2022年3月15日 東京地方裁判所 裁判傍聴を終えての所感②(深田萌絵裁判 ジェイソン・ホー(后健慈)証人尋問)
前回は小学生に傍聴のマナーを教えるような投稿になってしまいましたが、今回は"平成25年(ワ)31235号"&"平成27年(ワ)2695号"3月15日証人尋問の内容について私の所感を述べさせていただきます。
0.結論
長くなるので初めに結論を書きます。今回の証人尋問は裁判の判決に影響を与えるようなものではなく地裁が被告の主張を最後まで聞き届けたに過ぎず、判決は原告藤井さん側の主位的請求が認められるか、それとも予備的請求になるのかのどちらかだろう、というのが全体を通しての私の見方です。
なぜならば、以下の事実により証人であるジェイソン・ホーの証言が認められることは無いであろうと思われるからです。
まず別件で藤井さんによる技術詐取、債務不履行責任は認められないと判決が出ています。深田萌絵さん側は控訴していますがその後の進展は不明、とはいうものの、6年以上前の話なので既に決着が着いているのかも知れません。
原審 平成26年ワ2779
高裁 平成28年ネ1198高裁第10民事部
原告 Revatron株式会社
被告 株式会社Alpha-IT System
■技術詐取
■債務不履行責任
次に深田萌絵さんが告発した藤井さんによる虚偽告訴、出入国管理及び難民認定法違反の件は去年不起訴となっています。(ちなみにこのツイートのツリーを全て読めば以降の説明は一切不要なんですけどね。)
そして深田萌絵さんが証拠だと触れ回っている中国から入手した書類ですが、"国籍"を意味する箇所には「日本国」と書いてあります。
従って原告の藤井さん側にとっては不毛な証人尋問でしょう。但し、「被告の主張を全て聞いた」という実績を作った意味はあるのかなと思います。
以上が私の結論ですが、以降で私が個別に気になった点をお話ししていきたいと思います。
1.請求の趣旨
極一部の方が勘違いされているので確認の意味でお話ししておきます。本訴訟は損害賠償請求事件。深田萌絵さんが言っているような"軍事技術移転隠蔽事件"、"F35技術盗難事件"などではありません。何より被告は深田萌絵さん側なのでそんな事件名称になる訳がないでしょう。この事実を大前提として、訴状にある請求の趣旨を見てみましょう。
簡単に言うと主意的請求は"(詐欺的行為なので)契約書記載にある利息に上乗せした金額を払ってください"であり、予備的請求は"契約書通りの金額を払ってください"という事です。シンプルで誤解しようの無い請求内容だと思います。
一方で被告である深田萌絵こと浅田麻衣子さんと周りの人達は「これはただの1000万円の訴訟ではない!」などと息巻いているのですが、上記請求の趣旨に書かれている通り、これはただの1000万円の訴訟です。他に訴えたい事があるのならば別件で提起すべきでこの訴訟で扱う話ではないでしょう。少なくとも日本の司法制度には訴訟内容に関係の無い他の民事・刑事事件を一緒くたに扱う仕組みというものはありません。
2.証人の宣誓と経歴
証人尋問に先立つジェイソン・ホー(后健慈)さん(以後、ホーさんと記述)の宣誓。”私は、良心に従い何事も隠さず、嘘をつきません”(英語)
そしてこれが最初の質問と回答なのですが、
この話が事実であればかなり高度な技術を持つエンジニアという事になるのでしょうが、果たして本当なのでしょうか?
