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法定相続、遺言書 特徴知って(北海道新聞連載⑤)
遺産相続といえば、まず思い浮かぶのが法定相続分による分け方と、遺言書による分割だと思います。
今回はこれに関する基本的な3問を用意しました。
挑戦してみてください。
Q Aさんが亡くなりました。遺言書はありません。法定相続人は妻と子供です。どのように分ければ良いでしょうか。
① 法律の定めなので、法定相続分通りに分けなければならない。
② 法定相続分にかかわらず、妻と子供が話し合って決められる。
③ 遺言書が無ければ、裁判所が決める。
A ②が正解です。
法定相続分とは、相続税を計算するときや、遺産を分けるときにもめてしまって合意しない場合などに使用する数字です。
ちなみに、今回のように妻と子供がいる場合は、妻が2分の1、子供が2分の1です。
子供が複数の場合は、この2分の1を子供の人数で等分します。
Q 法定相続人が妻や子供であるというのはどのように確認するでしょうか。
① 保険証や運転免許証で確認
② 自分で言えば良いだけ
③ 戸籍、除籍、改製原戸籍の各謄本などで確認
A ③が正解です。
亡くなった方に子供が何人いるのか、子供がいなければ親はどうか、両親がともに亡くなっていれば兄弟姉妹がいるかなどは、戸籍謄本などで確認します。
新しい戸籍に引き継がれていない内容を確認するために、今ある戸籍の他に、本籍を移したり結婚離婚で誰もいなくなってしまったもの(除籍謄本)や、法律が変わって新たに作成される以前のもの(改製原戸籍謄本)で確認します。
内縁の妻や内縁の夫は法定相続人ではありません。
ですから戸籍謄本等で確認します。
Q 法定相続人以外の人に遺産を渡したい場合はどうすれば良いでしょうか。
① 周りに渡すように日頃から言っておく。
② 遺言書に書いておけば渡すことができる。
③ 法定相続人以外に遺産を渡すことはできない。
A ②が正解です。
法定相続人以外に遺産を渡したい場合は、遺言書が必要です。
ただし、有効な遺言書でなければなりません。
遺言書は、本人の意思で思い通りのわけ方(誰に何をどれだけ)を決めることができます。
遺言書の有無によって手続きは大きく変わります。
有効な遺言書がある場合は遺言書に従い遺産を分割します。
ただし、相続人全員の合意があれば、話し合いで遺言書とは違う分け方にすることも可能です。
2015年(平成27年)8月5日北海道新聞掲載
「相続」
この問題は今でもセミナー時によく使用します。
一番最初の問題は、選択肢③の裁判所が決めるを選ぶ方も多く…
知っておきたい基本です。