「マジカルミライ2024ライブセトリの考察」〜セトリの文脈を勝手に読むオタクの図〜
【⚠️注意⚠️】
この記事には『マジカルミライ2024』のライブのネタバレが致死量レベルで含まれております。
大阪で楽しみたい方やDVD・Blu-ray発売までネタバレ回避をしたい方は悪いことは言わないので今すぐに回れ右をしてブラウザバックしてください。
それでも『大丈夫だ。問題無い。』な人はこのまま記事をお読み下さいませ。
大丈夫ですか?後悔しませんか?
本当に後悔しませんね?
…失礼しました。では、早速話して行きましょう。
■今年のマジミラ、色々エグすぎた。
本当に今年のマジミラのライブ喰らいすぎました。
特に自分はセトリやら曲の歌詞やらでライブの流れや文脈を辿ってしまうタイプのオタクなのですが、今回のセトリ『文脈オタク全員ぶっ〇すよ♡』みたいな形相になってて、私はライブ後ヤムチャ状態になりました。
なるべくこの熱を逃がさないようにしたいと思い、今公演後の現地の会場の幕張メッセで再入場列の長さを横目に流しながら書いてます。(マジミラさん、来年は企画展3ホール借りてやりません?あ、ライブはイベントホールとかどうです?)今回、自分がライブで感情をぐちゃぐちゃにされながら必死に文脈を考えてながらこのライブを見た時の感想やら個人の文脈考察をただただ垂れ流そうと思います。
すでに見た方も改めてセトリを眺めて、文脈で殴られてみてはいかがでしょうか?
また、あくまでこの記事は『ただのセトリ文脈ヲタクの暴走』の結果です。解釈は人それぞれですので解釈不一致なところがあったり、殴り書きみたいな感じで書いていますので、もし支離滅裂な発言や矛盾があっても許してください。
■マジカルミライ2024 セットリスト(※これより先、ネタバレ注意!)(東京公演終了時点)
■筆者が思う『今年のマジミラの文脈』
今年のマジミラのテーマは『ファンファントリップ』。言っちゃえば、旅がテーマということです。そして、そこから私が感じた今年のマジミラライブのテーマ、文脈は……
『人生』と『出会いと別れ』
だと思います。
「人の人生は長い旅」
……と、良く例えられます。その中でたくさんの出会いと別れと挫折と讃歌。そして、その人生という旅に私たちは色々な形でミクさん達と出会う。その出会いの前と後……そこから紡がれる沢山の物語……そんな文脈を感じました。
■曲ごとにマジミラ2024ライブを振り返る
□OPmovie
個人的に歴代上位レベルで好きなOPでした。『ファンファントリップ』という旅が始まる高揚感をダイレクトに感じられる映像だった…まじ良い…
□1.ブリキノダンス〜4.(日替わり)HERO/Ayase or フューチャー・イヴ/sasakure.UK
中毒性が高く、考察等を見ると宗教的なエッセンスが強い曲。
まさにミクさんを好きになり、このマジミラという場所で誰彼も関係なく熱狂する。正に『優劣など無いさ回れ踊れ』であり、傍から見ている人は言ってしまえば映像の存在に対してここまで熱くなる私たちはある意味、『初音ミク達の狂信者』でもあるということを突きつけられる感覚にもなった。
誰かを好きになること、誰かを推すということが当たり前になった世の中。
誰もが誰かの狂信者となり、誰もが誰かの神様になるかもしれないという世の中で、何故、私達は初音ミク達やそれに付随する文化を推すのだろうか?
人生を生きていく上で辛いことや悲しいこと、普段は建前として隠している感情。そんな感情を今、このライブの間だけは世間体を投げ出したり、狂ったように泣いたりしてもいいんだぜ。それが全て許される場所がここなのである。前のブリキノダンスからの繋がりも感じる。
どちらも『好き』や『愛』を叫ぶ歌。『愛の詩』は好きなことや愛や熱を応援し受け入れ、『すきなことだけでいいです』では好きや愛を貫きたいけどそれを貫けない。受け入れて欲しいけど受け入れてくれない。そんな、世間体や現実の辛さや歯がゆさを感じさせる。
好きや愛を表現してもいい、出しても否定されない。そんな創作の居場所を作り上げた『初音ミク達』はたくさんのクリエイターにとっては『HERO』になったり、『魔法』になったり、まさに『神様』のように感じる人も居ただろう。それは勿論、ファンやリスナーもだ。
□MC
ここでMCが入る。
『今日という一日を楽しい思い出にしようね!』
と、うろ覚えだがミクさんが言ってくれる。
そう、今日という一日も人生という長い旅の一瞬でしかない。が、その一瞬でその人生が大きく変わる人もいる。まさに今のこのライブが誰かの人生を変えるかもしれない。そんな場所に居るのかもしれない。
□5.SUPERHERO/めろくる
筆者は東京三日目昼公演を見たので『HERO』からの『SUPERHERO』で浴びたので、「これこれ!これをやって欲しかった!」ってなりました。
私はMVを見ていたので、ヒーローに憧れて目指そうとする構図が創作する人達を見て、憧れて、「自分も創作したい!」と思い、創作し始める人が見えました。
□6.Call!!/沫尾〜8.REALITY/マイナス(ワンダフル☆オポチュニティ!)
