![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/41865108/rectangle_large_type_2_084d963c89225cb5a63e7288f1e5980f.jpg?width=1200)
「財産の把握」相続の第一歩(北海道新聞連載①)
今年で七回忌を迎える亡父から私が引き継いだものの一つに、オーバーコートがあります。
ネーム刺繍は残したまま私の体型に合うように仕立て直し大切に着ています。コートを着ると父に見守れているような気がします。
このコートはいわば相続財産の一つと言えるかもしれません。遺産相続は、とかく争いばかりがクローズアップされがちです。遺産相続で争うと、親族の間で人間関係の修復は難しく、「争族」という言葉もあるくらいです。
しかし、財産をもらうのですから、亡父のコートのように、本来は親に感謝すべき事柄なのです。
そして、相続対策とは、節税のテクニックを考える前に、大切な人のために自身の財産を生かすよう、行動することではないかと感じています。
相続を含めた「終活」については何かをしなければと感じつつも「まだ先のことだから大丈夫、そのうちに」と思っている方が多いのではないでしょうか。
相続では、例えば遺言書を書くなど本人の意思が大事なのは言うまでもありません。
でも認知症になったらどうでしょうか。心身ともに健康なうちに、しなければならないことがたくさんあるのです。
まずは自分の財産の確認が大事です。というのも意外に自分の財産をご存じない方が多いと感じているからです。
財産といえば不動産や預貯金、株式や債券などのプラスの財産を思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、借金、負債などマイナスのもの、そして保証人などの法律的な地位も財産に含まれます。
これらの財産は、相続放棄をしない限り継承される事になってしまいます。自分でもわかっていない財産はありませんか。
実は「相続」というだけで少し前には「縁起でもない!」とおっしゃる方も多かったのです。
しかし「終活」が浸透してきたことが背景なのか、最近は相続を考える方が増えてきているように感じます。
遺産相続で争うと、子供の代にまで影響してしまいます。
争いを次の世代にそれこそ「相続」しないために、勉強を始めてみませんか。
2015(平成27年)3月4日(水曜日)北海道新聞掲載「相続」
この記載から約5年、もうすぐ13回忌を迎えます。
その間相続に関する法律も状況も変わりましたが、基本は変わっていません。
これからここで基本的なお話を綴っていきます。