楽を共にした大好きな仲間。

なんで今、なんで自分、何度も何度も自分を責めた。



手術をするとすぐに決めた。

手術はそんなに怖くなかった。はやく治したかったから。

でも手術が終わると、動かないくせに痛すぎる足。
実際に足が動かなくなると、サッカーをしているところを想像することができなくなった。

痛いよりも腹立たしさが強かった。
元に戻れない気がして怖かった。




コツコツリハビリを続け、松葉杖がとれた頃

環境が変わり初めて部活に入った。

でも、初めからずっと端っこでリハビリ。

みんながプレーしているところを毎日外から見てた。


悔しい、羨ましい

そんな気持ちと同時に

「怖い」と思った。


もう一度怪我するのが怖い

チームに途中から合流するのが怖い

リハビリの強度が上がるほど、復帰が近づいているのに「怖さ」が増した。



それでも、多くの人の言葉に、プレーに元気と自信をもらった。

膝の先輩が、プレーで「大丈夫だよ」と示してくれた。

徐々に練習に合流し始めたときに、みんなが声をかけてくれた。



ア女のみんなとはやく一緒にプレーしたい

そう思えるようになって
「怖い」が「楽しみ」に変わった。





そして復帰した。

点を決めた。

仲間が笑顔で駆け寄ってきてくれる

サッカーをやってる中で1番大好きな瞬間だ。

試合後もみんながおめでとうを言ってくれた。


怪我をして、当たり前にサッカーができることがどれだけ幸せなことかを身にしみて感じたからこそ、このゴールは本当に嬉しかった。





自分は周りの人に恵まれすぎている。

今まで関わってくれた多くの方々

こんな私を置いてけぼりにしないで手を差し伸べてくれる先輩方

個性が強くて頼もしい同期

そして、1番近くでいつも見守ってくれている家族

今回の怪我も自分一人では諦めていたかもしれない。

本当に多くの人の支えがあってピッチに戻ることができた。



ここからは、プレーで恩返しをする。

プレーでア女に貢献する。

まだ怪我した瞬間を思い出すと怖い

怖くてプレーできなくなる。

それでも、怖さを乗り越えてもっと強い選手になる。


この新たな大好きな場所で、新たなスタートを切る。

●佐藤美海(さとうみう)
学年:1年
学部:スポーツ科学部
前所属:浦和レッズレディースユース

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