今更ニーアレプリカントの旧作をプレイすることのすゝめと、それに伴うトロコンの注意点
はじめに
なぜか整理が好きである。いろんな不要なものを片付け、そしてある基準を超えて綾波レイの私室みたいに殺風景になってしまうとまた一気に物を増やし、ムズムズしてくると整理するというサイクルが僕の人生なのだが、最近はSwitch、PSP Vita、Nintendo 3DS、PS3、PS4、ゲーミングPCと、増えすぎたゲーム機を片付けたいという欲求に駆られている。
そこで、過去に勢い余ってクリアしてセーブが消え(意味が分からないのだがニーアレプリカントの旧作は、全ルートをクリアすると記録がすべて消えるのだ!)トロコンがまだだったニーアレプリカントを、PS3を片付けたいという欲望にしたがってコツコツ片付けるというのを最近やっていたのである。
これはそうやって、クリア後無になったセーブデータから、もう一度トロコンを目指したという日記である。もうすでに遅い気がするが、ネタバレは全開である。
あえて旧作を選ぶ理由
ニーアレプリカントにはご存じの通り ver. 1.22… というPS4のリメイク版がある。リメイク版になって根幹を間違い今一つになるゲームは後を絶たないが、ver1.22… は、ほとんど欠点はない。並べてみると改善点ばかりだ。
・美人になった登場人物
・なぜか省略された武器に紐づく物語の復活
※武器集めのモチベにもなるから、とても重要
・細かいバグの解消
・プラチナゲームズさんによる戦闘の洗練
・課金コンテンツ 15Nightmare の標準装備
・シナリオ追加 & 追加シナリオによる消えたセーブデータの復活
なお、これは好みなので上げていないが、音楽もより生演奏オーケストラをフューチャーした新アレンジに変わっている。というわけで今旧作を買う理由は何一つないのだが、最後がちょっとだけ重要である。
リメイク版では消えたセーブデータが復活するのだ。当然復活したデータでトロフィーコンプもしやすい、その上、新しい物語が読めてその物語もニーアらしさ溢れる安直なハッピーエンドを拒否したものだったりする。どこかのゲームのように、突然アイドルになって晩節を汚したりしない、素晴らしいエンドだ。
しかし、しかしである。全てが改善されたリメイク版というのはこの世界には絶対に存在しない。何かを変えれば、必ず何かを失う。最近話題のFF7リバースは素晴らしいらしいが、リバースでは体験できない、あのカクカクのレゴブロックみたいなグラフィックのFF7でなければ体験できないものが確かにある。ニーアレプリカントにとってそれは「ガチでセーブデータが消える」という体験である。
僕は「はじめに」で語ったように、増やしたものを片付けるのが好きで、トロフィーコンプしてニコニコしながらゲームを本棚にしまうのが好きである。それなのに、セーブデータを消さないとみられないシナリオがあるという葛藤はガチで僕を悩ませた。効率を考えるならば、トロコンしてからそのシナリオを見るべきである。ただ、それではこの「今すぐに物語を読みたい」という気持ちを薄めてしまうことになる。くっ、もう我慢できない。
ーー シャラン ーー
そして涼やかな金属音とともに、僕のセーブデータはトロコンをしないまま完全に消えた。そしてニーアレプリカントは、まだ片付けられないゲームとして僕の本棚のアクティブゾーンにずっと残り続けることになったのだ。
これは本当に忘れられない体験である。旧作ニーアレプリカントは確かにそれがあり、この「忘れがたい喪失感」こそが今や超有名売れっ子ディレクターとなったヨコオタロウさんが僕らに体験させたかったものなのでは?
今時、完全にネタバレなしにゲームを遊ぶのは難しい。そして戻ってくることがわかって消えるものに喪失感は少ない。ニーアレプリカントは、これだけのために旧作版でプレイする価値がある。僕はそう考える。
もはやどこにも需要がない旧作トロコンガイド
そんな忘れがたい思い出を残したまま、本棚のアクティブゾーンに保管されていたニーアレプリカントだが、僕はもう一度これを終わらせることにした。リメイク版でトロコンは済んでいるが、本作のトロコンはなかなかにきつい(しかもリメイク版と違って0からだ)。
大体の人が躓くレプリカントのトロフィーは以下であろう。
・資産家 ・・・ 100万Gを所有する(累計ではない!)
