![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/33920249/rectangle_large_type_2_053f1fab413cf6d190f9013440140c7b.jpg?width=1200)
潰れたうなぎ
小さい頃は
嫌やったけど
今は
鰻がおいしい
小さい頃は
あんなに
鰻にあきあきしていたのに
今は
鰻がおいしい
でも
鰻て高くなりましたね
かなり高くなりましたよね
気になって調べたら
1990年頃から2000年頃は鰻の価値がすごく安かったらしいです
僕が4歳、5歳ぐらいから14歳、15歳ぐらいまで
その10年間ぐらいだけスーパーでも安く買えたぐらい鰻の値段は庶民的やったらしいです
僕は、
その頃
おそらく外国産の鰻をかなり食べていたと思います
5歳の夏
お兄ちゃんとお母さんと僕で
お家で昼ごはん
うな丼が出てきた
またや
普段サッポロ一番を食べている
普段にゅうめんを食べている
馴染みのあり過ぎる
赤いラーメン鉢で
うな丼が出てきた
またや
またやで
テレビでよく見る美味しそうな高級感のある重箱に入っていないことに毎回ガッカリしていた
でも、5歳年上のお兄ちゃんは喜んでいた
うなぎでいつも喜んでいた
うなぎが大好物だから
うなぎが食べれたら
それで満足のお兄ちゃん
喜んでいるお兄ちゃんのうな丼を見たら
自分のうな丼より
うなぎが一枚多くのっていた
自分だけがガッカリして
さらにお兄ちゃんと
一緒じゃないことに
腹が立った
一気に血がのぼり
「なんで僕のは一枚少ないんよ」
叫んだ
叫んでも怒りはおさまらず
「うあぁっ」
「うあぁ」
お兄ちゃんのうな丼と自分のうな丼に思い切りパンチをした
くっきり僕の小さい拳の形が
お兄ちゃんのうな丼と
自分のうな丼の真ん中にできていた
ヤバい、、
お兄ちゃんに
シバかれる
お兄ちゃんはうな丼の真ん中にできた僕の小さい拳の形を見て
指さして爆笑していた
お母さんも爆笑していた
ん?
お兄ちゃんが
「お前なんで自分のやつにもパンチしたん?」
と爆笑しながら言って
お母さんと
さらに笑いはじめた
僕の怒りは
ふわふわした
少し笑いが落ちついてから
お兄ちゃんが
「はい、一枚やるわ」
と言って
はしっこにあった
潰れていない
うなぎをくれた
僕の怒りは消えていた
お兄ちゃんに
なにも言えなかった
お兄ちゃんは
潰れたうなぎを
いつものように
美味しそうに食べていた
お兄ちゃんのマネをして
潰れたうなぎを食べた
お母さんは
たぶん
見ていないけど
微笑んでいたと思う