『圧倒的カッコいい』だったカイメイパート。これ、青廃さんとMEIKO親衛隊さん生きてましたか…?
文脈的には前曲から一転、『なかなか上手くいかない現実』に分からされるが、
抗っている。頑張って抗っている。『なにくそこんにゃろーー!!』って感じである。特に『REALITY』がかなり現実に抗っている。世間に他人の評価、流行り廃り…様々なものに飲まれそうになっても、自分の中にある『好き』という気持ちや『愛』をまだしっかりと持っている。意志を感じる。
□9.新人類~11.踊
はい、人類退化しちゃいました。
前3曲を聴いた後にこの曲聴いちゃうと、この『新人類』に対して、世間や流行り・廃りに対しての絶望というのを個人的に感じてしまう。
コンテンツ飽和時代の中でたくさんの曲が生まれ、それがたくさんの人に聞かれたとしてもそれを世間は一瞬で消化し、また新しい餌に人はどんどん群れていく。
そんな時代のクリエイター側の絶望と流行りや流れに乗っかっていくだけの人間の思考停止感を凄い感じてしまった。
まだ……!まだ抗ってる!前曲からかなり打ちひしがれてるけど、まだ頑張ってる!
葛藤して自暴自棄になったりしているけど、前を向いて進もうとしている。そんな意志を感じる!!
こーれはK.O.です。打ちひしがれちゃいます。
創作の敵は世間や評価だけではないです。
同士としてやってる人の中には圧倒的な『才能』や『センス』でぶん殴ってくる人もいるでしょう。
勿論、センスや才能がある人も『努力』が無くては輝くことが出来ません。しかし、同じくらいの努力をした場合、センスや才能がある方が有利です。しかも、その差は努力では埋めることが難しいどころか不可能かもしれない。
そんなものを目の当たりにしてしまうと、多くの人が戦意消失しちゃいます。『頑張ってもどうにもならないかもしれない』『何をやっても無理かもしれない』『自分には才能やセンスが無い』そんな絶望感。しんどい。
現在、歌い手として圧倒的な実力と知名度、人気を誇っているAdoさんのオリジナル楽曲のカバーというところもこの解釈を加速させてるかもしれません。
□12.lost and found / ashcolor~14.陽だまりのセツナ / 赤乃わい
完全に夢や希望も失い、戦意喪失してからきっと誰かに励まされているのだろう。それは大切な人かもしれないし、誰かが作った曲や創作からかもしれない……人によって色々だ。でも、そこから人は勇気や元気を貰えるのだろう。
励ましてくれるのは、人や創作だけでは無い。思い出や自分自身の経験が力になってくれる事もある。
『あの日々があったからまだ頑張れてる』
そう思える日が来ると信じて、この辛い日々を頑張れるのかもしれない。
しかし、そんな人や思い出にもいつか別れなければならない。違う道に進むために、夢を追いかけるために、思い出や過去に縋らないようにするために…色々あるだろう。
□15.(都市別?)【福岡】アンハッピーリフレイン/wowaka 【東京】すろぉもぉしょん/ピノキオピー
対照的な曲調と雰囲気の2曲だが、共通するのは『人生の終わり』『死生観』である。
『人は必ず死んでしまう』そんなことを対極的に突きつけてくる。
『アンハッピーリフレイン』はかなり衝動的な絶望感が強い。また、2019年に逝去したwowakaさんの楽曲というのが、嫌でも死への想像を加速させてしまう。
『すろぉもぉしょん』は最終的には「大丈夫だよ」とは言うが、漠然と人生や死に思いや思考を馳せている。
誰だって死ぬ事は怖い。普段は考えない…と言うよりは考えたくも無いことだとは思うが、精神や身体が追い込まれてしまうと嫌でも考えてしまうだろう。
□16.(日替わり)快晴/Orangestar or Calc./ジミーサムP
この2曲に共通するのは『別れ』について歌っていること。これは人間が何かに対して別れている描写であり、これは人は勿論だが、初音ミク達に対しても当てはまる。ただ、初音ミク達に対しての別れだとこの先のストーリーを語る上での時系列が崩れてしまうので、ここだと大切な人に対しての別れだと解釈している。それもただの別れではなく永遠の別れだと解釈している。
□17.(日替わり)僕が夢を捨てて大人になるまで/傘村トータ or 命に嫌われている/カンザキイオリ
2曲に共通すること。それは「この先もつらく苦しいことが沢山待っているかもしれない人生」と「死という人生の終わり」に対して向き合い、それでも生きていこうと進んでいくということ。
どれだけバカにされても、打ちひしがれても、世間が見向きもしなくても、才能やセンスに追いつけないかもしれないと感じても、あの日・あの時に感じたワクワクと希望、そしていつの間にか忘れてしまった夢を大切に持って、再び歩き始めます。
□bandintroduction
ここでバンド紹介が挟まります。ここで例年と違う演出が。
