【ボードレール】悲劇の人生|「悪の華」詩集のウラ側には…
詩集「悪の華」で有名なボードレール。
父との死別、浪費グセ、自殺未遂…
彼の人生はとても悲劇なものでした。
悪の華とボードレールの人生を深掘りしてみます。
ボードレール悲劇の人生:詩集「悪の華」
詩人の生誕から死までを退廃的かつ官能的に表現した「悪の華」、フランス語で「Les Fleurs du mal」。
フランス人、シャルル・ピエール・ボードレールによる唯一の詩集です。
悪の華|初版
初版は1857年。この時、ボードレールは36歳でした。
退廃の美と反逆への情熱をうたっています。
・憂鬱と理想
・悪の華
・反逆
・ワイン
・死
この5章構成に、序詩を含めた詩101篇が収録されています。
このうちの6篇が反道徳的であるとして、公序良俗違反を問われました。
・レスボス
・地獄に落ちた女たち
・レーテ
・陽気すぎる娘へ
・宝石
・吸血鬼の変身
これにより詩集は出版禁止。ボードレールは有罪となり、300フランの罰金処分を受けました。
ボードレールは作品ではなく、その罪状で有名になりました。
実はもっと前に刊行予定さていた
1845年「レスボスの女たち」 の題名で詩集の刊行を予告していました。
すでに著者名としてボードレール・デュファイと署名しましたが、これは未完に終わりました。
1848年「冥府」 の題名で詩集の刊行を再予告。しかしこれも実現はしませんでした。
1855年「悪の華」の題名で、詩18篇を雑誌「両世界評論」に発表しました。
これが「悪の華」の原型とされています。そして後に「悪の華」初版が刊行されることになるのです。
「悪の華」は高級娼婦「サバティエ夫人」および女優「マリー・ドーブラン」に出会ったことがきっかけで書かれたものです。
悪の華|第2版
第2版は1861年。禁断の6篇は削除され、新たに32篇を追加して再版されました。
そして「パリ情景」を加えた6章構成に変更され、全127篇を収録しています。
この第2版が決定版となり、現在発売されている「悪の華」となっています。
「悪の華」は象徴派詩人のバイブルとなり、フランスだけでなくヨーロッパやその他世界中にも影響を与えています。
フランス詩史上もっとも重要な詩集だと評価されているほどです。
悪の華|第3版
ボードレールの死後、未発表のものを加え、第3版が刊行されました。
これには、禁断の6篇が収められています。
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