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【Pauper】カルレ使ってて相手が《のたうつ蛹》を出したらフルパンしろという話


●フルパンしろ

タイトルで伝えたいこと概ね伝えてしまっているから、タイトルだけで理解できたプレイヤーはブラウザバックして『大正學生愛妻家』を読む作業に戻ってもらって構わない。理解できなかったプレイヤーは最後まで読んでから『大正學生愛妻家』を読む作業に戻ってほしい。このエントリーを最後まで読まなかったとしても『大正學生愛妻家』は読むべきである。
リンクはこれ。

カルレがメタから減った理由の1つと思われる《のたうつ蛹/Writhing Chrysalis》だが、どうもこいつの対処を誤っているシーンをよく見かける。

◯状況
経過ターンは3ターン目前後。こちらは可能な限りクロックを展開し、対戦相手(サディストコンボであったりランプだったり)が《のたうつ蛹/Writhing Chrysalis》をフルタップでキャストしている。

《のたうつ蛹》はキャスト時に落とし子・トークンを2体連れてくるので、3体までブロックが可能である。そのため横展開で戦うカルレはビタ止まりしてしまい、最終的に負けてしまう。
だが本当にビタ止まりしてしまうのか?実はそんなことは無いんじゃないかな。

よくよく考えてみると、《のたうつ蛹/Writhing Chrysalis》によってブロッカーは3体いるが、デカいのは《のたうつ蛹/Writhing Chrysalis》だけで他のトークンはパワー0なので、フルパンしても死ぬのは《のたうつ蛹/Writhing Chrysalis》にブロックされたクリーチャーだけなのである。

●段階的に状況を整理しよう

要件をまとめよう。

◯最終的な目標:ライフを0にして勝利
◯想定されるゲーム展開:生物のサイズで劣るため、中盤以降地上が全て止まる
  →敗北:サイズで押し負けて殴り殺されるorコンボを決められる
      2枚めの蛹をキャストされたらどのみち負け
  →勝利:最序盤に生物でライフを削り、残りは本体火力で削り切る

上記を踏まえると、クリーチャーによるダメージが通るのは最序盤だけなので、《のたうつ蛹/Writhing Chrysalis》を出されただけでアタックを躊躇した瞬間にほぼ負けが決まってしまう。
アグロデッキで一番大事なものは殺意(迷わずに最短ルートでライフを狙う気概)である。その都度プレイ方針が変わるアグロほど弱いものは無い。
好印象などガン無視して最終ターンに「ハートの合図」が来ることを信じて愚直にやる気と元気を稼ぎ続けたPだけが篠澤広をトップアイドルにすることができるのだ。

では最初のシーンに戻ろう。フルパンした場合としなかった場合で何が起きるだろうか。

◯フルパンした場合
・アタックした一番強いクリーチャーが《のたうつ蛹/Writhing Chrysalis》によって除去される
・ブロックした落とし子・トークンは生贄に捧げられる
・4/5の《のたうつ蛹/Writhing Chrysalis》が誕生するが、ブロッカーは1体だけになる

◯フルパンしなかった場合
・次のターン対戦相手の可用マナが2マナ増える
・《命取りの論争/Deadly Dispute》を構えた状態で落し子・トークンをブロッカーとして運用される
 →共に追い蛹(ほぼ負け)をされる可能性が上がる

この時点でフルパンしなかったら「負ける可能性が上がる」ということがなんとなくわかるが、アグロデッキとは「負ける可能性を下げる」のではなく「勝つ可能性を上げる」ことを追求するべきである。つまり本質はここではない。

仮にフルパンしてこちらの一番強いクリーチャーが1体死亡してターン終了したとしよう。
対戦相手視点だと
・相手にはクリーチャーがたくさん(以降複数ブロックで討ち取られる可能性)
・カルレは本体火力でライフを攻めてくる(リミットが迫ってくる強迫観念)
・4/5に強化されたクリーチャーをコントロールしている(盤面の優位性)
・フルタップなのでこのターンのダメージは通る(わかりやすい餌)
 ※第2メインにクリーチャーをキャストしたとしても複数ブロックで相打つ状況はほぼ無い

ワンチャン《のたうつ蛹/Writhing Chrysalis》でアタックしてくる可能性があるな???