この件については八洲子さんがまとめてくださっています。専門家に話を聞きながら専門知識の無い方にも理解出来るように仕上げられていますし、根拠となるソースは概要欄にリンクが貼られているので自分で確認する事も出来ます。ご興味ある方は是非ご覧になってください。
まず全体感を掴みたい、という方には総集編から入っていただくのが良いかも知れません。
動画を見ればわかりますが、結論としてホーさんが語った経歴は事実と異なります。確かにホーさんにはF35の開発に関わった形跡がありました。しかしそれはF35開発の中心となったロッキード・マーティン社の協力会社(所謂下請け)であるカイザーエレクトロニクス社の協力会社として、カイザー社が受注したフライトコントロール/ディスプレイシステムで使われるチップのうちの1つを作る契約を結んだのがホーさんの会社であるMai Logic社だった、というのが実際のところです。
"主力級の設計者"とはかけ離れた実像。つまりホーさんは、”私は、良心に従い何事も隠さず、嘘をつきません”と宣誓した舌の根も乾かぬうちに嘘をついたという事になります。
余談になりますが、動画を全て観ればホーさんのMai Logic社がチップの不具合を修正出来ずカイザー社から見切りをつけられてしまった(最終的に納品出来なかった)事、結果的にフライトコントロール/ディスプレイシステムはカイザー 社ではなく他社製品が採用された事、ホーさんが設計した製品をまともに動作する状態で世に出した形跡が見つけられない事、台湾で元指名手配犯だった事などが明らかにされています。
経歴紹介の時点で既にホーさん主張の前提が崩れてしまっています。この件をあらかじめ知っている身としては後に続けられる話も大方予想出来てしまい、異常な忍耐力を試される我慢大会の様なものだったと申し上げておきます。
3.主尋問における証人の主張
①訴訟内容とは無関係の尋問
証人の経歴紹介後も主尋問は続くのですが、この話のどこが今回の裁判と関係があるのか私にはさっぱりわかりません。
・私はスパイ活動の被害を受けた
・私は中共の罪と戦っている唯一の存在
・拉致され、毒を盛られ、銃を向けられた
この関係も根拠も無いやり取りを見かねた原告代理人の梶原弁護士から、尋問内容が訴訟に関係ないとの異議が出されましたが当然のことだと思います。但し裁判官は主尋問を続けるよう指示。内容がどうであれ言い分を最後まで聞きましょうという事なのでしょう。
繰り返しますが本件は損害賠償請求事件です。例え原告の藤井さんがどのような人物であろうと返還義務のあるお金なら返さなければなりません。「契約書自体が無効なので返還義務は無い」といったような話ならわかるのですが、被告側がそういった趣旨の反論を展開しない事が不思議でなりません。
②契約書を確認しておきましょう
原告と被告との間にどのような契約が結ばれたのかについてははっちーの兄さんがまとめてくださっているので引用させていただきます。
第四条に 「保証金」という名目ですが返還期限、第五条に遅延時の年利が明記されていますし、返還を妨げる条件もありません。
③脱線は続く。FBI被害者保護プログラムを受けたか?
尋問の中でホーさんは「私はFBI被害者保護プログラムを受けている人間だ」と盛んに言っていましたがこれも眉唾。
深田萌絵さんは自身のブログで上記の様に書かれているのですが、FBI被害者保護プログラムを受けたとされる2005年の前と後でホーさんの名前が変わった形跡はありません。ZFさんの検証記事を読んでも、NiaoFuiさんのまとめを読んでも同じ名前を使い続けている事実がわかるだけです。
そして深田萌絵さん自身が証拠として出したこの文書もただの案内状のようなもので、ホーさんがFBI被害者保護プログラムを受け名前が変わった事の証拠にはなっていません。
④18人のCIAエージェントが犠牲に?
そしてついにホーさんはこんな事を言い出しました。
私も18名のCIAエージェントの話は初めて聞きました。この「身元ID」の件についてはつい先日八洲子さんがまとめてくださっています。
同じ話なのに何故、こんなに言う事がコロコロ変わるんでしょうね。ここで私は深田萌絵さんを支持している方に聞いてみたい事があります。
身元IDを入手する為にCIAエージェント18名が犠牲になる様な危険人物と10年近く対峙している深田萌絵さんは何故無事なのですか?深田さんにCIAエージェント18名を凌ぐような特殊能力でもあるのでしょうか?
⓹ソースコードを複数回に渡って提供??
これは私にとって上記④のCIAエージェント18名が犠牲になった話並みに理解不能な証言でした。
複数回に渡って提供したところで最終的にコードが全て揃ってしまえば意味を成さないし、私ならどうしても見られたくないコードがあるのならスタブモジュール(本物の代用品)に差し替えて動作するものを提供しますが?。。。の以前にホーさんは何のためにコードを提供したのかが私には理解出来ません。藤井さんに技術を見せたかったからじゃないんですかね??(藤井さんの証言では結局コンパイルすら出来なかったようですが、ここではそれは置いておきます。)
➅Revatronの技術?
