『君たちはどう生きるか』感想 ~漏りはこう生きたンゴよ編~
「「せーの、君泣き~!!」」
以下ネタバレ
ざっくりした印象
面白かったし、すごい映画を初日に前情報なく見れたので本当に良かったんですけど、よくよく考えるとめちゃくちゃ怖い気がして、君泣きしています。
見ててぼんやり思ったこと
変な形の建物や地形とか、幻想的な景色とか、洞窟に蠢くキモい虫とか、子供のときジブリを見ていいなって思っていたものがたくさん盛り込まれていて、見ていてずっと楽しいのでよかったです。
ヒロインが人妻と婆だけなのはかなり迫力がありますけど、大丈夫なんですかね。
鳥について
君生きバード、普通にキモいオッサンになってしまって、君泣き…。
扱い雑だったけど、なんだかんだメインキャラの風格だった気がします。
お前のこと、忘れたくないぜ…。
君生きバード以外にも、ペリカンとかセキセイインコとか、結構鳥が出てきました。全部なんか気持ち悪かったですが…。
鳥ってもっとふわふわしていたりシュッとしていたりして愛らしい生き物なのに、キモい足とか意外と重量感があるところとかバサバサしているところとか糞を撒き散らすところとか、鳥の醜いところを描くのがうますぎる。
鳥帝国の天井の梁に鳥避けのトゲがあるの、鳥同士でもそれやるんだ…って思いました。
ジジイ
この作品の主人公というかメインキャラって、眞人じゃなくて塔の爺さんだったと勝手に思ってます。
爺が出てきたとき、ハヤオのかわりに説教をするのかとワクワクしたんですけど、結局、爺は塔の中で世界を守るために積み木をして、少年に代わってもらおうとして断られ、ダイオウに全部めちゃくちゃにされただけで、説教っぽくならなかったのはいい意味で裏切られた感じがしました。その一方で、(ジジイの説教は誰も聞かないというのをよくわかってるということも含めてジジイっぽいよな……)って思わなくはなかったです。
ただ、爺が石を積み上げてたことが創作の比喩だったとしたら、「石を積む仕事を少年に託せずに全部終わってしまったこと」が後継者を育てられなかったことをあまりにも直球で表現しているんですよね……。
宮崎吾朗エンドロールにいたのに…。
放映前、
みたいなツイートがありましたけど、
https://twitter.com/Hikikomori_/status/1677588213047889920?t=ya9s7FIdQgRmOrJvbT87gw&s=19
この映画って多分まさにそれに正面から答えているぽいんですよね…。
爺(大叔父)が宮崎駿で、隕石の上に建てられた塔がスタジオジブリで、少年(眞人)が後継を目されていたアニメ監督で、インコとペリカンがジブリの商業化に関わっていたスタッフたちだとしたら、爺が積み石を奪われて塔が崩壊して鳥たちが追い出されたのって……。
最後の映画でこんなことしていいんですか?
本作は宣伝を全くしないという商業的には悪手に思える謎のムーブをやっていましたけど、このあたりを踏まえるとかなりメッセージ性を感じて、こわい。
結局よくわからないところ
石が後妻を返さなかった理由がよくわからないでいます。どう解釈すべきなんですかね。
石の中で人の魂が転生していたのは、ジブリの中でキャラクターや物語が生み出されることを意味していたのかなって思いました。途中で食べてしまうペリカン、嫌すぎる。
まとめ
自分がどう生きようとかは全然思わなかったけど、どう生きたかを見せつけられて圧倒されちゃった!という感じでした。
まあメッセージ性とかは置いておいて、クオリティ高くて幻想的な映像が見れて「君生き、最高~~!」という感じです。
この夏、劇場で、君泣き!!