例年だと、『そして、ボーカルは?せーのっ』『初音ミクーー!!』というくだりがあるのだが、今回はミクさんだけでなくピアプロキャラクターズ全員が登場し、全員の名前を呼ぶ演出に。
これにも文脈を見出してしまうのが文脈オタクです。
これは前曲で歩き始めた人がピアプロキャラクターズに出会い、ボカロの文化や創作に出会うスタート地点…みたいな感じで解釈しました。そう考えると、その後の流れがやばく感じます。
□18.(日替わり)Satisfaction/livetune or テオ/Omoi
どちらもミクさん達の力を借りてまた夢に向かって走り出したそんな進む力を感じる。
また、『テオ』のニコニコ動画の方の概要欄には『不屈の歌です。』という文言があります。
今までに感じた挫折や絶望さえも燃料にして再び夢に向かって進んでいく。今までの分を取り戻す為に足を止めることなく歩んで行く。勿論、ミクさん達と一緒に。
□19.(日替わり)グリーンライツ・セレナーデ/Omoi or ブレス・ユア・ブレス/和田たけあき(くらげP)
どちらも初音ミク達に言葉や想いを託したクリエイターの心情とそれを後押しする初音ミク達の構図が見える。ただ、最後には『振り返ると遠く手を振ってくれるキミも』や『もう君に 僕なんか必要ない 僕に君も必要ない』と別れも示唆されている。
ボカロ界隈で大きく評価されメジャーデビューをキッカケとしてボカロから離れていくクリエイターもいるが、その事に対してミクさん達が前向き捉えようとしているようにも感じる。『ハロー、ハロー、ハロー』や『この先のどこかで出会えるキミも』と未来での新たな出会いや再会を待つ描写もある。
□20.ノヴァ/*Luna
クリエイターの中には勿論ミクさん達と共にその先の道へと進んでいく人もいる。
そんな多くのクリエイターの想いを込めた作品達はインターネット上でノヴァ(新星)のように輝き世界へと響いていく。
□21.初めての恋が終わる時 / supercell
これは初音ミク達目線で見た人間との別れに対する心情のように感じる。
初音ミク達は言わば不老不死の存在。人間であるクリエイターやファン、リスナーとは必ずいつか別れがやって来てしまう。初音ミク達に対して興味関心が無くなったり、忘れ去られたり、もしくは命の果てにたどり着いてしまったり、突然の出来事で人生が終わってしまったり、様々な形で終わってしまう。そんな人間に対して初音ミク達が意志を持っていたとしたら、どんな風に「ありがとう」「サヨナラ」をするのだろうか?
□22.アンテナ39/柊マグネタイト
トリップミクさん可愛すぎ泣いた。
ミクさん達はいつでもどこでもどんなところでも、インターネットという場所があれば沢山の人に音楽を届けてくれる。例え、造り手がミクさん達から離れたとしても、死んでしまったとしてもその歌を全力で届ける存在だ。
この創作の文化に初めて触れたワクワクと想いを全部私たちに預けて!新しい世界を見に行く準備はいい?とミクさん達から背中を押すように誘われているように感じる。
今回はミクさん達がツアーガイドのような形でこのライブの旅をしてきたが、今度は人間側である私たちがミクさん達を様々な場所に連れていくツアーガイドになる番でもある。勿論、その方法は多種多様だ。
流行りや世間体、そんなものはぶっ飛ばして『好き』を貫いて行ければみんな圧勝だし、優勝でしょ!!
『好き』『愛』は誰にも邪魔出来ない!
そして、そんな気持ちはどんどんと次の世代へ今の自分達が繋いで行こうという意思がある限り確実に初音ミク達という依代を通じて繋がり、引き継がれて行き、終わることは無い。もしかしたらこれが私達が初音ミク達に惹かれる理由の一つかもしれない。
そして、そんな次の世代への『はじめまして』、前にいた人への『久しぶり』、今も追う人への『これからもよろしく』。それぞれの人生にこのマジカルミライが交わり、新しい未来に繋がっていく。そうしてこのライブの物語は終わっていく。
□【アンコール】23.ボルテッカー/DECO*27・24.Hand in Hand/livetune
文脈としての物語は前のアンテナ39で一区切りついているという解釈をしているのでアンコールの2曲はただの感想を呟きたいと思います。
やるとは思ってたし、予想はしてた。でも、いざやられるとヤバい。やばかった。(語彙力が無い)
テーマソングとして初登場のマジカルミライ2015からライブ皆勤賞。もはやマジカルミライ全体のテーマソング、アンセムとなりつつあるHand in Hand。
しかし、今回はサプライズ。なんと二番から初音ミクだけでなく他の5人のピアプロキャラクターズも歌い始め、6人で歌うHand in Hand となった。(筆者は無事に喰らい、ギャン泣きしながらペンライトを振っていた。)
■結論
今年のマジミラやばかった。(我が生涯に一片の悔い無し!!の構図で。)(毎年思ってる気がする)