さて、ホーさんはこんな事を言っていましたが、Revatronの技術とはどのようなものなんでしょう?
客観的な確認が出来ないので結局わからない、としか言えません。Intel、NTT、トヨタ、日産。。。数多くの一流企業から評価されている会社なのに、特許も商標も確認出来ないのは何故でしょう?
※J-PlatPatは3/28までサービス停止中なので、メンテナンス明けに改めて検索をかけてみます。
**【7/20追記】start
以下がJ-PlatPatでの検索結果です。やはりホーさんが今持っている特許は見付けられませんでした。さらに拒絶・抹消されたものも普段深田萌絵さん・ホーさんが言っていたり、Revatronのプレスリリースに出ている”凄い技術”とは関係なさそうなものばかりです。
**【7/20追記】end
4.反対尋問における証人の主張
ホーさんは被告代理人からの反対尋問に対しては真摯に向き合おうとせず、話をはぐらかし続けました。私の3/17付け投稿をご覧ください。
・1000万円を受け取った理由
・1000万円の預かり期間
・預かった1000万円の行方
・具体的にどの様なデモを行ったのか
・証拠の音声はディープフェイクか
・事前案と比べ返済条件が厳しくなった件
・20億円のビジネス企画を知らなかったのか
くどい様ですが本件は1000万円の損害賠償請求事件なので、上記被告代理人の質問は至極真っ当なものなのです。しかしホーさんは真面目に答えようとしません。特に酷いと感じたのは自社の20億円のビジネス企画を経営者のホーさんが”知らない”と証言した事と、"証拠の音声がディープフェイクであるかどうかわからないのか?"の問いかけに"はい"と証言した事です。
■20億円のビジネス企画
■証拠音声のディープフェイクについて
従業員数名規模の会社の経営者が20億円の企画を知らない事など常識的に考えてあり得ないですし、「これまで証拠音声はディープフェイクなので無効だ」とyoutube、書籍、講演会、SNSで散々主張して来たのは何だったのでしょう?(そもそも証拠音声がディープフェイクだとすると、藤井さんはRevatronの株主の件、FBI被害者保護プログラムの件、ホーさんの特許所持数、Revatronが国金からお金を借りられなかった件など、深田さん側の当事者しか知り得ない事を知っていた事になるので論理的に破綻しているのですが)
5.何の為の証人尋問?
この証人尋問はおそらく深田萌絵さん側から要求したのだと思いますが、冒頭の結論でも述べたように原告の藤井さん側にとっては被告の主張を全て聞き届けた、という実績が出来た以外の意味はありません。一方で被告側の深田萌絵さん側はどうでしょう?
私が思うに深田さん側は3/15の証人尋問以前に、この訴訟で自分達に有利な判決が出ない事はわかっているはずです。にもかかわらず敢えて証人尋問を行ったのは支持者を扇動して地裁に集め、地裁前や法廷で戦っている自分を演じる為なのでしょう。
常識的な判断力があれば深田萌絵さんの扇動になど乗る訳はないのですが、残念ながら彼女の支持者はいとも簡単に騙されてしまっているのです。
6.最後に
私はこの投稿を深田萌絵さんの支持者にわかって貰おうなどと考えてはいません。10か月ほどSNSで彼女の支持者とやり取りをしていて思い知らされました。既に彼女の周りにはこの話を理解出来ない人か、理解しようとせずに彼女を利用する人しか残っていないのです。
深田萌絵さんとホーさんのやっている事は一体何なのか、という問いに対する私の答えは、”日本の為でも政治的な思惑でも分断工作でもなく、単に自分達の利益をビジネスではない何かで追及しているに過ぎない”です。
深田萌絵さんのやっている事は悉く出鱈目で悪質ではありますが、世間的には無名で影響力など無いと言っていいと思います。それでもやはり関わった方にとっては迷惑極まりない話なので、今後も自分の負担にならない範囲で声を上げていくつもりです。
最後に記事、動画、tweetを引用させていただいた多くの方々に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
以上
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