・伝説の庭師 ・・・ 物理的な時間がかかる栽培。まあ、旧作はタイムゾーンをいじくる裏ワザが使えるところは救いか。
・伝説の大魚 ・・・ ひたすら釣りをする。これはまあまあ楽しい
・職人魂 ・・・ 武器のレベルをすべてLV.4にする。果てしない素材マラソンを求められる
・動物保護反対 ・・・ 羊を100匹殺す。もはやプレイヤーに対する嫌がらせである。なお、なぜか猪でひき殺すとカウントされないので注意
・光速ファイター ・・・ 15時間以内にAエンディングを見る
特に太字の部分がそれぞれお互い邪魔しあっている!完全に消えてしまった記録のあと、効率よくやるためには、
15時間以内にAエンディングを見つつ、
→ 職人魂で使う素材をすべて集め、
→ その上で一旦売り払って100万Gになった後に、
→ ロードしなおして武器に使う
というルートが誰しも思いつくと思う。しかし、素材集めにおいて有効になるサブクエストがあるため、15時間以内という制限の中「素材集めに有効になるクエストのみ着実に実施する」というのは綿密なプランが必要になる。そして、それをあえてすぐに強化せずに売って100万Gになるまで待つというモチベ管理上最悪の仕様。少なくとも僕には、せっかく苦労して集めた素材を武器強化に使わず我慢してとどめておく、というのはモチベ管理上、無理であった。多分そのやり方をしてたら諦めていた。
モチベ管理を維持しつつ最善のクリアタイムを狙う
というわけで、モチベを考えない機械向け最善ルートをいったん見直す。なお、どのサイトにもふんわりとしか書いてないので明言しておくが、難易度は絶対にHARDのほうがいい。レア素材が落ちる確率が(体感で)レベチである。どれぐらいかというと、1時間やって1個もでないレア素材がHARDにしたとたん初回に出るぐらいの体感の違いである。洋館地下や鉄パイプのクエストでレベル上げしてでも、絶対難易度をHARDにしておこう。
①効率の良いクエストを無視し15時間以内にAエンディングを見て
「光速ファイター」を達成。時間のことをいったん忘れる。
②見た後すぐに100万G稼いで「資産家」を達成。
お金のことをいったん忘れる。
③一部の残しておくと効率の良いクエストは代替手段を使う。
コツコツ工場前の武器屋に通い、武器がLV.4になる光景にモチベを感じながら「職人魂」を達成する。
将棋でもなんでもそうだが、人間はAIの最善手をそのまま選べば強くなれるわけではない。人間にはモチベというパラメータがある。それを考慮して最善ルートを見直すことが人間にとっての最高効率である。なお、そもそもトロコン自体が虚無であるという意見はここでは控えてほしい。そんなことはわかっている。
ちなみに上記①③のデメリットとなる素材集めに有用なクエストは、大手攻略サイトだと以下である。
鷲の卵を少年期に確定で手に入れることができる。確かに鷲の卵は面倒なので余力があるならばやったほうがいいが、村長の家の真下の採取ポイントで自殺を繰り返せば割と1時間ぐらいで集まる。金塊のほうが大変である。
やたら倒すのが難しい「浮遊魔術師」が確定で出現する。ただ、これは砂漠でマラソンをするのと実は効率はそんなに変わらない。
こちらも同様。これは青年期のクエストなので、せっかくだから僕はこのクエスト使って錆びたネックレスを集めたが、普通に石の神殿でマラソンしても効率はそんなに変わらない。というか、曇りの日でも確定でこの敵が出るわけではないので、むしろ効率が悪いまである。
これも青年期のクエスト。確かにこのクエストで集めると効率はいいが、対象の「超重迎撃魔弾手」は鉄パイプ取得のクエストや石の神殿など、ことあるごとにたくさん出てくるので実はそこまで気にしなくてよい。
というわけで、実は代替手段もそこまで効率アップにはならないから安心してほしい。「必要なサブクエはクリアできるように管理しながら、15時間以内のクリアを目指す」というストレスは、感じなくてもよいのだ。
また②においては以下のサイトの方法を使えば楽しく100万G稼げる。
「100万G溜めるまで武器は強化できない」・・・みたいな迷いは生産性を低下させる。人間はシングルタスクである、さっさと100万G稼いで、意識を一つに絞ろう。
素材集めマラソンはガチャ
というわけで、昨今ではいろんなゲームに実装されている素材集めマラソンをリメイク版→旧作と2周を走った。思ったほど苦行ではなかった。何週も同じところを巡ったり、同じ敵を倒したりして、金色の素材マークが出て、お目当ての素材が出た瞬間の脳汁がすごい。
この体験、どこかで……と思って思い当たったのがガチャだった。やはり人間は適度な苦労をしてそれが、運命的に、偶然(確定ではなく)報われるという体験が気持ちよくなるようにできているようである。
しかも前述のとおり、僕は難易度を最初NORMAL、途中からHARDに変えたため、あまり出なかった素材が突然出るわ出るわでさらに興奮がすごかった。これ、普通にソシャゲとかに実装(ガチャを回した回数がX回、時間がY時間を経過すると確率が倍になる)したらなんかヤバいシステムになりそうである。誰か実装してユーザの反応を見てほしい。
ガチャに嫌気がさしてソシャゲから離れた僕だが、やはりガチャの魅力からは逃げられないみたいである。たかがガチャだが、人間の本質に近い部分がここにはある。
まとめ
というわけで、今更ニーアレプリカントの旧作をプレイすることのすゝめと、それに伴うトロコンの注意点についてまとめた。
現在もニーアシリーズは大きな存在感を持っており(頭をぶん殴られるような展開は実況映えもするので時代にもあっている)、NieR:Automata の続き「NieR 3」を待ち望んでいるファンも多く、過去作をプレイしてみたいという人は細々と増えていくだろう。
そこであえて旧作のほうをプレイする酔狂な人もきっと現れる。あなたが配信者なら、記録が完膚なきまでに消えて復活もできない体験は実況にも映えるだろう。
ということはつまり……一人ぐらいはこの記事は役に立つかもしれない。そんな祈りを込めながら。
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