息子がうんちとわかるまで

息子がうんちとわかるまで、582日。
いつもと同じ1日だった。いつものように夕飯を終え、あとはお風呂入れば1日が終わるなぁと少しほっとした気持ちになる頃。いつものように力み出した息子を眺めながら、私はいつから自分の便意はさて置いたとしても他人の排便をゆったりと眺めるようになったのか…とくだらないことを考えていた。そろそろ出し終わったかなぁと声をかけようとしたら、その時は訪れた。「まんまぁ」とこちらを振り返り、おもむろにオムツをパンパンと叩いたのだ。思わず真顔で見つめ返してしまった。もしかしてうんち出たよって教えてくれている…?なんということだ、全然"いつもと同じ"ではないじゃないか!!そこからは自分でも毎度驚く猫撫で声ですごいねぇ、うんち教えてくれたのありがとうねぇ〜!!となでなでぎゅっぎゅしておむつを変えて、褒め散らかされた息子は満足そうに教育番組が流れるテレビの前に踊りながら戻っていった。
いつもと同じだと思っていたのに、いつのまに息子はこんなにも成長していたのか。いつの間に今出たものがうんちとわかり、それが出たらおむつを変える、と理解していたのか。そしてそれを母に伝えようとしただと…?なんてことだ、もうしっかり人間してるじゃないか!この時初めて今目の前にいる息子は、いつでも"はじめまして"の息子なのだと実感した。それくらいのスピードで毎分毎秒進化しているのだ。それに気がついた時、今さらだがこの毎日を少しでも覚えておかなくては、書き留めておかなければと焦りを感じた。今までの人生日記すら続いてこなかった私だけれども、疲れた時、悲しい時、嬉しい時、1人になった時、読み返せば自分を励まし慰めることのできることが確実なのだから少し頑張って書いてみようと思う。…毎日は無理だけど。だから、これは私のひとりごと育児日記。愛すべき楽しいだけじゃない毎日のこと。
ひとまず、息子がうんちが出たとわかるまでには582日かかった。なんだか一気に育った気分がする。ひとまず今日までお疲れさま自分、明日も教えてくれよ息子!

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