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オケラ2号「コンバージェント」感想と考察

コンバージェントと書こうとして2回ぐらい「今羽―ジャンと」みたいになりましたとです…。博史(本名)です…。

という事でオケラ2号の新作EP青盤(俺しか言ってない)こと「コンバージェント」がリリースされました。
前作「ダイバージェント」から約1年の時を経てリリースされた今作。
散開(ダイバージェント)して、集束(コンバージェント)する意味とは?その先にあるものは?気になる事はたくさんあるが、今回は新作「コンバージェント」にスポットを当てていく。
彼の自称コピー「ひねくれ系Lo-Fi箱庭ポップス」を踏襲した…と書き始めてから前作の1曲目「まどろみながらいくのだ」と今作1曲目「エアポケット」を聴き比べると今作はちょっとHi-Fiじゃん!なんて気付きもありつつ、でも不思議と箱庭感は増してたりして彼の緩やかな変容と”経て”きた経験が見事に実を結んだ傑作なのこれが!
では1曲ずつグチグチやっていきましょう。

『エアポケット』
冒頭、硬質なリズムボックスにギターのアルペジオが流れた時「うーん、キセル!」と思ったのだけれど、この後もう隠しきれないレディオヘッドが出てきちゃうんですよ。
UKポリス的に唸りをあげたのはやはりAメロ歌詞の「エアポケット」のところで♭Ⅶ→Ⅳ→♭Ⅵ→♭Ⅶ→Ⅰと進行していくところですね。ベースラインも印象的。というか今作本当にベースがうるさ(ry 印象的な楽曲が多いんですよ。
割とあるっちゃ~あるコード進行なんですが、オケラ君のすごい所は(子供の作文感)コードに合わせた言葉とメロディのハメ方っていうんですかね…。ハメ方が…まあ彼は変態なんでね…。ハメ方がね…。
歌詞は中立感というかSでもMでも無いし右でも左でも無い。でもそれなりにプライドもある。何も考えて無さそうだけどめちゃくちゃ考えてる…非常にオケラ君らしいなという歌詞でした。個人的には。

『羽化不全』
タイトル通りの内容。昔の自分を未来の俺が眺めてるタイムリープ作品。(勝手に言い切っちゃうw)
もうこれは僕なんかは「ブフッフヒヒ」って笑っちゃうくらいUKですね!逮捕!
もうめっちゃビートリーですね。Getting Betterよろしく頭打ちカッティングに始まりサー(ポール・マッカートニー)ライクなうるさいベースライン笑
サビは中村一義ですね!(最低なレビューになってきた)
乙女パスタに感動!って感じです!

マジこのMV意味わかんないよな

『金魚』
きましたよ。ひねくれすぎオケラが。
音色やリズムの変化が少ないのでサラッといきがち(それでいいのだがw)だけどめーちゃくちゃ難解な曲。コード進行はクリシェを多用したオーソドックスな進行だが、メロディが複雑で正直まだ歌いきれてない感じも伺える。ぬるっとサビに入って2行目でピークをもってくるとかすごくやらしい曲です。テクがやばいです。
サーフ感のある間奏もとてもいい。
何か最初SNSがテーマな歌詞っぽいなと思ったんだけど、ここまで聴いてきてオケラ君の歌詞のテーマは根っこで同じなんじゃないかと思えてきた。
「白馬も馬車も御者もないまま乗り込むふりをして、優雅に風切る猿芝居」と、いきなり早口言葉のような歌詞から始まり「寄せては返す僕はここだよって天ツバする様道化の類、今夜も中指立て無頼」と続く。
スポーツでいうところの「フェイク」を入れて珍しく少し攻撃的な姿勢で「そこは覗くし中にも入るけど属さない宣言」をかましてくるw
そう、1曲目の「エアポケット」にテーマが少し似ているんですよね。本当のところは本人にしかわかりませんが。
何だろうな…周りはこう思ってるかもしれないけど自分はこういう風に思ってる時もあるという部分を曝け出してる感じがすごく人間ぽいというか…サビで夕暮れの比喩で流す感じもいいんですよ。
ただ、金魚が腹を出して浮かんでいる様は「死んでる」わけなので、もしかしたら自分の話ではなくて、こういう奴がいるんですよ~なあにぃ!やっちまったなあ!的なやつかもしれない。
よくわかんなくなってきたし結局本人しかわかんないし長くなったのでやめようw
夏の終わりに聴きたい1曲。