そうすれば本来ダメージが通らなかった地上で追加のダメージを与えることができ、勝利が近づく。
対戦相手が冷静でアタックしてこなかったとしても、落とし子・トークンはいないのでブロッカーは《のたうつ蛹/Writhing Chrysalis》本体だけ、再度フルパンして追加のダメージが期待できる。
つまり「クリーチャーをたった1体生贄に捧げることで本来ロストしていたダメージを回収できる」と解釈できる。ボードアドバンテージを気にし始めたプレイヤーが無意識に避けてしまいがちなプレイだが、大事なのは最終的に勝つことだ。《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》をキッカーするならこのタイミングだ。

上手く説明できているかわからないが、自分の伝えたいことが少しでも伝わったら嬉しい。《のたうつ蛹/Writhing Chrysalis》にビビらずに勇気を出してフルパンしよう。

●応用テクニック

仮に対戦相手が4/5の蛹で殴ってこなかったとしよう。
その際はボソっと「あっ、殴らないんだ・・・」と発言しよう。

明確なプレイング指標が無いプレイヤーの脳裏には「今の盤面は殴るべきだったのか?」という疑問が残る。
対戦相手に確実に4点ダメージを与えられた瞬間を手放してしまった事実は少なくともそのゲーム中「後悔」として残り、判断を誤るプレイミスを誘発させられるかもしれない。
これを「ツァイガルニック効果(人は達成できた事柄よりも、達成することができなかった事柄や中断している事柄を強く覚えているという現象)」という。いわゆる盤外戦術。勝ち負けが重くのしかかる競技シーンではなかなかに有効に働く。ちなみに知り合いには全然効かない(脳が雑談として認識する)ので注意。あとこんな技術ばっか磨いてないで通常のプレイを磨いた方が絶対にいい。

●なんでそんならしくないことしてるの?どしたん?

神決定戦みたいなプレミアムなイベントで普段Pauperをやっていない他フォーマットの強者が勝っているのを見ると流石に思うところがある。自分は織田信長ばりに身内に甘い人間なので、普段Pauperをやっているプレイヤーにこそタイトルを獲得してほしい。そのためになけなしのノウハウを共有して日頃Pauperをプレイしている層だけに協力することは吝かではない。

そして自分目線でPauper勢に足りないものはプレイングだと言い続けている。Pauper黎明期から「カードパワーが低いからプレイングの腕が出る」と言われているのに、どうしてもデッキ構築だとかメタ読みばかり重視して基本的なプレイングがおろそかになっている。
お世辞にもプレイングが上手いとは言えない自分目線でも、横から見ていてこの人ミスってんなーと感じるシーンが多々あるのでこれは多分トゥルー。

そうなった要因としては
・競技大会が少ないので競技としての真剣勝負の試行回数が少ない
・アグロが死滅してアーキタイプのバランスが異常に偏っているのでプレイ方針が他フォーマットよりコントロールに偏っている(攻めるプレイの経験値が絶対的に少ない)
あたりが考えられる。

ただ本音を言えばこれは別に悪いことだと思っていなくて、そんなにヒリついてない牧歌的な温度感がPauperの魅力の1つだと思っている・・・んだけども、やはり外部のプレイヤーにタイトル奪われるのはいい気分ではない。

ではどうすればいいか。都合よくPauper勢だけを啓蒙することなど可能なのか。

あれ?こんな風に普段からPauperに興味がある人間にしか目に止まらないところで皆が少しずつテクニックやプレイングのノウハウを共有すればそれが可能になるんじゃね?
神決定戦が近づいた時だけPauperをプレイする層はどうせ晴れる屋の結果を残したデッキリストとPauperMTGの動画しか見ないからな。

と思い立ってこれを書いてみた所存である。みんなもこんな感じで少しで良いからテクニックを共有したら何かが変わるかもしれない。

大事なのは共有した情報は間違っても良いということだ。こういうものはアウトプットすることで精査されより高みの情報への足がかりになる。もしかしたらバタフライエフェクトのごとく予期せぬセレンディピティになるかもしれない。
そして情報はほんの少しでいい。むしろデッキガイドみたいな力作は非Pauper勢に読まれてしまうのであまり意味が無い。

頼むぞPauper勢。みんなで力を合わせてノウハウを共有してプレイヤーのレベルを上げてタイトルを獲得してくれ。集合知だ。そして普段Pauperやってない神決だけ出てるにわか勢を下位卓にぶちこんでくれ。そいつらを同じく下位卓にいる自分がわからん殺しで狩るから。Pauperにわか勢を動物園でわからん殺ししたい!!!!(一番大事な本音)

●おわりに

このエントリーに賛同した方のフレンド登録&サークルのお誘いお待ちしています。

P-ID 9LBRA5B6


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