弾劾可決(2024.12.14)後の尹大統領の立場文
2度目の弾劾訴追案により、尹大統領の弾劾が可決された。
非常戒厳の発令から弾劾可決までの流れ・・・あの寒いソウルの夜に人々が国会前に集まった姿、連日多くの人々がデモに参加する姿を見ながら、私なら、日本人ならあのように行動できただろうか、と韓国の政治参加への強い意志に尊敬の念を抱いた。
その一方で、韓国国内の深い対立構造・・・国民が保守と進歩に二分され、立場が違えば友人にすらなれない排他的な意識、国会で多数を占める野党が弾劾を乱発し、大統領は口をきわめて野党陣営を批判するその姿をこれまで見てきた。民主主義とは大勢が少数を叩き潰し、互いに憎しみ合うのではなく、議論によって世論を形成し少数者を尊重する、そう言った理念ではないだろうか?
正当な理由なしに発令された「非常戒厳」という事態を、流血なく終わらせたことに賞賛を送りつつも、尹大統領のこの「立場文」にあるように「暴走と対決の政治から、熟議と配慮の政治に代えることができるよう、政治文化および制度を改善することに関心と努力を傾けてください」の意味を考える時期に来ているのではないかと思う。
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尊敬する国民の皆様、
今日、国会の弾劾訴追案が可決されるのを見ていると、初めて政治参与を宣言した2021年6月29日が思い出されました。
この国の自由民主主義と法治は崩壊していました。
自営業者の絶望、青年らの挫折が全国に満ちていました。
その熱い国民的熱望を抱いて政治に飛び込みました。
その後、一瞬も休むことなく、全力で働いてきました。
大統領になり、現場の国民に会ってみると、全政府の所得主導成長政策によって小商工人と自営業者が悲鳴を上げており、不動産のローンのために青年と庶民がうめいていました。
しかしじっくりと困難な事情を聞き、少しずつ問題を解決した時、何よりも大きな幸せを感じました。
輸出が生き返って経済が活力を取り戻し、少しずつぬくもりが広がっていく姿を見て力が出ました。
崩壊していた原発生態系を復元させ、原発輸出まで成し遂げました。
未来のために必ず必要ですが、選挙に不利になるかもしれないと、これまでの政府ができなかった4大改革を切迫した心情で推進してきました。
国民のために悩み推進していた政策が足を引っ張られた時には、歯がゆくて夜も眠れませんでした。
韓米日共助を復元し、グローバル外交の地平を広げるために昼夜を分かたず駆けまわりました。
大韓民国1号営業社員というタイトルをかけて世界を駆けずり回り、成果を収めた時には、言葉では説明することのできない大きな張り合いを感じました。
大韓民国の国際的位相が高まり、われわれの安保と経済が強固になっていく姿に疲れも忘れました。
いま、つらくも幸せで、苦しかったが張り合いに満ちていたその旅程を、一時止めることになりました。
これまでの努力が無駄にならないかともどかしいです。
私はいま、一時立ち止まりますが、この2年半、国民と共に歩んできた未来に向けた旅程は決して止めてはいけません。
私は決して放棄しません。
私に向けた叱責、激励と声援を全て胸に抱き、最後の瞬間まで国家のために最善を尽くします。
公職者の皆様にお願いします。
困難でつらい時間ですが、揺らぐことなく各自の位置(職場、くらいの意味)を守り、担った役割を果たしてください。
大統領権限の代行を中心として皆が力を合わせ、国民の安全と幸せを守ることに最善を尽くしてください。
そして政治圏にお願いします。
いま、暴走と対決の政治から、熟議と配慮の政治に代えることができるよう、政治文化および制度を改善することに関心と努力を傾けてください。
愛するわが国民の底力を信じます。
われわれ皆、大願民国の自由民主主義と繁栄のために力を合わせましょう。
ありがとうございました。