『兆しがあります』
バンドネオンぽい音が終始鳴っていてドローン牧歌的な雰囲気。この曲もこれからのアレンジの成長が楽しみというか未完感が強いですな個人的には。
楽曲の進行はオケラ節炸裂なクリシェ&裏コード。間奏を入れなかったり着地させない事でずっと浮いている感覚になる不思議な曲。
ちょっとメンヘラ入ってる歌詞だけれど刺さる人にはすごく刺さる気がする。EP内で一番シリアスかも。

『まぼろし』
前曲「兆しがあります」から繋がって鬱を抜け光が降り注ぐようなコードストロークとブレイクからスタートする今作のハイライトを感じる1曲。
Vm→Ⅱ7→Ⅳ→Ⅰというオケラ君らしからぬw黄金コード進行のサビから始まるも、Aメロでは歌詞の語尾に♭ⅦやⅣmをハメ込んでくるいつものハメハメスタイル。
トリップソングというか曲調とは裏腹に酩酊を感じる歌詞の内容。
希望と退廃。光と闇…とは違うな…。
あがりきれない、いけそうでいけない、でもドライブしてる。
気持ちいいじゃーん!となりながらも時計を見る感じ。
山登りっぽいかも。
サビ前のタタッタタッタッというスネアフィルが非常に印象的であるしカッコいい。カッコエモイ。

『クタビレモウケ』
ついに最終曲。長かった…良かったEPで…。

---草臥れ儲け(くたびれもうけ)とは。いくら努力しても、​くたびれるだけでなんの効果もないこと。

完全に「俺のクタビレモウケ論」で申し訳ないんだけど(今更)題名をカタカナにしているのは本来の意味(上記載)とは違い、くたびれた…!くたびれたが…!結果儲けている…!(カイジのノリで)なのかもしれない。
無我夢中にやってきたが、何も残っていない。いや、経てきたモノが残っているじゃないか!人生に無駄なんかない!そういった思いがね…知らんけどw何かそういうね…”続いてく”バイブス?
長めのアウトロもそうだけど全体的に”続いてく”感じがあるのよこの曲。
ラストだからそういうアレンジにしたのかな…?またそれは機会があれば本人に聞いてみるとして…

これは曲順の観点で意図的にそうしてるのか不明なんだけど、この曲のサビのコードと前曲「まぼろし」のサビのコード進行とほぼ一緒だったりする。
きっと意味なんか無いと思いますが…無駄な考察が捗りますw
あとサビまでのパートでさり気なく鳴らされるVmな!ぬかりない!
オケラ君の楽曲であまり感じたことは無いんだけど、この曲は80'Sの影響を感じた。ベースラインと冒頭の3連フィルに。

という事でしまいです。
全体の印象としてオケラ苦悩しすぎ!考えすぎ!w
でもこれは歌を作る人にとってすごく重要なんですよ。
僕なんかマジで苦悩しなくなっちゃったので歌書けないの。
ていうか何だこれレビューでもなんでもねえw

と、ここまで書いてオケラ君のツイートを少し引用

ええ、ええ。この中で僕はビートルズしか感じる事が出来なかったし、レディオヘッドが無いだなんて!と正直思いましたw
オケラ君の楽曲には割といつもレディオヘッドがいるんですよね。俺的には。ビートルズも。あとは所謂ロキノン系の日本のロック達。
出会ったばかりの頃から彼からビートルズを感じていたのだけれど、それは俺もビートルズ大好きおじさんだからなのである。まあまたこれは別の話で。
偉そうにコードの事とか書いてっけど合ってない部分も多いと思う。というか彼の最近のライブはルーパーを使用したスタイルであるが、今作もそれの延長上と見られるアレンジも多々あった。
そのスタイルだと共通音(コードA→コードBと進行する時、どちらにも当てはまる音階)でループを作っていく事になるので、自然と分数コード(C/E等本来のコードのルートではなく、ベースだけ別の音階で鳴っているコード)だらけになるので絶対音感を持ち合わせていない僕には正確なコードはわかりまへんのです。
とグダグダと言い訳がましい事を書いたわけですが、UKポリス的にはですね、こういう楽曲のですね、構造も含めたレビューを、レビューをですね、書きたく、書きたくなってですね、書いたわけなんであります。(SHINZOスタイル)
機会があればインタビューみたいのもしたいですね。
サブスクも良いけどデジタル購入も可ですので課金しましょう!
因みに僕のお気に入りはM1、3、5です。
追記追記で終わりが見えないのでここで終わろう。うちで踊ろう。ガッキー!!!!!!



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